敵(ターゲット)……3。
─楓視点─
俺の目の前に現れた男──
紳士風な出で立ちをした男が、長い白い大理石のテーブルの向こうに上半身を覗かせて、俺の真向かいに座っている。
赤い蝶ネクタイに、黒の燕尾服。
このパーティーの主催者のようだ。
白髪混じりの黒髪は、オールバックに整えられており、「紅い眼」が光る……。
「楓くん。お疲れさまだったね……。さあ、その重そうな荷物を降ろして、ゆっくりと休むが良い……」
男が、「パチリ!」と指を鳴らすと──
何処からともなく……数人の若いメイドさんたちが出て来て、俺の背中の「携帯用超大型バッテリー」や「ヘルメット」「ゴーグル」などが、次々と丁寧に取り外されてゆく……。
メイドさんたちは、全員若い女の娘で、その中には「たゆんたゆん」と大きな胸を揺らす女の娘が二人ほどいて、二人して俺の「目出し帽」を、丁寧に、ゆっくりと……脱がせてくれた。
その二人の女の娘たちと、俺は目が合う……。
紅い口唇……。
「フフフ……。お好みかね……?」
確かに、もの凄く好みな二人だし、見覚えがあるようにも感じられたが、誰だったのか、想い出せない……。
その内に、男と俺とのテーブルの上に、食事が並べられ、俺の目の前のグラスには、赤ワインのような「真紅」の飲み物が用意される。
「さあ! 今宵は、晩餐だ! 宴を楽しもうじゃないかっ! 楓くん!!」
「はい……」
グラスに映った俺の顔……。
俺は虚ろな目をして返事をする。
男の「紅い眼」が光ると……気持ちが楽になった。
俺は目の前のグラスに口をつけ、「真紅」の飲み物を全て飲み干した。
「良い飲みっぷりだ! 楓くん。気に入った……。君には見どころがある。どうだね? 私の友人に、なってはくれないかね?」
俺は、男にそう言われて、何の抵抗もなく肯く。
「はい……」
「フハハハ……!! よろしい!! それでこその、楓くんだ!!」
気分が高揚する。
まるで、俺が、この男に認められたかのような気分だ……。
「そうそう……。見てくれんか? 私の芸術作品の数々! これらは、私が長い年月をかけて生み出した創造物たちだよ」
そう言われて、この男の部屋と言うのだろうか、パーティー会場に品良く飾られた芸術作品の数々を、この紳士風な男と見て回る。
「どうだね? コレなんか最高だろう?」
見ると、「たゆんたゆん」なアノ部分が露わになった「彫刻」「絵画」……他にも、芸術的な調度品が、光輝くように数多く飾られている。
どれも、「若い女性」を「モチーフ」とした作品ばかり。
「裸婦像」とでも言うのだろうか。
素晴らしい眺めだ……。
「どうだね? 楓くん? 君なら分かるね? この芸術性に満ちた至高にして完璧な私の創造物たち!!」
「はい……」
「やはり、楓くんならば、そう言うと想っていたよ! 君なら私の弟子にしてやっても良い! 終生を私に誓うかね?」
「はい……。誓います」
「決まりだ! 楓くん! 喜んで私は君を迎え入れよう! さあ! 美女たちに囲まれて、安らぎに満ちた時を楽しんでくれたまえっ!!」
紳士風なこの男が、そう言って「パチリ!」と指を鳴らすと──
美しく飾られている「絵画」や「彫刻」「調度品」など、数々の「創造物」の中から、さきほどの美しいメイドさんたちが、次々に現れた。
さっき目が合った、「たゆんたゆん」な二人の女の娘たちもいる。
俺は、浴室のような場所に連れて行かれて……裸にされる。
「スーツ」も「鎖かたびら」も脱がされた、無防備な俺。
俺のもとへと、服を脱いだたくさんの女の娘たちが、裸になって入って来た──




