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第42話 目を見て話せコラ

 それから数日後の朝。

 今日は騎士団の連中と話をするため彼らのアジトへと向かう。中はなにやら騒がしい様子だった。

「あ、タケルさんにシャルさん! お待ちしておりましたよ!」

 マコさんが盛大に歓迎する。オレはまずこの騒ぎの原因がなんなのかを尋ねる。するとマコさんはニヤリと口角を上げて、

「掴んだんですよ! とんだ大スクープを!」

 嬉しそうにそう宣った。

「大スクープ?」

 近所のおじいちゃんが最近ネコを買った、とかいうものではないだろう。

「あの憎き逆賊サラミのスクープですよ! 我々が喉から手が出るほど欲しかったものです!」

「…………」

 あまり驚きはなかった。オレはそのまま視線を横に動かす。

「おい、シャル」

「今日はいい天気ですね」

 あ、目を逸らしやがった。

「お前やっぱり……!」

「いやいやいや。違いますよ、勘違いしないでください。この前も言いましたが、お客の情報を外に漏らすのは契約違反です。商人の鑑であるこのわたしがそんなことするはずがないじゃないですか」

「うそつけ。んじゃ一体誰が……」

「はい、タケルさん! これが今度配る予定の新聞です!」

 マコさんから羊皮紙で出来た新聞なるものを渡される。そこに書かれていたのは『逆賊サラミ、不正発覚!』の文字。そして新聞の間からちらっと見える手配書。そこにあったのは……

 なぜか指名手配されている某ブタだった。

「……おい」

「ブタールさんですね。一体何をしでかしたんでしょうね~」

「まさか……」

 嫌な予感は的中するものだ。これが偶然の一致なんかであってたまるか。この二つの事件はつながっているに決まっている。そう確信できた。

「ブタールさんにはサラミ王の担当になってもらっていたんですよ。あのブタ、ブタのくせに中々会話スキルがありますからね~。意外とすんなりと解け込めたらしいですよ? ま、溶け込み過ぎて本来の仕事を忘れて豪遊していたらしいですけどね」

「あのブタならやりかねない……だけど、んなこと始めからわかっていたことだろう?」

「さぁ~? わたしはブタールさんのこと信用してましたからね。大事な情報は全っ部渡して担当してもらいましたとさ」

「お前……」

「ああ、やっぱりこの方です」

 そう言ったのはマコさん。

「私、情報を集めるためにレヴンレイギスの酒場に潜入してたんです。そこでこの方を見つけまして……サラミのことを話していたものですから、詳しくお話しを聞いてみたんです。すると出るわ出るわで……あ、ちょっとセクハラはされましたけど」

 流石のブタである。色んな意味で。

「ハニートラップか……」

「そ、そういうつもりじゃないです!」

「あはは、ブタールさんが勝手にハマっただけですからね。マコさんは責められないですよ。。でもまさか、お酒の力を借りてベラベラと喋ってしまうなんて……わたしはとても悲しいです。くすん」」

「え、ええ。でもシャルドネさんがあそこの酒場を紹介してくれたおかげで――」

「ちょちょちょ、何言ってるんですかマコさん。わたしは何もシテイマセンヨー」

「目を見て話せコラ」

 吹かない口笛を吹くシャル。そういえばこいつ、あのブタに溜まっていたものもあったはずだ。主に合コンの件で。これはある意味仕返しというやつなのか?

「タケルさん、なんか邪推してません?」

「だが、おそらく正解だ」

「またまた~」

 手をひらひらされるシャル。しかしやはり目は合わせなかった。

「はぁ、でもこれであのアゴを引きずり下ろす青写真はできたわけだ」

「はい! あとはこれを国中の人々にばらまくだけです!」

「そっか。あれ、でもそういやラムジン王の姿が見えないな。どこにいるんだ?」

「まだここには来られていないですね。そういえば少し遅い気もしますが……」

「た、大変だマコ!」

 飛び込んできたのは騎士団の一人シュウ。彼らしからぬ焦り様だった。

「どうしたんですかシュウさん?」

「お、王が……ラムジン王が、捕まっちまった!」

「っ!?」

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