表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レイカノ。~『霊(アレ)』に好かれてから、俺の人生が180度変わった件~  作者: すみ いちろ
序章 始まり……。『ウィズ ファントム ハート』
3/88

初夜……。


 


 それにしても俺は、疲れているんだろうか?

 

 アレなはずの彼女だが、シてくれると言う自然な流れになった。

 

 この際、もうどうでも良いとさえ思う。

 稼ぎの少ない今の仕事じゃ、人肌のぬくもりにさえ、ありつけない。

 かと言って、他の仕事を探すにしても、身につけなければならないスキルも時間も体力も……それこそお金が足りない。

 そして、なによりも気力が無い。

 一番悲しいのは女関係で、これまでほとんど縁が無かったことだ。


 明日も、仕事? 

 どうでも良い。

 どうでも良い日常が堂々めぐりして、どうとでもなる職場は俺不在でも、どうにでもなる。


 アレなはずの彼女との遭遇で普通なら恐怖して、運も悪けりゃ人生さえも奪われ兼ねない。

 アレって、そういうもんだろ?

 まあ、俺の人生は終わったようなものだから、大して気にはしていない。

 抱かれてイケるなら、願ったり叶ったりの本望だ。

 一番、幸せなんじゃないのか?


 そんな風に。

 なぜか、想うと……。

 なんだろう……? 涙? 

 いったい、いつぶりに泣いたのだろう。

 頬に流れ落ちる自分のナミダの熱さを感じる。


 シてくれる……? 

 ふふっ。ありがたい。ありがたくて泣けてくる。

 さっきまで、恐怖よりも胸踊らせていた気持ちは、いつの間にか萎えてしまっていた。


 布団に潜り込んだ俺は走馬燈のように、これまでの人生を想い出し、頬を濡らしながら壁の方へとゴロリと横へ向いた。

 いい(トシ)して泣いた。



「泣いているの……?」



「ん? あぁ、ご、ごめん。ちょっとだけ……」



 いつの間にか、布団に入って来てたアレなはずの彼女。


 アレなはずの彼女の手が俺の頬を撫でる。

 いつぶりだろうと想う、あたたかな感触。

 けれども、やはりというべきか、その感触は何処か頼り無い。

 

 ──明滅するかのように、()いては消えてを繰り返す。

 

 まるで朧気(おぼろげ)な蛍の光のように──

 



「ありがとう。君のおかげで、なんだか気持ちが落ち着いた。良い夢が見れそうだよ」



「そう? それなら良かったわ。私は、少し物足りないけど?」



 アレなはずの彼女が、そう言うと。

 俺の背中に、あたたかくて柔らかい二つの感触が、押し迫るようにピタリとくっつけられた。

 俺は一瞬、ピクリと震えた。

 服を脱いでおけば良かったとさえ思ったのも、束の間。


 俺のトランクスの中のモノを持ち上げるようにして握られる感触。



「えっ!? ちょ、な、なに……? シてるの?」



「ウフフ……。実は私も初めてなの。貴方(アナタ)なら触れても許してくれそうだったから、つい……。イマイチかもだけど……こんな感じ?」



「う、上手い……。じょうず……だよ」



 フワリと、あたたかく……握りしめられるアレなはずの彼女の手。


 けれど、やっぱり何処か頼り無く、フワフワと包み込まれるような温もりが、消えては灯り……握られる。

 

 直に感じるアレなはずの彼女の手の温もりが、俺の一番デリケートな部分に優しく柔らかく触れては、消える……。



 しかし、いったい、何処までイクのだろう……?

 まるで、この世の天国へと導かれるように、まだ、たいしたことは、されていないはずなのに。

 とても、気持ちが良い……。

 この世のモノとは想えないアレなはずの彼女の刺激。

 俺自身と繋がっている身体のもう一部が、張り裂けそうなほど震えて脈打つ。



「ふぅ……。疲れたわ。」



「え……?」





挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



七海糸さんが、描いてくださいました! 本作ヒロインのFAです!!


七海糸さん!! 本当に、ありがとうございますっっっっっ!!!!!!!!(*´▽`*)(っ´ω`c)(∩´∀`∩)♡♪☆彡









 




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] オホホホホ( ´∀` ) 本作のような、過激じゃない感じの方が私は好きです( ´∀` )
[良い点] 不思議とやらしくないのは詩のように美しい表現だからでしょうか( *´艸`) 続きもドキドキしながら読ませていただきます……(๑>◡<๑)♡
2022/02/22 12:24 退会済み
管理
[良い点] ──明滅するかのように、点ついては消えてを繰り返す。  まるで朧気おぼろげな蛍の光のように── ↑ この部分が詩人さんという感じがして、なんかいいですね~。 素敵~✨ しかし…(´▽…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ