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お気楽悪魔  作者: Skywave
6/7

5話:理由


蒼空視点。




 着いてこないでと言われた次の日。

 邪魔ものが居なくなったと考えることもあったけど、やっぱり気になってる自分も居て。酷いときは、人間の女の子に声を掛けられて気付かないこともあった。激しく後悔したけど。

 とにかく気になるくらいなら、と捜索を始めた。

 山、街、ホテル……。

 こっちに来てから一緒に行ったところを一通り回る。しかし、いない。

 おかしいな。と思いつつも、


「……まだ探してないところなんてあったっけ?」


 再び記憶を辿る。

 --その時だった。目の前に同族が現れたのは。


「あれ? お前は確か親父の配下の--」


 それは親父の配下で、俺も顔見知りの黒い翼を生やした一般的な悪魔だった。

 急になんだ? それもなにやら神妙な面持ちで。まぁ親父の配下に探知系の能力者も居るから、いつかバレるとは思ってたけど。


「魔王様からの伝言です。今まで動きのなかった隣国の悪魔共が攻めてきたから、至急戦列に加われ。と」


 なるほど、あの豚がね。前から嫌がらせがウザかったやつだ。絡んでくる悪魔って五割ぐらいはあいつの部下だし。思い出してイラっとする。まぁ俺がルナと仲良くしてんのが気に食わないんだろうけど。


「そんなの親父だけで十分だろ? やだって言っといて」

 今はそれよりルナを探さないとな。でないとなんかモヤモヤする。鬱陶しい。


「そうは参りません。最近、奴らは急激に勢力を伸ばしています。恐らく強力な用心棒を得て--」


 あぁ、最後まで聞いてられん。一応、親父には借りもあるし手伝ってやりたいけど。今はルナを探してやらないとな。


「今は忙しいんだ。他を当たってくれ」


 あれ、なんで俺はルナに固執してんだ?


「今やあなたの性格はみなが知り得ること。ですが、今は国が一大事なのです。どうか御協力のほどを」


「そうは言われてもな--」


 --と、突然俺の隣でなにかが割れるような音がする。


「なんだよ? 今日はよく絡まれる日だな」



 次いで空間に穴が開いて、中から悪魔が出てくる。これも一般的なやつ。


「雑魚かよ……」


 最初は何時もの金目当ての追っかけかと思った。でも、中から現れたのは一人だけで大した強さも感じない、どうやら俺を殺しに来たわけでは無さそうだ。


「ふん……お前がソラか?」


「あぁ、多分な」


「なんだ、国中が殺気立ってるからどんな豪傑かと思えば……ただの小僧じゃないか」


 雑魚が笑う。なにがおかしいのやら。構ってる時間はないからとりあえず死刑。

 錬金術使用、鉄の棒が刀を形成する。有り余る魔力を漲らせて肉体強化。並みの悪魔なら視認出来ない速度で跳ぶ。

 それとほぼ同時に手と足を切り裂いた。



「ムカつくお前に大サービス。最後に一言どうぞ?」


「は?」


 ご丁寧に動く前の位置に戻ってやると、雑魚は斬られたことすら気付いていないようだ。

 遅れて手足が飛ぶ。特有の汚い血が舞い、悪魔が苦痛に叫ぶ。


「騒ぐな。まだ生きてるだろ? 俺を馬鹿にしたお前が悪い」


「ぐォォォ!! ……くく、グハッ! こ、これが伝説の力か……恐ろしい」


「雑魚が俺なんかに絡むからだ。で、言いたいのはそれで全部か?」


 最後の一閃。俺は刀を振り上げる。


「ま、待て! 魔王様からの伝言を預かってる!」


 --え、なに? お前も?

 違うところと言えば、よりウザい奴からってとこか。



「はぁ……なんだよ?」


「お前の幼馴染みを賭けて我が城で勝負だ。だとよ」


 チッ、道理で居ないわけだよ。あー、無駄に探した時間返せよあの豚がっ!


「……はいはい。じゃあな」


 きっちりトドメを刺して元の棒に戻す。直しながら、親父の配下に声を掛ける。


「相変わらず素晴らしい手際の良さ。どうやら、腕は微塵も衰えてないようで」


「あぁ、面倒くさいからさっさと済ましてるだけだって。それより親父に言っとけ」


「……はっ!」


 悪魔が膝を付く。それを横目に見ながら、俺は空間を叩き割った。


「先に行く、って」


 再度、刀を形成。右手に構えて、俺は穴に飛び込む。

 親父の頼みもあるし、個人的な恨みもある。

 なにより、居ないとイライラする幼馴染みの為に--




気に入らないところがあればご指摘下さい。

可能な範囲で直します。



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