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ようこそ、異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語  作者: 蒼井 Luke
第1章 伝説の始まり
35/120

35.民主主義国家『ジャパン』

ある晴れた日、

多くの住民が広場に集まっていた。


本来は、全住民が広場に集まろうとしたのだが、

地方領主・聖騎士連合軍との戦い以来、

人口が爆発的に増加してしまったため、

広場に集まりきれなくなったのだ。


あの戦いで、軍事力およひ経済力を内外に示したことがきっかけで、

フィーナ国およびドルーン国からの亡命者が溢れたのだ。


そのため、街中には、

魔石を使った放送石を用意されている。


一方通行に声を届けるだけの、

有線であるが、この場では充分だ。

街中に声が伝わるようになっている。


「このたびの選挙結果について、

全住民にお知らせする。

選挙の結果、

カイン・レオンハルトを首相に任命する。

また、フィーナ国の独立も承認する。」


わぁぁっと街中から歓声が広がる。


「このたび、首相となった、

カイン・レオンハルトです。」


本来、俺は、今回の選挙を全住民が自ら自由に首相に立候補ができることと、全住民による選挙を行いたかった。


しかし、ジャックとインパルスに反対されたのだ。

亡命者が多すぎて、乗っ取られる可能性があったからだ。


そのため、選挙執行部で推薦制および原住民のみに選挙権を付与することになった。


まぁ、民主主義の第一歩だ。

今までと全く違う統治方法になる。

意識改革に時間が必要となるのだから、

これから少しずつ民主主義にしていけばいい。


俺は発言を続ける。


「皆に問う。

我々をこの島へ来ることとなった原因は何か。


皆に問う。

我々を苦しめるものは何者か。


皆の答えは同じはずだ。

フィーナ国である。

歴代の王や貴族たちが元凶だ。


私はここに誓う。

我が国の双剣とともに、ここにいる人々の平穏を約束するために戦うことを。


魔王を討伐し、我々の命を守ったジャック!


フィーナ国王都にて文明開化の先駆けとして、王都の住民を驚嘆させたインパルス! 


私と我が国の双剣がいる限り安心して欲しい!


我々は、自由だ!

我々は、王と貴族の家畜ではない!

王も貴族も兵士も農民も商人も牧師も、

皆、平等だ!


私はここに民主主義国家を樹立する。

国名は、『ジャパン』だ!

共に、新たな日々を歩みだそう!」


街から、

いや、首都から大歓声が聞こえる。

そして、国名である『ジャパン』のコールが

国民から鳴り響く。


この日、この世界に『ジャパン』の名前が初めて登場した。


後世、『ジャパン』の由来は、

こう記されている。


この時の中心となった3人。

ジャック。

インパルス。

カイン。


ジャックの『ジャ』

インパルスの『パ』

カインの『ン』


この3人の文字を一つずつ切り取り、

国名としたと。


そして、ジャックとインパルスも、

同様に考えていた。


だが、後世に記された内容と、

カインの想いは違っていた。


カインは思う。


グランさん、

あなたへのご恩は忘れません。

俺から、あなたへ、

せめてもの感謝の気持ちを込めて、

あなたの名前を国名に刻みます。


そして、この日、

自由と平等の理念をかかげた、

民主主義国家『ジャパン』が、

産声をあげた。


この時のカインの宣言は、

『自由と平等宣言』として、

後世の残ることとなる。


そして、1806年のこの年、

動き出しているこの年は、

まだ歩みを止めることを知らない。



【???】


カインが建国する数年前、

西方の小国にて、

一人の少女が即位した。


なみいる王位継承者を押しのけての即位だ。

一人の少女にできることではない。


周辺国家や国民は、

後見人の力なのだろうと思った。

そして後見人となったものが、

実権を握るのだとも思った。


だが、後見人となったものは、

すぐに即位した少女の意向により、

後見人の資格を失った。


少女の我が儘だったのだろう。

これで、この小国は荒れる。

周辺国家より、

いいように搾取されるだろうと誰もが思った。


しかし、結果は違った。


その少女は、強い意志と能力によって、

周辺国家を制圧していく。


そして、少女は圧倒的な見識で、

善政を行っていく。


人々は、彼女を『現世に舞い降りた女神』と崇めたのだった。



次回、新章『破滅円舞曲』へつづく。

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