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レイカノ。~『霊(アレ)』に好かれてから、俺の人生が180度変わった件~  作者: 破魔 七歌 
第一章 呪霊解きの世界……。『ウィズ ゴースト レインボー』
37/88

私と黒音(クロネ)……。





「話があるの……」



「え?」



 夜中。

 とは言っても、まだ22時過ぎだけど。


 昼間の街の定期巡回と夜の護摩焚きで疲れたのか、(カエデ)は「グーグー」と、(イビキ)をかいて眠っている。


 眠りに落ちた(カエデ)を見届けた私と黒音(クロネ)の二人は、二人とも体育座りをして、(カエデ)(はさ)んで両隣に(たたず)んでいる。



 急に「話があるの」って言いだした黒音(クロネ)と「え?」しか言えなかった私との間で、(カエデ)が寝返りを打ちながら独り寝言を言う。



黒音(クロネ)ちゃん……。夢葉(ユメハ)……。大好きだよ……」



 (カエデ)の寝言に「ドキ……」と、する。


 黒音(クロネ)が優しい眼差しで(カエデ)を見つめながら「ウフフ……」と、静かに微笑む。


 まるで、黒音(クロネ)聖母(マリア)に見えた。


 私は──

 

 そう想っていると、黒音(クロネ)が私の顔を見ながら、縁側の方を「クイッ」と指差している。


 黒音(クロネ)が「スー……」と立ち上がり、縁側の方へと移動する。

 私も、立ち上がり「スー……」と、縁側の方へと黒音(クロネ)の後に憑いて行く。


 

夢葉(ユメハ)? (カエデ)くんと私とのことで、悩んでるでしょ?」



 最初に、口火を切ったのは、黒音(クロネ)だった。



「え? ナニ? 何のことかな……」



 素直になれない私。

 この期に及んで、私はまだ黒音(クロネ)(とぼ)けようとしている。

 後ろめたいんだ。



「フフ……。なんか私たちって、複雑だよねー?」



「え? あ、うん……」



 私が言うより先に、黒音(クロネ)に言われてしまった。

 黒音(クロネ)も、やっぱり私と似たような心境だったのだろうか。

 私は、黒音(クロネ)に言われて、(うなづ)くしかなかった。


 けど、黒音(クロネ)(カエデ)は、悪魔的儀式をシて(タマシイ)の契約で結ばれている。



「そう言えばさ。私の名前? まだ夢葉(ユメハ)に言ってなかったよね?」



「うん。まあ、そうだけど……」



 すっかり、忘れてた。

 

 黒音(クロネ)の名前のこと。

 私は、黒音(クロネ)に言われるまで気がつかなかった。

 黒音(クロネ)と悪魔的儀式をシて(タマシイ)の契約をするワケでもないし、黒音(クロネ)のことは信頼してるし、別に気にもならなかったし、忘れてた。


 けど、悪魔的儀式も(タマシイ)の契約も、黒音(クロネ)が思いつきで考えただけで、本当のところは、本物(ホンモノ)かどうか私には分からない。

 

 オカルト好きな黒音(クロネ)が、言ってるだけで、本当は──


 でも、こないだの『浄霊指令(ミッション)』の件で分かったけど、名前と呪術的な効果は何か関係がありそうだ。



 けど、そんなことは……。

 

 私の中じゃ、どうでも良かった。

 黒音(クロネ)の本当の名前も、あんまり興味ない。

 別に黒音(クロネ)黒音(クロネ)で良いし。

 特に何か変わるワケでもないし。


 私の気持ちが、独りダダをこねている。

 (カエデ)を独り占めしたいって。

 

 私は、体育座りして、黒音(クロネ)とは逆の方へ顔をプイッと向けた。

 


「あー。分かった。夢葉(ユメハ)は、私にヤキモチ()いてるんでしょ?」



「そ、そんなじゃ無いよ……」



 素直になれない私を見透かしたかのように、黒音(クロネ)が私に話かける。

 当然、私は、否定する。

 

 私より、ふたつ年上の黒音(クロネ)が、なんだか本当に私のお姉ちゃんみたいに想えた。



「良いよ? 私の中に入っておいで。私の中に入って私に憑依して私を操れば、(カエデ)くんの中に入れるよ? (カエデ)くんの夢の中で、(カエデ)くんと悪魔的儀式をシて(タマシイ)の契約を交わせば、夢葉(ユメハ)も私と同じになれるよ?」



 夢を操るのは得意だからって──


 黒音(クロネ)は、笑って私に話してくれた。

 後ろめたい気持ちなのは、黒音(クロネ)も私と同じように抱えていたのかな?


 私は、黒音(クロネ)の中に入って、私も黒音(クロネ)みたいに(カエデ)(タマシイ)の契約を結ぶことに決めた。

 黒音(クロネ)、ごめん。黒音(クロネ)……。



「私の名前は、『黒井戸(くろいど)黒音(クロネ)』。夢葉(ユメハ)、来て……」



 「ドキッ……」と、する。

 黒音(クロネ)が、まるで私に口吻(キス)するかのように、目を閉じている。



「私の名前は、『(かのう)夢葉(ユメハ)』。黒音(クロネ)、ありがとう、行くよ……」



 本意ではないけれど……。

 

 私の口唇(くちびる)黒音(クロネ)口唇(くちびる)に触れると、私の(タマシイ)の本体が黒音(クロネ)身体(カラダ)の中に吸われてゆく。


 私は黒音(クロネ)になった。



(さあ……。(カエデ)くんの中に、入って……)



 どこからともなく、黒音(クロネ)の声が、私の中へと響いた。


 黒音(クロネ)の胸が「たゆん」と揺れると、まるで私の胸みたいに「たゆん」と、揺れた。


 けっこう張りがあって黒音(クロネ)の「たゆん」も、おっきかった。




挿絵(By みてみん)



☆七海 糸様☆ 黒音『FA』─ありがとうございます─m(_ _)m







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― 新着の感想 ―
[一言] ゾクゾクするねぇこういう展開( ´∀` )
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