ミンの独白
あの、そ、その、ミンです。特に何もない獣人です。
いえ、その、今は普通?のはずなんです。奴隷ではあるけれども。
私が奴隷であることは、変ではないはずです。そういう人たちにつかまってしまったから。
私の村はお金もなくて、悪い人が来ちゃったらどうしようもなかった。だから捕まっちゃった。
でも、その人たちは兵士みたいな人にやられちゃった。仮にも私たちを先導していた子悪党みたいな人だった。
殺した兵士の人たちは私を保護してくれた。まだ死ななかったとほっとしちゃった。
でも、めぐるめく環境に慣れず、連れていかれたのは暗い地下扉の前。そして、新しい居場所だった。
そこで私は奴隷として、商品として、思っていたよりもいい待遇をして日を過ごしていた。
そんな私はとうとう買われてしまった。最初は病的に偽っていたけど、そこがなおいいだとか、なんとかで。
私のほかにも五人買われた人がいた。鳥頭の人は人なのかな?ちょっと見たことなかったのおじいさんは何で買われたのだろう?すごい人?なんか買っていった人と普通にしゃべってる。すごい人だった。
私と同じ獣人の子は男の子で、その、買っていった人に不安な表情を見せていた、いつもは、その、結構威嚇してくれるタイプの男の子だったんだけど、あっという間に買われちゃったからね。自分のこと言えないけれど。
これからは、新しいご主人様にお仕えするんだ。本当は怖いけど、そのご主人様の人は買うときに、一切の感情もまとっていないような表情だった。
奴隷を傷つけるようなことはダメらしいけど、なんか気持ち悪い目で見てくるは結構いっぱいいた。
大人数で買われたのか、その中でもそういう対象なのか、私はじろじろ見られながら市場を去った。
ご主人様の家は、立派な一軒家だ。それも中に入ってみると機械のようなものが転がっていて、研究者の人みたいだった。
研究者さんはいっぱい発明していっぱいお金をもらう人だったはず。でも、少し怖いって聞いた。
家に入ってから、ご主人様はぶつぶつ言わずとも、口先をぶつぶつさせている。獣人でもギリギリ聞き取れないくらいの声だった。
そして、私たち五人を並べると、インチと名付けられた鳥さん?に緑色の中身が入った瓶を口に突っ込んだ。
有無を言わさぬ動きで、鳥さんは瓶の中身を飲むしかなかったみたい。次は男の人、そして私、男の子の獣人、お爺さんだ。
みんな緑色の中身を飲んで、何にもないと思ったら、鳥さんの頭が人間の女の子の顔になったの!
みんな驚いていたけど、たぶん私たちにも何か来てるの。なんか元気が湧いてくる感じなの。
飲んだら死んじゃうとかなくてよかったー。でも、相変わらず表情変わらないね、ご主人様。