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レイカノ。~『霊(アレ)』に好かれてから、俺の人生が180度変わった件~  作者: すみ いちろ
序章 始まり……。『ウィズ ファントム ハート』
18/88

淋しい「たゆん」……。



 2秒間。


 約2秒間ほどだった。


 刹那のタイミングで、俺の口唇(くちびる)の中へと、黒音(クロネ)ちゃんが、何かを押し込んで来た。

 黒音(クロネ)ちゃんのディープキス。


 甘く……。

 (トロ)けるように。

 そして、温かく……。


 俺は、黒音(クロネ)ちゃんの突然のディープキスに震えて、黒音(クロネ)ちゃんの中から口移しに押し込まれたモノを飲み込んでしまった。


 

「ウフッ。限界……超え」



 黒音(クロネ)ちゃんは、確かにそう言ったが、黒音(クロネ)ちゃんの言った言葉の真意が、俺には分からない。



(カエデ)くん? 私のこと、好き?」



 まるで、夢みる星のように俺を見つめる黒音(クロネ)ちゃん。



「う、うん……」



 抗えなかった。

 拒めなかった。

 

 まるで、宇宙の悠久の時を旅する星のように抱かれた俺。


 黒音(クロネ)ちゃんは、俺をどうしたいのだろう……。


 夢葉(ユメハ)のように直接身体には触れてはいないのだが、黒音(クロネ)ちゃんは、俺の首に両腕を回し、「たゆんたゆん」揺れるアノ部分に俺の顔を(うず)めようとしている。



(カエデ)くん……。好きにして……良いよ?」



 温かい黒音(クロネ)ちゃんのアノ部分が「たゆん」と揺れて、黒音(クロネ)ちゃんの(あら)わになった先端が俺の口もとに触れる。



「はぁぁ……うぅ」



 黒音(クロネ)ちゃんが、震えている。

 

 黒音(クロネ)ちゃんの瞳が、俺の(かたわ)らに、ずっと居続けたいと訴えているのが、分かる。



「ごめんね。(カエデ)くん。私は(カエデ)くんの側に、ずっと居続けたいんだ。だから、私の名前を呼んで……?」



黒音(クロネ)ちゃん……?」



「うん……。私の本当の名前は……。黒井戸(くろいど)黒音(クロネ)



黒井戸(くろいど)黒音(クロネ)……ちゃん」



 その時、何かが俺の中で、熱くなるのを感じた。

 

 さっき、黒音(クロネ)ちゃんの口唇(くちびる)の奥から俺の中に贈られて来たモノが、俺の中で熱く溶けてゆくのが分かった……。


 黒音(クロネ)ちゃんは、得も言われぬ表情で、目を(つむ)りながら声を上げる。



「あぁ……。あぁ……っ!!」



 何か、おかしなことに、俺は黒音(クロネ)ちゃんを操れそうな気になってしまった。


 俺が、指先を動かすと……。



「あぁ……っっ!!」



 その都度、黒音(クロネ)ちゃんが、絶頂に達したかのように震えた。




「ご、ご主人様ぁ……っ!!」



 

 黒音(クロネ)ちゃんが、虚ろな目でビクビク震えながら俺を見つめて叫ぶ。



 黒音(クロネ)ちゃんのあり得ない目の前の姿に、俺は息を飲む。



「おーい! (カエデ)ー!! 黒音(クロネ)ー!」



 車外から、夢葉(ユメハ)の声が俺の耳もとに届く。


 ハッ! とした俺の手が、黒音(クロネ)ちゃんを揺り動かそうとして、そのまま、すり抜ける……。



黒音(クロネ)ちゃん! 黒音(クロネ)ちゃん!! しっかりして!!」



「う、うーん……」



 まるで、夢から覚めたかのように、寝起きの顔で目を(こす)黒音(クロネ)ちゃん。



「か、(カエデ)くん……」



 抱き。

 

 (なお)黒音(クロネ)ちゃんは、またしても、俺には触れてはいないが、包み込むようにして俺の首もとへと両腕を回す。



黒音(クロネ)ちゃん! 夢葉(ユメハ)! 夢葉(ユメハ)っ!!」


 

 俺が、触れられないアレな黒音(クロネ)ちゃんに呼びかけると、黒音(クロネ)ちゃんは、ビクッ!として、我に返った。


 その直後、夢葉(ユメハ)が俺の車に戻って来た。



「ごめん! ごめん!! 待った? (カエデ)?」



「い、いや……。だ、大丈夫だよ?」



 夢葉(ユメハ)が、当たり前のようにして車のドアを開け、「バタン!」と、閉める。


 まるで、本当に生きている人みたいに。


 俺は、背徳感(ウシロメタサ)で、いっぱいだ……。


「伝わるんだよ……」なんて、夢葉(ユメハ)に悟られはしないだろうか……?



「あ、何かあった……? (カエデ)……?」



 早くも、夢葉(ユメハ)は、俺の異変に気づいたようだ。



「いや……。あのぉ……」



 俺が、言葉を詰まらせて困っていると……。



「アハ! 残念! 夢葉(ユメハ)!! 私も(カエデ)くんと『契約』結ばせてもらったよ? アンタが何て言おうと、私は(カエデ)くんのモノだよ? アンタが、(カエデ)くんとキスしたみたいに、ね?」



「な、何? あ、悪魔的契約な話? わ、私には関係ないんだから……」



 目を白黒させている夢葉(ユメハ)


 そこは、怒らないのか?


 何だか、申し訳なさ過ぎる。


 やっぱり、俺は、人として最低なんだろうか……。



「分かってたよ……」



 夢葉(ユメハ)が、(うつむ)いて(つぶや)く。


 夢葉(ユメハ)の胸が「たゆん」…と、淋しく揺れる。


 俺の胸が、ズキン……と、痛い。













 




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― 新着の感想 ―
[一言] 黒井戸……黒井戸殺しか、貞子か(ォィ そしてそして……うわぁ、こいつぁ胸が痛むぜぇ(;'∀')
[良い点] 黒音が攻めた! 悪魔的契約を黒根とも結んだとなると、今後どう影響するのだろうか( *´艸`) ハーレムだなぁ~。
[良い点] 朝から刺激的でした(*ノωノ) 黒音ちゃんってばえちちちすぎます♡ でもこれは楓くんじゃなくても抗えそうにないですね(*´ー`*) 夢葉ちゃん、気づいても怒らないのが意外でした! そんな淋…
2022/03/08 07:00 退会済み
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