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レイカノ。~『霊(アレ)』に好かれてから、俺の人生が180度変わった件~  作者: すみ いちろ
第一章 呪霊解きの世界……。『ウィズ ゴースト レインボー』
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敵(ターゲット)……2。

─楓視点─




 得体の知れない「地下室」へとのびる階段は深く、どこまでも続いているように思えた……。



「い、いったい、どこまで続いているんだ……?」



 渦巻く「螺旋階段」を、ひたすらゴーグル内の「暗視カメラ」で注意深く覗き込みながら、足もとを確認しつつ一歩一歩、俺は階段を降りてゆく。


 通常、「地下」にのびる「螺旋階段」とは言っても、せいぜい一回転か二回転ほどグルグル回れば、「地下室」へと辿り着くはずだ。 


 ところが、どれだけグルグル回って、「螺旋階段」を降りてみても、いっこうに「地下室」へと辿り着けない。

 

 電波が届きにくいのか、さっきから、ハンズフリーにした俺のスマホから聴こえる会長(じいさん)の声も途切れ途切れだ……。


 俺の不安が(アオ)られ、嫌な予感がする。



「か、カエデ……くんや。で、電波、が、悪い……の。け、圏外になりつつ……あ、る。敵、さん……の術中にハマ……」



「会長……!! 会長……!?」



 俺は、声を荒げて会長に呼びかけ、叫ぶ。


 

「ど、どうや、ら……す、でに、カエデくんも、異空間内部にトラワレ……」


 

「か、会長ー……!!」


 

 ──それ以降、俺と会長(じいさん)との通信は途絶えた……。



 絶望が広がり、涙が込み上げて来る。



 俺は、階段の上で、しゃがみ込み、頭を抱える。



「うっ、うっ……。もう、ダメだ……」



 俺は、自分自身を放棄しそうになる。


 頼みの綱だった会長(じいさん)との通信手段も途絶えた。


 救いようの無い状況が、俺を取り囲む。


 奈落の底へと突き落とされたようだ……。




(ガン……!!)



 

 その時、ナニカが俺の背後からブチ当たり、ぶつかられた衝撃で、俺は文字どおり「螺旋階段」の底へと突き落とされた──


 

「ぐあぁぁっ……!!」



 

(ドン……!!)



 

 俺は「螺旋階段」の一番下まで転がり落ち、その時の衝撃と痛みが俺の全身を襲った。

 

 思わず(うめ)く。



「うぅっ……」



 俺が、四つん這いになり起き上がろうとすると、ハンズフリーにしていた俺のスマホが床に転がり落ちているのを目にした。

 画面が、割れている……。



(もう……。何もかもが、終わった……)


 

 俺が、言葉にさえ出来ずに、そう想っていると……。


 「地下室」の目の前の「扉」が急に開いた──




「ようこそ……。我が館へ……。『川岸(かわぎし)(カエデ)』くん……と、言ったかな? 来るが良い……」



 何処からともなく、聴こえて来る声……。


 

 頭の中が、「ボーッ」とする……。  


 

 身体が動かないワケではないが、ナニカに導かれるように、(いざな)われるようにして、俺の身体が動く。



 まるで、乗り物にでものっているかのようだ……。

 

 身体が勝手に、動かされている……。

 俺の身体じゃ無いみたいだ……。


 

 目の前には、「レッドカーペット」が敷かれ、ダンスパーティーでも開かれるような広い空間が、明々と灯るロウソクの炎に照らされている。

 

 「彫刻」や「絵画」他にも芸術的な「調度品」が、品良く並べ飾られており、壁から天井に至るまで、全てが「紅く」「美しく」光輝いている……。

 

 天井から吊り下げられた巨大な「シャンデリア」が(まぶ)しく、煌々(こうこう)と輝いていた──

 


「長旅、ご苦労さまだったね? (カエデ)くん? まあ、座りたまえ……」


 

 いつの間にか、俺の目の前には、とても長い長方形の白い大理石のようなテーブルが現れ、誰もいないのに、ひとりでに勝手に椅子が動いて、俺は座らされていた……。



 俺と、かなりの距離を開け、対面に座る長いテーブルの先に「ボーッ」とした光とともに……誰かがあらわれた──


















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― 新着の感想 ―
[一言] て、敵はいったい何もんなんや(;゜Д゜)
[良い点] 敵陣の本部に突入ですね! 相手は楓くんを知っていた!?
[良い点] oh 楓くんピンチかな? 光とともに現れたのは───? まて、次回(笑)
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