side 修一11:16
「スクープの予感がするから、ちょっと行ってくる」
そう言い残してアランと姉さんは爆発音のした場所に行ってしまった。武器を残していったのはありがたいが、銃は誰も扱えないし、何しろ弾は貴重だった。その中で使えそうなものは模造品ばかりだった。
「ねえシュウ、茜」
「どうしたの?」
「なんだヘレン?」
「あのさ、アランさんと天音さんがいないうちに、アタシの叔父さんの家に行かない?」
「なんで今だ?あの二人がいるとマズイことでもあるのか?」
俺がそう聞くとヘレンは少し慌てたような顔をした。
「いや、別にそういう訳じゃないよ。アタシの叔父さんはいい人だよ」ヘレンがそう言うと茜が小声で俺に話しかけてきた。
「シュウちゃん、なんか怪しいよ」
「そうだな、絶対何か隠してるな」
少しヘレンへの疑惑が高まってきた。
「いや、けど逆に誘いに乗って真相を確かめるっていうのもありじゃないか?」
「ちょっと危ないと思うけど、このままモヤモヤした感じはいやだからそうしてみよう」
「ちょっと、外見て!外!」
ヘレンが急に騒ぎだした。
「なんだよ、急に騒ぐな…よ?」
外を見たら数人のゾンビが窓に張り付いていた。それを見た俺達は文字通り凍りついてしまった。
「…ハッ!なにやってんだ!早く逃げるぞ!」
我にかえった俺がとっさにそう叫んだのを合図に、俺達は机に置いた武器を持って裏口から逃げ出した。
裏口から出た直後に窓が割れる音がした。
もしあのまま、逃げるのが遅れていたら…、そう考えるとぞっとする。
5分後
「ここまで来れば大丈夫かな?」息を切らして茜が言う。
「さあな、わからない」
「あ…ここって」
ヘレンが唐突に近くの家に近づく。
「どうした、何かあったか?」
「ここ…アタシの叔父さんの家だ」
「え?そうなのか?」
「うん、間違いない。だってほら、表札に書いてある名前、高見沢一哉、叔父さんの名前だよ」
驚いた、まさかたまたま逃げてきた場所がヘレンの叔父さんの家だったなんて。
「ねえ、二人とも、提案なんだけどさ」
ヘレンがまた唐突に提案をしてきた。
「もし、よければ叔父さんの家にしばらく居ない?」
「いいのか?こんな状況だし、迷惑だと思うぞ」
「こんな状況だからこそよ」
「でもなぁ…」
迷うな、どうすればいいか。
「シュウちゃん、外は危ないし、ここは家に居させてもらおうよ」
茜は提案に賛成のようだ。
「う~ん、よしわかった。じゃあそうしようか」
「じゃあアタシは、叔父さんに言ってくるからここにいて」
「わかった。けどヤバくなったら逃げるからな」
「わかってるよ」
そういうと、ヘレンは家の中へと入った。「ただいまー、叔父さん」なんて言ってさ。
さてと、じゃあさっきから気になっていた、家の裏から見える人の足を調べるか。
sidechange ヘレン
「叔父さーん!居ないのー?」
おかしいな、叔父さんが出てこないや。いつもはこの時間はいるはずなのに。…いや、いつもとは状況が違うか。
「やっぱり、書斎にいるのかな?」
叔父さんは私に書斎に入るなと固く言っていた。けどここまで探していないとなれば、あとは書斎しかない。
「叔父さーん、居るー?」
……返事がない。いないのかな?やっぱり入って中を確認するしかないのかな?鍵は…かかってないみたい。
「勝手に入っちゃうよ」
アタシは見てしまったんだ。ここで衝撃的な事実をさ。




