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春の香りに恋して  作者: 桃口 優/最愛を紡ぐ作家


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十四章 「一緒」

一緒なことが、、、

 春の香りは意識して感じるものではなく、ふわりと私たちのもとにやってくる。

 恋愛とは「する」ものでなく、「感じる」ものだ。



 あの日から数日経った日のことだ。

 私は彼を呼び出した。

 待ち合わせ場所は、私たちが初めて出会ったあのファミレスにした。

 今思うとあの日から始まっていた。あの日彼が助けてくれなければ、私たちの接点はなかった。だからこのお店にまた来たくなった。

 私たちは最近今までに買ったことのないような服を買うようになった。もちろん、それは相手の影響であり、ペアルックなんかも買ったりしていた。 こんなにはしゃいでるなんて、自分でもびっくりだ。

 今日呼び出したのは、どうしても彼に聞きたいことがあったからだ。

 彼から告白されてもちろん幸せだった。

 今までで一番幸せだと思う。

 まさかあの日彼から告白してきてくれるとは思っていなかった。

 しかも、バラの花束なんて今までの人生でもらったことがない。

 キザで現実的じゃないけど、それだけ私のことを考えてしてくれたんだなと思えて嬉しかった。

 効率的じゃなかったり現実的じゃないものもいいかもしれないと、最近思えてきた。彼の影響だろうか。考え方も変わるなんて恋するってすごいことだと今更思う。


「どこからがサプライズだったの?」


 私はそこが気になって仕方なくて、彼に直接聞いた。

 でも彼は嫌そうな顔一つせずに答えてくれた。


「全部だよ」


「えっ、全部って?」


 予想外の答えが返ってきた。どういうことだろう。


「プラネタリウムは俺の知り合いが経営してるところなんだ。花束は早めにいって置いといてもらい、フロアが暗くなったら用意してた音楽を流してもらった。拍手してくれた観客の数人も俺の友達。って、ネタバラシすると恥ずかしいよ」


 彼はコーヒーを一口飲んだ。今更彼のコーヒーを飲んでる姿が様になっていてかっこいいと思った。なんで今まで気づかなかったんだろう。

 そんな事にときめいていると、私は彼からどう見えているのだろうかとふと思った。彼によく思われたいと言う気持ちが私の中で確実に沸き上がってきている。

 それにしても恥ずかしいと言いながらしっかり話してくれる。そんな優しい彼がやっぱり好きだ。


「すごい。そこまでやってくれたんだ」


「やるなら記憶に残り、喜んでもらいたいからね」


「ありがとう、伊織。でもね、もっとすごいことあるんだよ」


 私は彼を驚かしてやろうと話を変えた。


「何?」


「あの日、実は私も伊織に告白しようと思ってたんだよ」


「えっ、そうだったの?すごい。それはびっくりだよ。ってことは美桜も俺のこと好きでいてくれたの?」


「うん。好きだったよ。そうじゃなきゃ告白をOKしないし」


「でも同じ日に告白しようと思ってたなんて、そんな重なることある?」


 彼は本当に驚いているようで、何度もそんなことってある?と同じ言葉を繰り返していた。そんなに驚いてくれてこそ話した甲斐がある。


「本当にすごい偶然だね。私たちの思いはぴったり重なってたんだよ」


「これって、もしかして、初めて一緒のことがあった?」


「そうだね、私も今同じこと思ってた」


「すごく嬉しいよ」


「私もー」


 私は彼と喜びを共にした。それは初めて見つけた大きな二人の共通点かもしれない。しかし、きっとどこかで私たちは同じところがあった。ただそれに気づかなかっただけだ。だって私たちはお互いに相手のことを考え、愛してるのだから。それだけで十分奇跡的なことで、共通点でもある。そして、幸せって誰かと分かち合うことで形になるんだと思った。

 心臓が大きく音を鳴らして動いている。一層彼にこのドキドキが伝わればいいのと思った。

 今でもあの時の彼の真剣な顔が頭に残っている。あの音楽が頭から離れない。とても素敵な曲だった。彼のセンスはやはりすごくいい。

 また彼の虜になっている。

 私は生まれ変わっていくかのように彼のことをどんどん好きになっていく。

 それはまさしく春だった。

 春風がふわりと舞った。まだ春は終わらない。

 その時、また春の香りがした気がした。

 春の香りはとても繊細で優しい。それは彼に似ているんだと気づいた。私は春の香りに恋したのだろうか。

深呼吸して春を感じながら、私は彼と一緒になれて本当によかったと思ったのだった。

最後までお読み頂きありがとうございます。


恋に落ちていく気持ちを書きました。

少しでも心に響けば嬉しいです

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