【3】
翌日、眩しさを感じ、ひかりは目を開いたのだった。
「うーん…」
体がだるかった。頭痛もする。周りには空き缶が広がっている。どうやら、アルコールを摂取しても死ねなかったようだ。
「…ちっ」
舌打ちすると、ノロノロと起き上がり、スマホで時刻を確認する。
「もうこんな時間…」
いつも起きる時刻よりも1時間も遅かった。会社に行く準備をしなければいけないのだが、体が重かった。
「私の顔…。何これ!!」
目が腫れぼったく、化粧が崩れて酷い顔だった。誰にも見せられない顔である。
「どうしよう…」
頬に触れながら呟く。ファンデーションが手についたが、構わなかった。
「会社休もうかなあ…」
本気でそう思った。でも、社会は厳しいので、そうはいかない。瞼に触れ、何とかならないか考える。
「…どうにかなるかしら?」
もそもそと動き出し、立ち上がる。ふらりと体がかしがったが誰も受け止めてくれる人は居なかった。
「とりあえず、顔を洗おう」
どす黒い気持ちも洗いたかったので、ひかりは洗面台に向かったのだった。
出社すると、皆が驚いたような顔をしてきた。
ー駄目か。
メイクで何とか隠せないか努力してみたのだが、無理だったようだった。アルコール臭も強かったのかもしれなかった。
「おはよう」
声をかけると、皆がちらほらと挨拶を返してくる。しかし、ひかりから視線を避ける者もいた。どうやら、腫れ物には触れたくなかったようだった。
ー人間関係ってこんなものか。
ひかりは無言で席につく。職業は公務員に準ずるもので、土日、祝日は休みだった。机に置かれた書類を手に取り、確認作業に入ったのだった。




