side ジョージ11:02
登場人物紹介
ユーリ・トンプソン 25歳
平和維持軍特殊事件担当部隊の兵士。
ジョージと時を同じくして軍に入隊した。気性が荒く頭に血がのぼりやすいが、根は優しく、家族思いで、女性には決して手を上げない。
狙撃が得意で部隊での命中率はトップクラス。
「よし、11:02。作戦を開始する。」
俺達はVTOLから降下し、アトランティスへと上陸を果たした。
「俺達四人しかいないのか?他の連中はどうしたんだよ。」
「ユーリの疑問は最もだな。どうなんだ隊長。」
隊長とはレイのことだ。彼は一番頭がキレるし、何しろ要救助者のことを第一に考えられるからな。
「君たちは作戦内容を忘れたのかい?僕達が先に先発隊として送り込まれたんだよ。そして、まず住宅街へ向かい、要救助者を探すんだ。テロリストを見つけたら拘束だ。」
「あー、そうだったな。悪い忘れてた。」
「そうだったか?」
「ユーリ、君はブリーフィングルームにいなかったでしょう。」
「うっ、そ、それはあれだよ、他の仕事があったんだよ。」
「そうだよな、家族への連絡は立派な父親の仕事だよな。」
「ジョージ!」
「そうか、家族への連絡か。ならいいよ。」
あれ?いつもの威圧感がないな。
「そうか、ありがとよ。」
その時俺は気づいた。
「おい、あれ人じゃないか?」
全員ハッとして人がいる方向を見る。
「あれは、救助者だよな。」
「そうだね。そこの人大丈夫ですか?」
要救助者と思われる、人はこちらにゆっくりと歩いてくる。
「ユーリ、一応ライフルを構えておけ。」
「どうしてだ?あれは武器を持たないただの人だぜ。」
「嫌な予感がするんだ。一応頼む。」
「わかったよ。」
そうして、ユーリはライフルを構えた。
「もう大丈夫ですよ。」
レイが要救助者に近づく、どうやら女のようだ。が、ここで俺は気づいた。
「なぁ、何であの女は腕から血が垂れてるんだ?」
その時だった。レイが奴につかみかかられたのは。
「一体何があっ、うわぁぁぁ!」
「レーイ!」
レイが奴に噛まれた!
同時にユーリがライフルを発射する。奴の肩に命中し、奴はふっ飛んだ。
「レイ、しっかりしろ、レイ!」
「ジョージから本部へ、応答しろ!レイが、レイが負傷した。民間人と思われる者に首筋をかまれて重傷だ!」
『こちら本部。今そっちに医療班を連れた部隊が向かってるわ。あと10分後に着くから、それまで待ってて。』
「了解。」
「くそっレイ、しっかりしろよレイ。」
ユーリは止血をしているが、レイはもう駄目かもしれない。目が虚ろで、止血が間に合わないぐらい出血も多い。
「ジョ…ジ、ユーリ、ト…ノリ。」
「ああ、大丈夫だ。俺達はここにいるぞ!」
「今…まで、あり…とう。」
「何言ってんだよ。」
「………。」
「レイ、おいレイ、何黙ってんだよ返事しろよ!レイ…。」
レイはもう瞳孔が開ききってる。もう死んでしまったようだ。
「あいつまだ立ち上がるのか。」
さっきの奴が立ち上がって向かってきた。
「ふざけやがって、ぶっ殺してやる!」
奴が迫ってくる。
ユーリは怒りに任せてライフルを乱射する。
「よくも、よくもレイを!」
ユーリのライフルが弾を切らした、奴は文字通り蜂の巣になって倒れた。
「くそ野郎!」
だがユーリの怒りは収まらず、倒れた相手の顔面を銃のストックで殴り続けた。顔が判別できなくなるくらいに。その光景を黙って俺は見ていた。
トモノリはレイの死が悲しいかわからないが、静かに涙を流していた。
医療班が来たのはそれから5分後だった。




