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ようこそ、異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語  作者: 蒼井 Luke
第1章 伝説の始まり
23/120

23.街の発展

【インパルス】


「なんじゃこりゃー!」


大量の奴隷や傭兵を引き連れて、

イーストランドの対岸に着いた。

そこには、今までなかったはずの、

橋がかかっている。


「まるで、ラスボスの島に行くための

橋みたいじゃないか。」


対岸にかかる部分は、

ウィズが龍力を余らしてしまって、

特に錬金で荘厳な橋にしてしまっている。


そこに橋の調査をしていた、

グランがやってきた。


「おー、インパルス!

よく戻ってきたな。

というか、凄い人数じゃないか。」


「父さん、何があったんですか!!」


苦笑するグラン。


「詳しいことは、

カインに聞いてくれ。

俺たちもただ驚きっぱなしなんだ。」


本当に困っている。

父であるグランは、

昔、ジャックとともに冒険をし、

Sランク冒険者として、

名をはせていた。

そのグランが本当に困っていそうなのだ。


まぁ、後でカインに、

聞き出そう。


そこに商人であるレイブンが

話しに割り込んできた。

レイブンは、上客となるであろう

カインに会うために、

王都から同乗してきたのだ。


「初めまして、レイブンと申します。

いやはや、それにしても…。

これはなんとも凄いことをされていますね。

いったい、どれほどの財力を注ぎ込んだのやら。」


レイブンには死活問題である。

自分たちがもつ技術を遥かに超える商会が、

既にこの島に手を出しているなら、

自分たちが入る余地などなくなってしまうからだ。


「レイブンさん、初めまして。

少なくとも、まだどこの商会も入ってませんよ。」


グランは答えた。

この島にとっても、

レイブン商会は上客になるかもしれない。

であれば、なるべく早くから、

良好な関係を結んでおいた方がいいだろう。


「そうでしたか!

ところで、あの橋は、

私ども馬車が乗っても問題なさそうですか?」


グランは苦笑しながら答える。

「大丈夫ですよ。」


少し不安そうな顔をするレイブン。

それはそうだろう。

この大人数なのだ。

橋の耐久性に不安なのだろう。

もし橋が途中で崩れたりしたら、

海の上に投げ出されることになるのだから、

心配になるのは、当然だ。


グランは、

それを察知したのだろう。


「証明してみせます。

橋の上に来てみて下さい。」


三人で橋の上に行く。

そして、グランは、

全力でこの橋に攻撃したのだ。

元Sランクの攻撃は、

とんでもない威力だった。


しかし、橋はビクともしない。

いや、わずか数センチほどの

切り傷が着いただけだ。


「見て下さい。

元とは言え、Sランクだった私の攻撃でさえ、

この程度の傷です。

そして、この傷…、

自動で治ります。」


「なんじゃそりゃー!!」


驚く俺とレイブン。


「それに、海に住む魔獣は、

この橋が嫌なのか近づきもしません!

まさに安心安全を実現した橋です!」


もう、グランは、

やけくそになっている。


「なんなんですか、それは!?

そんな素材、神話級じゃないですか!

もしや、これはオリハルコン!?

この橋の全部がオリハルコンなのですか!?」


驚愕するレイブン。


「いや、オリハルコンではないと思います。

でも、よく分からない鉄素材です。」


しばらく、3人は無言で固まった…。


「とりあえず、

イーストランドに行きましょう。」


そして、インパルスとレイブンは、

更に驚愕する。


港までは、普通だった。

いや、ほとんど人がいなかった。

かろうじて、守備隊が残っているばかりだ。


グランに話しを聞くと、

新都市?に転居したらしい。

まぁ、守備に不向きな場所だしな。


「父さん、

ずいぶん、急に転居することにしたんですね。」


どうやら、新都市?は住みやすいらしい。

皆で話し合った結果、

すぐに転居することにしたようだ。


そして、新都市?に着く。

あれ?

これ、現代ヨーロッパじゃね?

とりあえず、

カインがいる都庁?に向かうことにした。



【カイン】


心友インパルスの姿が見える。

って、凄い人数を引き連れているぞ!?

いったい何人を引き連れてきたんだ!?


「インパルス、

なんて人数だ!

ビックリしたぞ!!」


「こっちのセリフだー!!」


俺は叩かれた。


「とりあえず、

こっちの部屋で情報交換をしよう!」


俺たちは、この間に起こったことの

情報共有を行った。


「「凄いことになったな…。」」


お互いの感想がかぶる。

とりあえず、レイブンと話すことにした。


「お久しぶりです。

レイブンさん。

オリーブオイルとマルセイユ石鹸の販売の時には、

ご協力ありがとうございました。」


「カイン様、お久しぶりです。

本日は、奴隷の引き渡しに立ち会うために

参りました。

奴隷の主人契約をしますので、

こちらへどうぞ。」


「あっ、契約はまだだったのですね。

ちょうど、よかった。

面談しますので、

面談が終わった方から、

奴隷解除していって下さい。」


「カイン!?

高い金を払ったんだぞ。」


驚くインパルス。


「あっ、俺は奴隷嫌いだから。」


「お前な-!

中にはエルフがいるんだぞ!

俺の専属秘書になる予定なんだ!

俺の野望が崩壊してしまうぞ!」


「エルフを専属秘書に!?

いいな、それっ!

よし、雇用契約できるよう、

頑張って説得してくれっ!」


俺はひかない。

元いた世界に奴隷なんていなかった。

だから、奴隷なんて嫌だ!


「カイン様、

老婆心ながら、お話しします。

奴隷解除しましたら、

おそらくですが、

この島に連れてきた奴隷は

全員いなくなってしまいますよ。」


レイブンは、

困惑しながら話した。


「大丈夫!

奴隷解除したら、

身の安全を餌に釣る。

それでダメなら、食で釣る。

食でダメなら、雇用によるお金で釣る!」


レイブンは、思う。

恐らく全員いなくなるだろう。

だが、一度は、忠告した。

恩としては、これで充分だろう。


「さて、皆さん長旅でしたでしょうし、

ご飯を用意しています。

食事を食べてもらったら、

面談していきましょう。

インパルス、

手伝ってくれっ!」


俺は、この人数を見て、

ウルティアと町の人に手伝ってもらって、

日本流バイキングを用意したのだ。


米も手に入れた、

つまりカレーライスが作れる!

ハンバーグだって、

パスタだって、

寿司だって、

何でもアリだっ!


そして、全員がバイキングで

ご飯を食べていく。


さて、食後の面談だ!

一人ずつ順に話しを聞いていく。


「名前と年齢、生年月日、

特技、将来のやりたいことを教えてくれ。」


俺は話しを聞いていく。

書記は、インパルスだ。

傍にはレイブンがいる。


「奴隷解除していただけるのですか?

お話しを伺わせていただきましたが、

この島にこのままいさせて下さい。」


中には故郷に帰るというものもいたが、

ごく少数だ。

ほとんど、こんな感じで、

そのまま在留してもらい、

雇用していくことになった。


やはり、安全・美食・雇用は魅力的だったらしい。


あれ?

なんか病気もちや怪我人がいるぞ?

インパルスに聞いたら、

安く買ってきたから、

そういう奴隷も買ったらしい。

俺は仕方がなく、

魔力と龍力を併用して治すこととした。

これはきっと、インパルスが俺ならそうすると思ったのだろう。


そして、全員の治療が終わる。


「インパルス、戸籍を作るぞ!

そのために、皆に住む住所を割り当ててってくれ!

それと皆の特技や要望に沿って、

雇用の割り当てだ!

忙しくなるぞ!」


そして、この島の産業を担う労働力を手に入れた。


この逸話は、奴隷たちの間で語り告がれることとなる。

東に奴隷解放王がいると…。


この島は、新たな労働力を手に入れ、

産業・農業ともに

自立したのだった。



【レイブン】


し、信じられん。

なんて、美味な料理の数々だ…。

ほとんど食べたことがない。

口の中に天国が広がっていく…。


おっと、トイレに行こう。

ん?

なんだ!?

この清潔なトイレは!?

おやっ、この個室に設置されているものは何かな?

ふむふむ、なるほど。

使ってみるか。

ボタンを押して、

ふわぁっっっ。

お尻が天国に…。

そろそろ拭くか。

ん?

トイレットペーパー?

なっなっなっ、

なんという紙の無駄遣い!

しかし、なんという心地よさ。

さて、そろそろ出るか。


ジャー。


な、な、な、な、な!

自動で流れた!?!?


呆然として、歩く。

ん?

ここは、2階に行く階段かな?

なんとなく、目の前に立ってみた。

うわっ、階段が動いた!?!?!?

人が立つと動き出す階段だと?

ちょっと乗ってみるか…。

なんと、楽な!

そして、なんとも楽しい…。

思わず、3周してしまった。


はぁ、ノドがからからだ。

もう一度バイキングの部屋に戻る。

飲み物をもらおう。

ん?

酒か。

普段は商談中は飲まないんだが、

一杯だけ飲むか…。


つ、冷たくて、美味しい!!

これは、ビールというのか!?

なんと素晴らしい!


ここは、天国なのか…


そして、奴隷解除をするため、

事前面談が始まった。


皆ここに残るという。

それはそうだろう。

ここは、楽園なのだから。


ん?

カイン様が怪訝な顔をしている。

病気や怪我人の箇所を見て怪訝な顔をしたのだろう。


そう思ったら、

カイン様が治療を始めた。


そして、全員が治っていく。


バカな!?

宮廷魔道士ですら治せなかった病気や怪我だぞ!?

し、信じられん。


そのまま、この街に泊めさせてもらう。


クーラーが聞いて、

部屋の温度は快適だ。

お風呂があって、

なんと暖かいお湯が溜められる。

ん?

シャンプーとリンスとボディーソープ?

使ってみるか。


鏡を見る。


な!?

髪がツヤツヤだ!?

もし女性が使えば、特に映えるだろう。

そういうば、ここにいた女性たちの髪は、

なんとも美しい女性たちが多かった。


ふぅー。

寝る前に飲み物を飲むか。

冷蔵庫?

つ、冷たく飲み物があるではないかー!

風呂あがりに冷たいビール!

なんと素晴らしい!


…。

……。


私は部屋の窓から、

街の景色を見つづけていた。


認めるしかない。

この街の文化は、

全ての面で、先進的だろう。

ここを知れば、

誰もがここに住みたいと思うに違いない。

今後の世界の文化は、

間違いなくここから発信されるものが、

スタンダードになる。

どの商会も知ったら、

間違いなくここに来るだろう。


明日、カイン様に相談しよう。

ここを拠点に商売を始めたいと。

レイブン商会の全てを、

カイン様のやることに協力することを条件にすれば、お願いを聞いてくれるかもしれない。


何より、私がここに住みたい!!!

うむ、絶対に住みたいぞ!!!


レイブンは、この街に移住することに決めた。



次回、『24.ジャックの正体』へつづく。

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