side 修一08:21
「くそっ!何だよ、こいつ!」
今俺はゾンビと戦っている。噛まれたらアウトだから、近づいて来たら蹴りで押し戻す。
さっきまで電気スタンドで殴っていたが、壊れてしまった。やっぱりゾンビって言うくらいだから、耐久力は高いのか?だが、男の死んでいたこの部屋は、物置部屋らしい。武器になりそうな物はあるが、確実に仕留められそうな物は見つかってない。
「どうすりゃいいんだ?」
迷っている間にも奴は迫って来る。早くなんとかしなくては。
「ウガァ!」
奴が急に俊敏に近づいて来る!
「近寄んな!」
俺はそれを近くにあった、電気スタンドの残骸を投げつけて怯ませた。
近づかれたらまずい、距離をとらなくては。
「うわぁ!」
後退しながら距離をとっている時、何かに躓いた。
「痛てて、なんだこりゃ。」
何かの正体は、暗くてよくわからないが、棒状の物らしい。これは使えそうだ!
「よし、来い!ぶっ飛ばしてやる!」
奴がうめき声をあげながら、近づいて来る。
まだだ、もう少し。もう少しだ。
「今だ!」
俺は大きく棒を降り下ろす!脳天に命中した。その拍子に奴はバランスを失って倒れ込んだが、俺ははそれを待っていたかのように奴を殴り続ける。
「くたばれ!この野郎!」
最後に一番重い一撃を与えた後、奴が動かなかったのを確認して、俺は疲れて座り込む。
「大丈夫か!?シュウイチ!」
「シュウ!生きてる!?」
やっと来たか。
「遅いよ。もっと早く来ればよかったのに。」
「ゾンビはどこだ?もしかして、そこに倒れているのがそうか?」
「そうだ、俺がやったんだ。おかげで、もう疲れて眠くなってきたよ。」てかもう寝たい。
「バカ野郎、無茶しやがって。」
そういうアランは少し安堵したような、怒っているような口調だった。
「ああ、今度からは気を付けるよ。」
もうこいつらとやり合うのは嫌だしな。
「シュウ!大丈夫?怪我とかない?」
ヘレンが心配して近寄ってきた。
「大丈夫だ、ちょっと疲れただけ。」
「よかった。本当によかった。あ、それと。」
急にヒソヒソと小声で話はじめた。
「さっきの話、みんなには内緒にして。気まずい雰囲気になったら、嫌だし。」
「わかった、そうする。もう疲れたから、眠っていいか?」
「そうね、部屋に戻ろう。」
部屋を出て、自分の眠る部屋に向かう途中、アランが話しかけてきた。
「おい、シュウイチ。」
「なんだ?」
「さっき、ヘレンになんて言われた?」
「いや、特に何も。」
「そうか。」
そういうとアランは、急にいつもの表情を崩して。
「俺はてっきり、ヘレンがお前に愛でも囁いていると思ったよ。」
それを聞いた俺は、少し呆れて。
「そんなわけないだろ。」
と返した。




