鬼と狐と時々巫女さん リメイク前
前回がひどかったから、少し書き直しを。
まぁ、ほんの少しですけどね。
それでもまだ、かなりひどいですが。
今回は少し短めです。
「ふへぇ~……」
織山志乃舞は圧倒されていた。
「此処が東京駅……此処が帝都……」
心此処に在らずといった様子で辺りを見回す。
辺りには人、ヒト、ひと。
人であふれていた。
「お洋服着てる人街を歩いてる人、始めてみました~」
驚愕のまなざしで、顔を振りながら洋服を着ている人を追う。
汽車の中から眺めていたが、帝都では着物を着た田舎者の志乃舞にとっては、発見の嵐だった。
「はぅう、どうしましょう……たしか江宮利家様の所へ行けばよいのでしたね……」
呟きながら、背負っていた背嚢を下す。
「えぇと……たしか帝都に着いたらタクシィとかいう物に乗ればよいのでしたっけ……」
言いながら、がさごそと、袋の中を探る。
「ん~……と、ありました!」
やっと見つけた、と言うように袋の中から茶封筒を取り出す。
「えぇ……と、ひいふうみい……よし。確か1円(大体5000円)あれば良いのでしたよね……」
そう言いながら、小銭を握る。
「あとはタクシィを見つけるだけ……?」
駅の前に、人だかりができている。
「何でしょう……?何か、催しものでもしているのでしょうか……?」
そちらへ足をむけようとしたが、
「いえ、止めておきましょう。そんなことより早くタクシィを探さないと……」
そう言い、東京駅前から離れていく。
それは彼女にとって幸運だったのかもしれない。
少なくとも、まだ、彼女は非日常に巻き込まれる事は無いのだ。
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「なぁ、アリサ。あれってやっぱり、もののけの仕業かなぁ……」
志乃舞が立ちよらなかった人だかりの中で、黒いハンチング帽をかぶり、インバネスコートを着た黒づくめの青年、真壁直哉が尋ねる。
「そうではないのか?まぁ、もっとも、あのように食べカスを晒すようなことは普通は好まんがの。……まるで、百舌鳥の劣化版じゃの」
隣に立つ、アリサと呼ばれたこれまた黒い洋服を着た金髪の女性が答える。
「まぁ、アレをやった間抜けは差し詰め何か儀式を行っているに違いは無いだろうがな」
「儀式って……嫌な響きだなぁ……」
青年がうんざりしたように頭を垂れる。
彼らの視線の先には、東京駅の特徴的なドーム状の屋根がある。
いつもと違っているのは、そこに3人の人間の皮が干されていることだ。
「……死んだのは園雫、浦菱、野茂って人たちだそうだ」
「ふんっ大方、魔女あたりじゃろう。あんな趣味の悪い儀式をするのは」
「魔女、ねぇ……魔里亜さんが聞いたら怒るんだろうなぁ、同族の恥だって。あ、誰か上って来た。警察か……死体下すのかな?」
「魔里亜……?あぁ、あの鷹揚婆の事か。なんじゃ?年上がお好きか?主は」
「残念ながら俺には麻里亜さんを婆という勇気はないよ……それと、好きかどうか聞かれたら、好きな方だな」
「……ほぅ?」
喋っている間にも、死体が次々と下されていく
「なんだよその眼は……うわぁ……やっぱり十字架だ……」
「……あぁ、死体を干すのには打って付じゃからの、まぁ、当然じゃろ。……それとも何か?主。アレを見て目でも……」
「溶けてない。いまは昼だ。夜ならまだしも、な。まぁもっとも、見るだけでは解けないけどな。普通」
「ふむ、それは重畳だなソレなら、いっそ聖水でも……」
「ソレはお前も含めて見境なく溶けるからやめろ」
「くふ、冗談じゃ」
言いながら、アリサは後ろを向く。
「さて、そんな事より主よ。どうせ日の高い今アレに出来る事は無いのだ。此処は一つ、帝都観光と洒落込むのが得策と言えると思うぞ?」
「いや、俺達帝都に住んでるから……それにお前、そう言ってどうせカフェでコーヒー飲むだけだろ」
「いや?ケーキも食べるにきまっておろう?」
お前なぁ……という言葉を無視し、クルリとその場で回りながら、彼女は言葉をさらに紡ぐ。
「では、カフェに発射で異論は無いな?」
元より、返事は聞いていないという風に、歩き出しながら言う。
「はいはい。お嬢様の言う通りに……」
そのあとを、肩をすくめながら歩いて行った。
非日常のにおいを、漂わせながら。
「あ、そうじゃった。先にうどん屋に行こうかの確か近くにお揚げがうまい店があるとの情報が……」
……獣のにおいも、漂わせながら。
どうも、岡部です。ようやく主人公が登場ですね。
後は出ている3人と一匹をどうにかこうにかして合わせて、
魔女事件を解決させて……
といった形でサクサク行きたいですねぇ
ちなみに、主人公の名前はもうちょっとしたら出てきます。
あと、主人公と朋ちゃんは面識があります。
主人公の職業などもまた次で。
……遠回りだなぁ、俺の書き方……。
あと、志乃舞ちゃん書き方適当すぎるぜ……
そして何故か情報量的には最高の朋ちゃん……
まぁ、魔女編は朋ちゃんメインになると思うけど。