side修一 11:37
「何やってんだ、俺」
人を殺してしまった俺は茜達から逃げ出してしまった。
もうずいぶん遠くに来てしまった気分だ。
「いつまでクヨクヨしてるんだよチクショウ」
自分にそう言い聞かせ、茜達の元に戻ろうとしたその時だ。
カンと金属と金属がぶつかる音がした。
驚いて俺はその場に隠れた。何かが近づいてくる!
今は模造刀ぐらいしか持ってないぞ。
どんな奴か姿を見ようとした。俺は奴の姿を見て目を丸くした。
ゾンビのような、巨人のような化け物がゾンビを変な刀で切り刻んでいた。3Mくらいありそうだな。それになんだあの刀は?柄のあたりに銃がくっついてるのか?
よく見ようと体を乗り出したら、ポケットの拳銃を落としてしまった。奴がゆっくりとこちらを向く。
「くそったれ!」
俺は一目散に逃げ出した。だが奴は巨人のような見た目に反して素早く、追い付かれてしまった。
奴が刀)を降り下ろす。それを俺は横に飛び込んで避けた。
「アブね!」
あんな巨体だ。もし「安心しろ峰打ちだ」とか言われても複雑骨折になりそうだ。
「ウオォォォ!」
奴が怒ったように吼える。
もう逃げられない。そう悟った俺は覚悟を決めた。
俺は人殺しだ。死んでも仕方ない、そう思った。
「うおぉぉぉ!」
模造刀を持って突っ込む。
奴が刀を横に凪ぎ払う。それを前に飛び込んでで避ける。その隙に一発打ち込むが、全く効いてるように思えない。
「くそったれ!うおりゃあ!」
もう一度、今度は全力で叩き込む。
パキッという音とともに、俺の模造刀が折れてしまった。
「なっ!」
その時できてしまった隙に、奴の裏拳を食らってしまった。
「ぐ…うぁ」
ぶっ飛んだ。結構痛い。骨何本か逝っちまったかな。
奴が近づいてくる。
体が上手く動かない。ここまでか。短い人生だったな。もっと長生きしたかった。死にたくないな。
奴が刀を構えるのが見えた。けれどすごくスローだった。
茜…ヘレン…姉さん…アラン。すまなかった。
奴が刀を降り下ろす
怖い、人を殺した時の比じゃない。怖い、物凄く怖い。本能的に死が怖い。死にたくない、死にたくない、死にたくない!
「死にたくない!」
大きな音がした。そこで俺の意識は途絶えた。俺が最後に思い浮かべたのは茜の笑顔だった。




