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prologue

お久しぶりです、作者の有珠といいます。

前作ディザイアワールドオンラインの更新停止は本当に申し訳ありませんでした。

誠も勝手ながら、大幅変更の末、再度上げさせていただきます。

これからも楽しんでいただけるように粉骨砕身していきますのでどうかよろしくお願いします。

 地元では農林と言う過去の呼び名で知られている黄山高校。俺は此処に通学している。

 元々は農業高校であったそこは、近場の高校と合併する事で現在は二つの校舎にて、一般的な勉強と、農業を分けて習う事が出来るようになっている。ただし距離はそこそこで、両校舎間を行き来する事は全校集会以外ではまずありえない。

 しかし、当然ながら世の中には例外が存在する。この学校にも平然と、──まあ、俺と悪友なんだが。

 毎日のように農業校舎に向かっていくようにしている。弁当を片手に、八〇〇メートルはある道を昼休みが始まる度に。

 その理由は様々なんだが、まあ一番の理由は農林校舎はある意味で最高だからだ。


 その名のとおり農業を前面に押しているだけあって、この場には馬が昼時に馬屋から柵へと移される。

 希少な木曽馬を有していると声高々に語る校長やらの言葉は正直理解できないが、しかし、こうして馬を見ながらの昼餉と言うのは中々に気分がいい。

 自作された弁当の中身は色取り取りの野菜炒めと、昨日の豚ちゃんの残り、卵焼きに一夜漬けのきゅうりだ。

 いつもの様に幼馴染の馬鹿野郎に手渡してやると、途端に箸を取り出して食べ始めた。

 その背後で待機していた妹分にもとりあえず同じ物を渡しておく。ただしサイズだけは三倍だが。

 

「ああ、──農林を選んでよかった」


 動物と触れ合える学校というのはそうないだろう。

 昔自分が通っていた学校には孔雀を飼っていたが、しかし今はもう動物園へと売られたらしい。

 小学校時代はうさぎやらの飼育を担当していたが、そう言えば今アイツ等は元気だろうか。もしかしたらもう全滅している可能性もある気がする。

 

「いきなりどうしたの藪からスティックに」

「いや、此処はいいなと思ってな」


 可愛らしく小首を傾げる妹分の頭を撫でながら、悪友の言葉に素直な感想を返す。

 ──ごろんと野原の上に寝っ転がる。

 木漏れ日が顔を差し、斜面に吹く風が温かい。空の青さに馬の嘶き、白い雲を遮るように林檎の樹が揺れていた。

 春夏秋冬の流れは正しく今年も訪れた。前年のように嫌がらせのような台風一家の襲撃がないように祈るとしよう。悪影響が出ればそれは安く仕入れる事が出来るスクールマートの商品に大打撃を与えかねない。

 

「でも僕達農業科じゃないじゃん、まあ、確かに毎日来てるけどさ」

「いいじゃねえか、楽しいしな。それに薫子に歩かせる訳には行かねえだろ」

「まあ、そうだけどさ」


 農業校舎に通っているのは薫子だけだ。俺と悪友──閃は普通科と情報科だから一般校舎の方に通っている。だからこそ、こうしてこちらに弁当を届けがてら飯を食べる事にしたのだが、こっちの方が過ごしやすくて気楽なんだよなぁ。農業科に入りゃ良かったと今さらになって思うわ。


「そう言えば薫子、最近友達はどうだ、楽しく過ごせてるか?」

「色々な人がお菓子を分けてくれたりしますよ」

「いや、それは……」


 単にお前の見た目がこど、マスコット然としているからでは?

 そう言いたくなったが、……この妹分は案外それを気にしている。それはもう、自分の胸の前でスカスカとしてこっそり泣き出すくらいには気にしている。そんな相手にマスコットだからじゃないかと、どうして言う事が出来ると言うのだろうか。おまけに身長も一四〇程で、黒板が見えないのでいつも強制的に前の席ばかりだとか。言われて思わず目元を隠したがしょうがないだろう。


幼児体型(ロリータ)だから可愛がられてるんだね」

「はふッ……!!」


 ──コイツ言いやがった。

 とりあえず泣きそうな薫子の頭を撫でつつ、逆の腕で莫迦の頭を思い切り締め付ける。いい悲鳴(こえ)を上げる友人と、子供っぽい泣き方をする妹分に溜息を吐きながら、とりあえず落ち着くまで辛抱する事にした。


「ほら泣くな、理由はどうあれ、お前さんは確かに可愛らしいんだ。コイツだって一応褒めたつもりだったんだぜ?」

「えっぐっ、ほ、本当ですか?」

「ああ、──だよな?」

「う、うん、その通り」

「あ、あの゛、ずずっ、譲治さんは、どうおも゛いま゛すか」

「はぁ、──ったく、この甘えん坊が」


 もう一度、先程より優しく頭を撫でながら、膝の上に移動させた。

 途端に涙は引っ込んだらしく、まだ目元やらは真っ赤なものの、どうにか嗚咽は出さなくなった。

 そのまま撫で続けていると、気持ちよさそうに表情を緩ませていった。うむ、こういう素直な反応は中々に愛らしい。


「……普通ならそれ一番ダメージデカい筈なんだけどなぁ」

「まあ、信頼関係と言う点では俺の圧勝だからな」

「うん、そして残酷さもある意味で圧勝だね」

「はぁ? 何言ってんだお前?」

「うん、デスヨネー」


 やれやれと溜息を吐く閃に多少苛立ちを覚えたが、なに。

 明日の弁当を「のり」だけにすればいいだけの話だ。小さいと言われるかもしれないが、しかしコイツにはこういう生活面で責めた方がいい反応が得られる。さて、今回はどんな表情(かお)を見せるのやら、……楽しみだ。


「……なんか、寒気が」

「まだ四月だしな。春休みも終わってすぐだ、こたつにばかり篭っていたから身体がまだ慣れてないんだろうぜ。それより、今年のGWはどうする? 例年通りにキャンプでもするか?」

「……ごめん、GWもう予定入ってるから今回は無理だね」

「ほう、珍しい。無計画のお前さんが予定を立てるとはなぁ、もう春だが豪雪対策でもしておくか」

「いくらなんでも失礼じゃない? 僕だってたまには予定くらい立てるさ」

「どうせまたコミケ行くとかそんなんだろう? 確か去年は巫女服を作らされたっけか? 今回はなんだ、ドレスくらいなら作ってやれるぞ?」

「生活科に行けるんじゃない? あと、今回はコミケじゃないしコスプレもしないよ。僕の予定はゲームだからね。ベータ版楽しかったからものすごく楽しみなんだ」

「最新ゲームってやつか、ぷにょぷにょとか、トリテスとかの新作か?」

「違うし名前盛大に間違えてるから。情報誌とかで見た事ない? DWO──デザイア・ワールド・オンラインってやつ」


 それなら新聞で見た事がある。

 日本のゲーム会社の一つ【DRAGON HEART】が開発し、四月二十三日に発売予定らしい最新ゲームだったか。

 小説等でも人気らしい、VRMMO──所謂仮想空間内で自由自在に遊び回るネットゲームの類らしく、現在世界に三つ存在しており、今回の作品で四作目になるらしい。その事をドヤ顔で語る髪がバックオーライしているおっさんの顔写真があったのでなんとも印象深い。

 それにしてもゲームも進歩したものだ。

 俺が好んでいた、と言うか両親が残したゲームしか行った事がないので正直仮想空間に入ると言われてもどうにもピンとこない。

 テレビ画面の中に入ってゲームの世界で暴れまわる、と言うイメージで正解なのか不正解なのか。……青狸の未来道具で似た様なアイテムがあったような、なかったような。そうか、時代はついに追い付いたのか。

 

「あ、それなら私も予約しましたよ」

「薫子もか?」

「はい、友達に誘われたのでお父さんにお願いして」

「あの人はお前さんに甘いからな」

「ちなみに1台五八〇〇〇円でした」

「……そいつはまた、剛毅な話で」


 へそくりか、コツコツと貯めた小遣いだったんだろうなと思わず柔和なおっさんの顔を思い出して合掌した。金とは回りものだが、使えばその分また回ってくるわけではないのだ。むしろ戻ってこない可能性の方が高い。その金を娘の為にとポンと出したおっさんの評価が多少だが上昇修正された。

 

「あ、譲治さんも買うんですか?」

「金に余裕はあるがな、だからと言って娯楽に使う訳にはいかねえだろ」


 なにせ両親と祖父母の死亡保険と相続した財産だ。

 一山あるとは言え、これは学費と未来の為にとっておくべきだろう。

 電気代やら水道代、ガス代に食費と馬鹿にならないしな。


 ああ、しかし、──やってみたいな。

 なによりゲームの世界に飛び込めるというのは中々に楽しそうだ。

 

「そう言えば、さっき買った雑誌の懸賞の特賞がDWOだったよ。後それで当たると特典があるとかどうとか……してみる?」

「懸賞か、まあ、せっかくだ。やってみるとするか」

「譲治さんなら当たりそうですね」

「まあ、確かに当てるがな(、、、、、)

「……こういう時本当に当てるから怖いんだよなぁ」



 ◆



 さて、本日一〇時〇四分、我が家にゲームが訪れた。

 一辺が十五センチ程の黒い立方体(キューブ)状の〝DWO専用接続機〟、軍用ゴーグルに酷似した〝VR接続ゴーグル〟。

 懸賞なので元手タダ、おまけにログインする際に何か特典が貰えるらしい。……懸賞様々だな。


 ──Prrrr,Prrrr,


 棚に放置したまま忘れていたケータイが震え始めた。手に取り開くと「閃」の一文字がディスプレイに映っている。……どうやって出ればよかったんだっけか? 電話をするだけなら1~3のボタンがそれぞれの電話番号に直結してるから楽なんだが、出る際はどうするんだったか。

 迷っている間に電話が切れ、そして自宅の電話がなり始める。昔懐かしくもない黒電話の受話器を持ち上げて耳に当て、


「すまん、ケータイは慣れん」

『出るときは受話器の上がったボタンね、覚えた?』

「……ああ。それよりもなんのようだ?」

『いや、機械の使い方分かるかなって』

「……すまん、たすけてくれ」

『ですよねー、じゃあ、今から行くからお茶でも用意しといてよ』

「おう」


 流石は17年来の友人だ、初歩的以前な問題にぶち当たる事に気が付いて来てくれたとは。

 とりあえず戸棚にある煎餅と、貰い物のまんじゅうでも用意するとしよう。後はアイツ好みの渋いお茶でも入れてやれば喜ぶだろうな。……まあ、それは来てからの方がいいか。

 アイツが来るのは精々三〇分後だろうからその間になにかしておくとしよう。

 確か換気扇は五日前にやったばかりだったか。倉庫の物品の虫干しでもしようかね。いや、それも二週間前にやったからまだ大丈夫か。なら、──ふむ、昼餉の用意でもするか。


 キッチンに冷蔵庫と戸棚を確認するが、ふむ。買い足す必要はなさそうだな。

 ただ挽肉の賞味期限が近いな、爺さんの遺した赤ワインもあるし、……玉ねぎやらもあるな。材料は一通り揃ってるからあれにするとしよう。

 手始めににんにく、セロリ、人参、玉ねぎをみじん切りにするとしよう。

 ちなみにだが、玉ねぎをみじん切りにする際は冷やしておいたいいと言う話を聞いた事がある。生憎と切ってもそこまで酷くないので気にしていないのだが。切れ味のいい包丁を使うのもいいと聞いたのでもしかしたらそちらが当てはまっているから酷くないのかもしれないな。

 まあ、ともかく次は炒めるとしよう。フライパンにオリーブオイルを弱火で熱して、そこににんにくを投入する。次は人参とセロリ、最後に玉ねぎの順番だ。そのまま焦げないように気を付けながら飴色になるまで炒めたら、煮込む用の鍋に入れて次の作業に移るとしよう。ちなみにフライパンはキッチンペーパーで余分な油やらを取った後はまた使用する。何度も洗うのはめんどくさいしな。

 さて、ひき肉には塩コショウしておいておくとして、次はフライパンにオリーブオイルを強火で熱する。これは煙が出るくらいやらないと引っ付いたりするんだよなぁ。まあ、昔懐かしい銅製だから仕方ないと言えば仕方ないんだが。……ダイヤモンド配合とか最近のフライパンはすげえよな。

 先程の肉を鍋に投下して、ざっくりと広げたら混ぜずに色が変わるのを待つ。後はひっくり返したりと何回か繰り返して、油が透明になるまで焼けばカリっとした感じに焼き上がる。そうなったら先程の鍋に投入し、強火で全体をよく混ぜて、赤ワインを半分以上入れたら煮詰める。残りのワインは先ほどのフライパンに入れて中心あたりをこそぎ、最後はまた鍋に入れる事にした。

 煮詰めてワインがほとんどなくなったらブイヨンの素やらローリエ等を加えてアク取りだ。この作業で手を抜くと失敗作となるので気が抜けない。めんどくさいが、まあ、美味い飯の為だ。

 アク取りが終わればトマトの水煮を入れて四十分煮込む。時たま底を混ぜないと焦げるのでこれも中々に面倒だ。──さて、その間に隠し味も作っちまおう。

 スティックシュガーを二本フライパンに投入して弱火でかける。この際に混ぜる必要はない。茶色くなったら木べらでふちが焦げないように気をつけて、それなりに大きな、──まあ、一センチくらいの泡が出て濃い茶色になったら、煮汁をお玉で救って入れてかき混ぜ、混ぜ終わった物を鍋へと移す。後は15分程煮たら塩コショウやらで味を整えてソースは完成。ただし量が多少、と言うかざっと六人分くらい作ってあるので小分けにして冷蔵庫に入れておくとしよう。

 後はソースに粉チーズと茹でたパスタを投入して炒めれば、──ボロネーゼの完成だ。


「あ、終わった?」


 背後から声が投げかけられて振り向けば、そこにはヨダレを拭う妹分と、相変わらずにハイカラな格好をした友人が椅子に座ってスプーンとフォークを握り締めていた。……気付かなかった。

 それにしても、来るのは閃だけじゃなかったのか。薫子を迎えに行くのなら確かに往復一時間は掛かるが、……いや、機械の取り付けだけにどうして来たんだこの犬子(ワンコ)?

 まあ、それは別に問題ない。作った量で十分ワンコの分くらい賄えるだろうしな。まあ、新たにパスタを茹でなければならないが、まあ、精々一〇分程だ。問題はない。


「おう、来てたのか閃、薫子」

「うん、来てたよ」

「お邪魔してます。……分けてもらってもいいですか?」

「おう、たんと食べろ」


 とりあえず自分のパスタを新たに茹でながら─気にして何か言おうとした薫子の口にコッペパンを突っ込んでおいた─、二人の分のパスタと、適当に切ったレタスとトマトにクルトンを乗せてチーズを適当なサイズに千切ったサラダと、ドレッシング四種類、バターロールやコッペパンを渡して昼飯を開始させた。


「「いただきます」」


 食べ始めた二人は楽しく談笑を始めている。

 それに耳を傾けながら、私は茹だったパスタでボロネーゼを作る。先程よりも少しだけ増量したのは、まあ単に妹分が食べ終わったのに、未だに食べている閃の皿をチラチラと見ている事に気が付いたからだ。この娘は本当によく食うな、太らんし、身に付かんのが不思議でしょうがない。

 席について余分を分けてやれば申し訳なさそうな視線を向けながらもしっかりとパスタを口に運び始める。こういったらなんだが、こうも美味そうに食ってくれる相手がいるのは嬉しいもんだ。閃は妙な色気を振りまくだけで終わらせるし、爺さんやらは無言で食ってたからなぁ。


「そういえば取り付けは終わったのか?」

「うん、もちろん。なんなら褒めてくれてもいいんだよ?」


 するりと、腕を絡めてくる馬鹿の鼻先に指弾一発。

 悶絶するアホの頭を乱雑に撫でた後、とりあえずご苦労とだけ言っておいた。

 まったく、この阿呆はすぐに擦り寄ってきよるから困ったもんだ。俺も一応男なわけで、女特有の匂いやら柔らかさに心臓が跳ねる程度には興味があるんだがなぁ。男のように接したせいかね?


「なら早速やり方を教えてくれ、──ああ、洗い物やってからな」

「あ、それなら私やっときましょうか?」

「……いいのか?」

「ご飯もらいましたしこれくらいは」

「なら頼んだ。という事だ、行くぞ」

「あいあいさー」


 自室に移動すると、そこには先ほどの機器が布団の近くに鎮座していた。

 ゴーグルを立方体に繋いでコンセントとケーブルを繋いでいるのだが、これだけでゲームの世界に飛び込めるとはびっくりだ。それともこの立方体はまさしくブラックボックスと言うことか。

 

「で、どうすりゃ出来るんだ?」

「えっとね、このゴーグルのこのフレーム部分を見てもらってもいい?」


 指さされた場所を見ればスライドするスイッチになっている。

 これが電源だろうかと思ったが、しかしそれならこの立方体にある押しボタンは何か分からない。

 何かまだ必要な機能があるのだろうか。


「これは睡眠導入機能のスイッチだよ」

「睡眠導入?」

「まあ、夢を見せる機能とでも思ってくれればいいよ」

「……成程、つまりこの機械はゲームを夢という形で体感させる代物なのか」

「そうそう、だからやりたくなったら本体の電源を入れた後にこれを装着してスライドさせてね」

「分かった」


 早速と装着して、つけ心地を確かめる。

 なんというか、どこぞの喫茶店のマスター御用達のサングラスのようだ。光が完全に遮断されていると言うのは中々に体験できない事なので少しだけ驚いた。

 ふむ、しかしこうして見ると案外いいのではなかろうか。眠い時にこれと耳栓を使えば快眠できそうだ。まあ、本来の使用用途とは違うかもしれんがそこばかりは所有者の自由だろう。

 

「じゃあ早速やってみるか」

「あ、使えるけどまだログインは出来ないよ」

「あん?」

「サービスは一八時開始だからね。今できるのはアバターの設定とチュートリアルだけなんだ」

「ならそれだけしてくるさ」

「そう、なら僕も家に帰ろうかな。まだアバター作ってないしね」

「おう、じゃあな。薫子にも伝えといてくれ」

「了解、それじゃいい夢を」


 臥間の向こう側に消えた閃に手を振りながら、かちりと音を鳴らしてボタンをスライドさせる。

 小さな機械音が響くと共に視界に広がる「NOW LOADING」の文字。

 微かに感じるのは奇妙な眠気と、全身から力が抜けていく感覚だけ。

 そうして意識を手放して、──俺は夢へと移動した。

 

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