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不謹慎なワタシタチ

作者: おもながゆりこ

昔、恩師の告別式に出た時の事。




前に座っていた人が、立ち上がった拍子に、ぶううう、とオナラをしました。


私と友達数人は顔を見合わせ、吹き出しそうになるのを必死にこらえました。


お世話になった先生の告別式ですし、ニオイを嗅ぎたくないし、笑ってはいけない、いけないと思えば思うほど笑いが止まりません。


後ろにいた後輩たちも笑っています。


いかん、いかん、だけどおかしくてたまらない。


自分の体をつねったり、真面目な顔をしようとしましたが、どうにも笑いが止まりません。


すると後輩が言いました。


「もう仕方ないです。こうなったら悲しんでいる振りをしましょう」


私たちは涙を流し、先生の棺にすがりつき、大泣きしている振りをしました。


おかしくてたまらないのですが。


他の列席者がびっくりしていますが、演技ではなく、本当に止まりません。




帰る時、先生の奥さんがこう言ってくれました。


「あなたたち、そんなに主人の事を慕ってくれていて、本当に主人も喜んでいると思います」


私たちは尚更申し訳なくて、それでも可笑しいのを悲しんでいる振りをして誤魔化したとも言えず、


「お悔やみ申し上げます」


と言って肩を落として帰りました。




ああ〇〇先生、ごめんなさい。


不謹慎な私たちをどうか許してください。




不誠意な元教え子一同より


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― 新着の感想 ―
[良い点]  誰も嫌な気持ちにならない素敵な解決法。  そしてそれを実戦した教え子一同。  間違いなく不謹慎ですが、拝見したかった!!
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