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ようこそ、異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語  作者: 蒼井 Luke
第1章 伝説の始まり
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2.始まりとステータス

【海斗】


皆さん、初めまして。

もしくは、お久しぶり。

旧名『朝霧海斗』です。

こちらの世界では、『カイン・レオンハルト』と呼ばれています。


公爵家の次男として生まれ、18才になりました。

爵位とは、公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の順に階級があります。

つまり、貴族の中では、最も偉い爵位を持つ子供に生まれたわけです。


まぁ、そんなわけで、これから言葉遣いに敬語がなくなるのを許して欲しい。


地球での暮らしを思い出したのは、5歳の頃。

最初は記憶が混乱していて、何がなんだか分からなかった。

5歳らしい生活をしていると、ある時、急に思い出したのだ。

自分が地球で暮らし、クロノス神によって転生させられたということを。


それまでのこの世界で過ごした記憶と、地球にいた時の記憶が統合され、今の俺がいる。

正直、この世界のことを知るのに、向こうの知識があっては邪魔だったろうから助かる。

何より、幼児の時に頭が良すぎると、不気味に思われてしまうだろう。何より大人の精神に幼児の生活は耐えられないだろうから、この形でよかった。


えっ?

チート能力どうだったかだって??

そんなのは、もちろんない。

いや、俺だって、ちょっとは期待してたよ。

実はないとみせかせて、とんでもないチート能力をもらえてたとかね。


この世界、教会に行けば自分のステータスを見ることができる。

生まれた時にステータス鑑定をしたから、分かってはいるものの、どうしても納得がいかなかったので、もう一度だけステータスを確認しに、教会まで行ったのだ。


お見せしよう。

今の俺のステータスは、こうだ!



名前:カイン・レオンハルト

性別:男性

種族:ヒューマン

年齢:18

特技:貴族のマナ-、

魔法:生活魔法Level1

加護:なし

称号:うっかり巻き込まれた異世界転生人(非表示)


※うっかり巻き込まれた異世界転生人…数奇な運命を辿る(笑)



うん、泣けてくる。

ちなみに、貴族のマナ-は貴族なら誰でも身につけるものだ。

生活魔法は一般人なら全員持っている。

まぁ、生活していく上で、取得していったものだ。

つまり、生まれた時に俺は何も持っていなかった。


それにしても、称号欄の、うっかり巻き込まれた異世界転生人の説明書…

最後の(笑)ってなんだよ。

そして、ちゃっかり非表示扱いだし…。


うん、泣けてきた。


でも、何が悲しいかな。

極めつけは、腹違いの妹の能力!


教えてもらった能力はこうだ。


名前:マリーナ・レオンハルト

性別:女性

種族:ヒューマン

年齢:18

特技:貴族のマナーLevel5

能力:火魔法Level6、水魔法Level8、回復魔法Level5、時空魔法Level2

加護:クロノス神の加護

称号:クロノスナンバー7


※クロノス神の加護…身体能力7倍、時空魔法取得

※クロノスナンバー…ナンバー順に能力があがる。


能力欄に魔法の種類があるが、実際にどんな魔法が使えるかはその人しだいだ。

簡単な魔法しか使えない人もいれば、強力な魔法を使える人もいるのだろう。

ステータスは、そのLevelの能力を覚えれば使うことができるというものだ。

つまり、ステータスに見合っていない能力を覚えようとしても覚えられない。

ステータスのあげ方は、ただ、ひたすら磨くことであげられるらしいが、それは気の遠くなるような話しらしい。


ちなみに、マリーナは水魔法が得意のようだ。

魔法の強さは、初級(Level1~3)・中級(Level4~6)・上級(Level7~9)の三段階に区分けをしている。

ざっと区分けをすると、

初級なら、一般市民レベル。

中級は、初級の2倍の威力。

上級なら、初級の3倍の威力以上を定義としている。

ちなみに、上級魔法を使えれば、宮廷魔導師として国のお抱えになり、食うに困らない生活を送れる。

マリーナの水魔法は、上級レベルのようだ。

この時点で、既に羨ましい。


それにしても、『クロノス神の加護』の説明はめちゃくちゃだ。

全能力が7倍って、チートすぎるだろう。

考えて見て欲しい。

握力30キロだとしたら、握力210キロなのだ。

ありえない数値だろう。


俺の容姿は平均的な黒髪黒目で中の上ってとこだけど、

妹は、青色髪でスレンダー系の美人。

まぁ、美人が傍にいるのは、ある意味、転生者のお約束かな。

地球でそれだけの筋力なら、筋肉質になるはずなのに、それはない。

どうやら、力を出す時に能力によってブーストされるのだろう。


でも美人の妹かぁ。

まぁ、役得か!


ちなみに、妹は確実に転生者だけど、同じ転生者として俺は悔しいので、転生者であることは妹には秘密にしている。


一度だけ、ステータスを偽装しているのか聞かれたが、非表示のことがバレたのかと思って焦った。

もしバレてたら、恥ずかしすぎる…。


うっ、また泣けてきた…。


まぁ、せっかく異世界へ来たのだ。

この人生を存分に楽しみたいと思う。


そういうわけだから、これからの俺の冒険譚を見ていて欲しい。




【マリーナ】


皆さん、初めまして。

『マリーナ・レオンハルト』と申します。


元いた世界『地球』より、クロノス様のお導きで、この世界『オルヴィス』へ異世界転生しました。


クロノス様とお会いした日のことを、今でも覚えています。


友達と二人でカラオケに入っていてお話しをしてたら、目の前を男の人が通りすぎました。


あの人って、朝霧海斗くんかな?

小学生のクラスで一緒だったんだけど、当時も男の子たちと会話が苦手で、全然お話しした記憶がないんだけど、きっと間違いないと確信しました。


でも、声をかけにいく勇気がありません。

私は、中学から大学まで女子校だったので、やっぱり男の人と話すのは苦手だったからです。


そんなことを思っていたら、友達の子が輝き出して目の前から消えました。

あまりの出来事に、声も出ませんでした。


そして隣りの部屋からも懐かしい声が聞こえてきたのです。

「うわーっ、なんだよこれ。」

たぶん、同じ現象が起こったのでしょう。


そして、私も数秒おくれて輝き、目の前が真っ白になりました。


ふと目が覚めると、真っ白な部屋でクロノス様とお会いしました。

お話しをしたかったのですが、体も動かないどころか声も出せませんでした。

ただ、クロノス様は心を読めるので、問題なく会話はできます。


クロノス様より、異世界へ転生し、魔王を倒してその世界を救って欲しいと説明がありました。

どうやら、転生する人たちには何かしらの能力をいただけるようです。


そして、私はレオンハルト公爵の娘として生を受け、ステータスを見た大人たちは私にたくさんの婚約者候補を紹介してきました。

最年長で60才の方まで。


お父様が当然、お断りをしていただけたため、今に至るまで婚約者がいません。


そして5才になったある日、私の腹違いの兄たちを紹介されました。

どうやら、私は妾の子だったようです。


長男の方は、明らかに貴族って感じの方で、生意気な12才でした。

だって、いきなり私のことを女のくせに、図々しいって言うんですよ。

カチンときて、言い返したら、お母様にそれはそれは物凄く叱られました。

どうやらこの世界、男尊女卑の傾向が強いようです。


その後、力比べを挑まれたので、応じてあげました。

圧勝です。

その後も何度も何度も挑まれましたが、全部、圧勝しました。

まぁ、そのたびにお母様に、こっぴどく怒られましたが気にしません。


そして、次男の方は…

一目見た瞬間に気づきました。

どう見ても転生者です。

会話や考え方から、明らかにこちらの世界の人ではありません。

話していると、次男の正体が急に分かりました。


あれ?朝霧海斗くん??

でも、凡庸のステータスって聞いてるし、どういうことなんだろう。

転生者は、何かしらの能力を付与されているはずなのに…。


そうだっ!

きっと、物語の主人公みたく、ステータスを隠ぺいとか偽装してるのかも!

うん、きっとそうだ!

聞いてみよう。


「カインお兄様は、転生者なのですか?

それと本当のステータスを隠されているのでしょうか。」


カインお兄様は、もう態度だけで答えが分かるようにうろたえていました。


「転生者ではないよ。それにステータスは、皆に知られているままが本当さ。」


はうっ。。

お兄様の顔は、中の上ってとこだけど、やさしい雰囲気で私のタイプなんです。

って、転生者って秘密にされた!?

きっと、何か事情があって秘密にしてるのかも。 

でも、きっと私がピンチになったら、秘密にしてた能力で助けてくれるはず! 


カインお兄様、いえ、朝霧くん。

元の世界では全然お話しができなかったけど、ここでは兄と妹として、いっぱいお話ししようね!


そして一緒に世界を救おう!


でも、本当は実は血が繋がってないとかなら、嬉しいな。

だって、朝霧くんは私の…。




次回、『3.異世界『オルヴィス』』へつづく。

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