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レイカノ。~『霊(アレ)』に好かれてから、俺の人生が180度変わった件~  作者: 破魔 七歌 
第一章 呪霊解きの世界……。『ウィズ ゴースト レインボー』
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黒音……。

黒音(クロネ)視点─




(アハ! アハハ!! お(ヘソ)くすぐったいよー!! もう無理!! もう我慢出来ない!! それに君のその姿!! あー参った……)



 突然、空に響き渡る大きな声。

 一体、誰の声なのか?

 不審に想った私と夢葉(ユメハ)とピピ郎が、一瞬身構える。



「誰っ!? 誰なの!?」



 職業(ジョブ)気闘士(オーラファイター)夢葉(ユメハ)が、紅い金色の闘気(オーラ)を全身に(まと)いながら、そう叫んだ。

 けど、何となく夢葉(ユメハ)も直感してる。

 たぶんだけど、この声の主は……。



「フフフ……。おいでなさいまシたかね?」



 イケメン吸血鬼(ヴァンパイア)なピピ郎が、魔法(マジック)幻術師(イリュージョニスト)らしく、地面に光り輝く異空間魔方陣を瞬時に描き、ズブズブと異空間魔方陣を通して地面の中へと潜り込んでゆく。



「姿をみせてくれないかしらー? 余裕そうだけど、ビジュアル的には、ひょっとして自信ないのかなー?」



 私は空に向かって叫び、声の主を挑発する。

 私も黒呪詠唱士(ブラックアリア)として、心の中で詠唱に入る。

 

 大丈夫。レベルは上がっている。

 ピピ郎と闘った時みたいに、呪いでスタミナ切れなんてコトにはならない。

 大技に頼らず、私が呪いをコントロール出来る範囲で常に小さく放てば、(タマシイ)への負担は少ないはず。

 

 それに……。

 ここは、霊気が濃い。浮遊している(タマシイ)の数だって多い。

つまり、呪いへと力を変換させれば、それだけ爆発的な威力を増す。

 

 けど、ソレと同時に私への呪いの負荷が掛かりすぎて、一人で受け負い切れなくなって私は消滅する。

 以前の私なら、たぶん、そうなっただろう……。

 

 けど、ここは異世界(ゲーム)の中。

 いくら呪いの力を使ったところで、私が消滅したりなんてしない。現実世界(リアル)に強制送還されるだけ。

 それに試したいコトもある……。



魔弾丸(まだんがん)(がん)魔弾(まだん)射手(いて)()()(かた)刹那(せつな)(よる)(つらぬ)(おも)夜毎(よごと)(まい)蒼穹(そうきゅう)()てに(おも)いは()てぬ(ほし)()闇夜(やみよ)(ひかり)(かけ)(ほのお)螺旋(らせん)()()(まい)る──魔弾丸(まだんがん)(がん)……」



 繰り返し重複して唱え、心の中で呪いの力……あるいは私の願いの力? とでも言うのだろうか?

 呪文を言の葉にのせるたびに大きな霊力の増幅を感じる……。

 イメージ……。

 言の葉によるイメージの増幅は大事だ。霊力が増す。

 次第に、私の心の声が大きくなり言の葉による霊力の(カタマリ)が、前方に突き出した私の両の手のひらに赤い輝きをもって集束されてゆく。



(へっへっへー。コッチだよー? (カエデ)くんて言うのかな? 君たちの(カエデ)くんは、もーらった!!)



 声の(あるじ)が、透明な空気の風を(まと)い、結界の向こう側にいる目の前の(カエデ)くんを一瞬にして(さら)った……。



「か、(カエデ)ー!!」



「ふぉごっ!? ふぉごもももっ!?」



 素早く結界へと駆け寄ろうとした夢葉(ユメハ)が叫んだ後には、結界の暗闇の向こう側で響いた(カエデ)くんの口をおさえられたような声だけが残った──

 

 声の主……相手の姿は、光の屈折を利用しているのか、透明な空気の風を(まと)った透明人間のように()えた……。

 身長はまだ小さい。

 話し口調からも分かるように幼くて、だいたい中学一年生くらいの姿だろうか?

 性別までは分からない。

 


(とにかく、(カエデ)くんの後を追わなきゃ……)



 私の詠唱による霊力の増幅を感じたのか、夢葉(ユメハ)が私へと振り向き様に猫のように飛び()()り、後方へと回転して結界から距離をとり着地する。

 今なら、(カエデ)くんも夢葉(ユメハ)も私の増幅した霊力の巻き添えを喰わない。

 ピピ郎は、地面の中だし……。


 

「喰らえっ!! 『魔界流星連射光(デビルマシンガンメテオ)』ーっ!!」



(ズガガガガガ……!!ズゴゴゴゴゴ──!!)



 私の前方に突き出した両の手のひらの前で、幾つもの星に似たような光の(カタマリ)が、銀河のように無数に渦巻き──目の前の巨大神像の結界めがけて撃ち出されてゆく……。



(ズガガガガガ……!!ズゴゴゴゴゴ──!!)



 火の玉のような流星群と言うべき光が、ひとつひとつ隕石のように炎を(まと)い私の両の手のひらから撃ち出されて、巨大神像もろとも破壊してゆく。

 

 尚も終わらない私の呪文詠唱による霊力攻撃。

 たぶん、(カエデ)くんは、さっきの子どもみたいな透明人間に(さら)われて破壊の影響は受けていないはず。

 おそらく、相手は(カエデ)くんとともに地下迷宮(ダンジョン)へと潜り込み、姿を隠している……。透明人間みたいに。


 私が試したかったコト。

 それは、この技が一つと、もう一つ……。

 大きすぎる呪いの力を、私が受け負うのではなく、地面へと受け流すコトだ。



(ズガガガガガ……!!ズゴゴゴゴゴ──!!)



 受け流した後、大きすぎる呪いの力をさらに私へと循環(リサイクル)させて霊力を無限に回し続ける。半永久的に。

 けれど、霊力の貯めが大きく時間も必要だ。

 私も霊力詠唱している間は、隙だらけで無防備だ。

 だからこそ、私と(カエデ)くんと夢葉(ユメハ)とピピ郎の四人(パーティー)の結束力が必要なんだ。



(ズガガガガガ……!!ズゴゴゴゴゴ──!!)



 土埃(つちぼこり)砂煙(すなげむり)を上げて、私の目の前の景色が、まるで煙幕を張ったかのようにしてモクモクと()え無い。



「そろそろ、良いかしら……?」



 破壊の手応えが無くなったので、呪文詠唱による霊力攻撃を止める。

 次第に、煙幕が姿を消して……砕け散った巨大神像の瓦礫の中に、一つの階段のような入り口が露わになった。

 さっきまでの結界の霊力は感じない。

 たぶん、相手も誘ってる。



「く、黒音(クロネ)……──」



 夢葉(ユメハ)が、目の前の光景に目を丸くして驚いている。

 それは、そうだ。

 夢葉(ユメハ)にも(カエデ)くんにも秘密にしてたから。



「な、何という凄まじい破壊力……デスね?」



 異空間魔方陣を描き、地面の中へと待機していたイケメン吸血鬼(ヴァンパイア)なピピ郎が地上に現れ、開口一番そう言った。

 流石に驚きを隠し切れていない。



「さ、行こっか?」



 私は、先陣を切って歩く。

 (カエデ)くんを助けに──














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― 新着の感想 ―
[一言] 勇者になるどころか囚われのお姫様になるとは。 楓君、立ち直れるのかな(;'∀')
[良い点] あらまぁ、活躍したと思ったら、楓くんが拐われちゃったΣ(´□`;) 夢葉ちゃんも強いですが、黒音ちゃんも強いっ!
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