8、個人研究
8、個人研究
4月下旬、水曜日の5時間目、総合的な学習の時間のスタート、生徒たちは学年集会室に集められ、100人ほどの生徒が大きな部屋にクラスごとに座った。オリエンテーションで学年主任のあいさつの後、三田先生が今回の研究について大まかな説明があった。
「みなさんが住んでいる松岡は松岡藩と言う5万石の藩だったことは勉強しましたね。この松岡藩は福井藩から分家した藩で、その福井藩は江戸幕府の徳川家康の息子が配置されていることも各クラスの社会科で勉強したと思います。だから松岡には葵地区があり、葵と言うのは徳川幕府の家紋です。だから松岡藩は親藩大名です。歴代将軍から親戚として扱われてきました。しかし、松岡藩も福井藩も栄えた時期もあるけど悲しい不運な時期もあったんです。みなさんには越前松平藩と松岡松平藩について時期を分けてグループごとに調べて、それぞれの研究を繋ぐことで一連の研究になるようにしたいと思います。」
話を続けながら用意した模造紙の表を黒板に張り付けた。
「時期的に分けるのは
1、関ケ原の戦いから福井藩の成立まで
2,福井藩主松平忠直の若いころ
3,松平忠直と大阪の陣のころ
4,3代忠昌の福井入城のころ
5,5代昌親と昌勝のころ
6、昌勝の松岡藩
7,6代 綱昌のころ
8,7代目に返り咲く昌親のころ
9,9代目宗昌のころ
以上の時期に分けて自分が調べてみたいグループを決めて個人研究に入ります。特に興味を持ったところを選んでください。今から紙を分けるので第1希望と第2希望を書いてください。」と言って希望用紙が配られた。生徒たちは三田先生の話を聞いて社会科の時間の学習を思い出し、希望の番号を黒板の表を見ながら書き込んで、担任の先生に提出して教室に戻っていった。
続けて6時間目は各教室で個人研究をスタートさせた。それぞれ生徒たちは1人1台ずつiPadが支給されている。それぞれのクラスの担任の先生は調査するのに利用する資料の調べ方について三田先生が作成した資料を基に説明した。