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レイカノ。~『霊(アレ)』に好かれてから、俺の人生が180度変わった件~  作者: 破魔 七歌 
第一章 呪霊解きの世界……。『ウィズ ゴースト レインボー』
36/88

夢葉(ユメハ)の想い……。

 お母さんの霊気(レイキ)ヒーリング。

 (カエデ)黒音(クロネ)は、喜んでくれてたみたいだけど……。



 私は……。


 言えなかった。

 言いそびれてしまった。


 私も黒音(クロネ)みたいに、(カエデ)と悪魔的契約がシたかった。

 (カエデ)と二人きりになれる状況なんて、そんなに無いし。

 二人きりになれたとしても、(カエデ)の中には黒音(クロネ)がいるし。


 スッキリしない。

 モヤモヤする。


 少しでも(カエデ)を独占シたいって想うと、私からも(マイナス)のオーラが、出ちゃってるんだろうか……。


 少しでも(カエデ)の役に立ちたい。

 少しでも(カエデ)を幸せにしたい。


 けれど……。


 (カエデ)を独占シたいって気持ちは、浄霊指令(ミッション)の時の骸骨(ガイコツ)みたいな死神系な女の人みたいに、(カエデ)の生命力を奪っちゃうモノなんだろうか?


 あんな風には、なりたくない。


 なら、黒音(クロネ)には、私と(カエデ)がシてる時だけ、目を(つむ)っててもらう?


 あー。

 微妙……。

 なんか、複雑。


 私は、アレだけど、だんだん(カエデ)に対する気持ちが抑えられなくなって来ている。


 けれども、黒音(クロネ)のことだって、嫌いじゃないし、一緒にいて欲しいとも想う。



「ハァ……」



 らしくも無く、私が()め息をついてると、後ろから急に(カエデ)が声を掛けて来た。



「どうしたの? 夢葉(ユメハ)?」



「あ、い、いや! なんでも無い、なんでも無いんだよ! (カエデ)!」



 気にしてくれてる? (カエデ)


 単純(シンプル)な私は、嬉しくなって急に気持ちが切り替わり、目の前の現実に戻ることが出来た。



「おーい! そっち終わったー?」



 さっきまで、野良の黒猫と遊んでいた黒音(クロネ)が、コチラに戻って来た。


 

「どうしたのー? 夢葉(ユメハ)。考えごと?」



「え? い、いや。なんでも無いよ……」



 黒音(クロネ)は、分かるんだろうな……。

 悪魔的契約シてるから。

 (カエデ)の微妙な気持ちの動きとか……。



 私と(カエデ)黒音(クロネ)の三人は、昼間の定期巡回で、お寺の山から降りて(ふもと)に広がる街に、今、来ている。

 

 『(かのう)グループ』会長兼お寺の住職のお爺ちゃんからの会社指令。

 社員でもある(カエデ)の『常世(ワールド)道先案内(ナビゲーション)相談員(コンサルタント)』の『付き添い秘書』として。


 こないだ行って来た『浄霊指令(ミッション)ポイント』は、私たちの山の裏手側で、さらに遠く離れた辺鄙(へんぴ)な場所だったから、峠を幾つも越えて山道をグルグル軽トラで走らなきゃイケなかったけど。


 お寺のある山の(ふもと)のこの街は、意外に開けてる。


 けど、結局、街中に浮遊しているアレな皆さんは、けっこう居て、一人ひとりにお祈りするのは、凄く時間がかかるので、お爺ちゃんがお寺で『護摩焚きの法要』をすることになった。


 で、私たちは、いつもの軽トラの荷台部分にお寺に代々受け継つがれて来た『霊石(ヒーリングストーン)』を設置して街中をゆっくりと軽トラで走らせることになった。



「来てるよ、来てるよー? アレな皆さんたち! 『霊石(ヒーリングストーン)』って、そんな効果あるんだ?」


 

 黒音(クロネ)が軽トラの荷台部分に集まって来ているアレな皆さんを見て、興奮している。


 それにしても、凄い。


 荷台部分に、(タマシイ)さんたちが、物凄い勢いで集まって来ている。


 実家の庭の池で回遊している錦鯉さんたちに、『お()』の(えさ)をあげた時のような勢いの、喰いっぷりの良さだ。


 そんなこと、言っちゃあイケないんだろうけど……。


 

 『霊石(ヒーリングストーン)』は、『盛り塩』のような三角形のカタチをしていて、アレな皆さんや私たちには、気持ち良く癒される効果があるから、けっこうな数のアレな皆さんが、集まって来てくれた。


 軽トラの荷台部分に乗り切らないアレな皆さんは、人魂(ヒトダマ)みたいになって、軽トラに憑いて来てくれているようだけど……。


 私と黒音(クロネ)は平気なんだけど、(カエデ)が苦笑いしている。


 

「すんごい数のアレな皆さんたちが、集まって来ているね……。大丈夫なのかな……」



 軽トラを運転しながら、(カエデ)が、言う。


 私と黒音(クロネ)の霊的な影響のせいで、(カエデ)にもアレが()えるようになって来ているのだろう。


 けど、軽トラ荷台部分に設置された『霊石(ヒーリングストーン)』のおかげで、アレな皆さんの(マイナス)のオーラを受けても、(カエデ)は、今のところ大丈夫そうだ。



 

 ちなみに──


 さっき、黒音(クロネ)が黒猫と遊んでいたポイントは、この街を守るための『五芒星』の『結界』のひとつだ。


 それは、あらかじめ、お爺ちゃんが設置してた『(ほこら)』。

 

 毎日祈ることで、より『結界』の強度が高まり効果を発揮するらしい。


 その『(ほこら)』のお掃除とお祈りをして(まつ)るために、(カエデ)と私と黒音(クロネ)が、会社指令で、ここに居る。


 『結界』の効果としては、アレな皆さんの活動を鈍くして、成仏(ジョウブツ)の手助けを促進──


 浄霊とまではいかなくても『五芒星』の『結界』の作用により、この街の(マイナス)オーラが浄化され、生きてる人もアレな皆さんも皆一緒に、幸せになれるんだろう……。



 

♧♡♤◇




 ──夜になる。

 

 お寺に戻った私と(カエデ)黒音(クロネ)の三人は、お爺ちゃんの『護摩焚きの法要』で、夜空へと昇るアレな皆さんの(タマシイ)をアチラ側へと送った。


 天まで届きそうな『護摩焚き』の炎が、まるでアレな皆さんの(タマシイ)を押し上げているかのように見えた。


 ひとつひとつのアレな皆さんの(タマシイ)が、夜空に浮かぶ星みたいに輝いては消える。


 こう言っては、イケないのかも知れないけど、キレイだった。


 私も、あんな風になるのかな?


 なんか、急に気持ちが切なくなって、隣にいた(カエデ)の手を握る……。



(カエデ)……」



「ん? どうしたの? 夢葉(ユメハ)?」



 私が、(カエデ)の目を見つめると、(カエデ)も私の目を見つめ返す。



「なんでも無いよ。(カエデ)



「?」



 しばらく、沈黙の時間が流れて、

 不思議そうにしている(カエデ)の後ろの影から、黒音(クロネ)が「スー……」と現れた。

 5秒の時間が経って、私の手から(カエデ)の手が、するりと抜け落ちた。


 

 黒音(クロネ)の胸が「たゆん」と揺れて、私の胸も「たゆん」と揺れた──













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― 新着の感想 ―
[一言] ヒーリングストーン凄いね(;'∀') もし実体だったらと思うとちょっと怖い感じね(;'∀')
[良い点] 夢葉ちゃんの気持ちに切なくなりました(つД`) ラストの時間が経って二人の手が離れちゃうシーンなんてもう……! みんな幸せになってほしいです(*´ー`*) [気になる点] 霊石、気持ちよく…
2022/03/31 06:52 退会済み
管理
[良い点] 夢葉ちゃんも複雑な気持ちですね(/ω\) 三角関係はこじれますね。 これからの三人が楽しみです☆彡
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