奴隷の選別
私は、奴隷商に奴隷の注文を頼んだ。見た目の必要性は要していない。
つまるところ種類とステータスの違いが欲しいのだ。例えば、私は、もともと病弱な者であろうと、違う種族であろうと、病原体を否定し、不老に届かせる研究をしているのだ。
特にそこまでしてかなえたい悲願などはないが、まだまだ死ぬというのはもったいない。
研究の話に戻るが、それが今、形としていくつかあるのだ。だが、それをいきなり自分を被検体としてしては、危険が伴うだろう。
だから、こうやって奴隷を使えば、、、私自身の体を濁さず、結果だけを得ることができるのは言うまでもないだろう。
さて、そろそろ、奴隷商が来たようだ。その商品の奴隷も、種類が豊富ではないか。
なるほどな、左から順に、人間(女)、病弱そうな獣人(少女)、鳥人?、人間(男)、人間(少女)、人間(老人)、獣人(少年)、エルフ(男)、エルフ(女)、人間(目つき悪い)
そうだな、ほぼバラバラといったところか。しかし、今の段階で試したい薬は5つだ。
つまり、この中から5人選ぶわけだが、正直に言ってつまらないものと反抗的な奴はいらない。
目つき悪いやつとか、番犬扱いにしろとしか捉えられんし、エルフは人間に対して偉そうだし、あともともと寿命が中途半端に長いし、パスだな。
種族で選ぶとは言ったが、いきなりエルフ嫌いを理由にしてしまった。まぁ、嫌いなのだからしょうがないだろう。
なんせこっちはドラゴンにあってだな、その王族クラスの血をいただいているのだ。お前らなぞ格が知れてるわ。
あとは、病弱な獣人、これはもう一人の獣人と一緒にかってもいいだろうな。ちょうど性別が違うし。
あとは、人間は外せないな。えーと、この老人は何歳だ?うおぉ!?90歳だと!?もう死んでいる者ではないのか。そうか、生命力の塊のような者だ、面白い。なら買おう。
後は、単純に人手扱いで男だな。死なない助手なんてすごいものができるかもしれないな。
あと一人か、鳥人、うん、鳥人だな。確かこいつにぴったりの調合をしたやつがあったような。
私は、とりあえず、この買い物で、被検体なる彼らたちを買うことに決めた。
そこから買い終えるまでに半刻ほど過ぎたか。奴隷の店も扱いづらくなったものだ。
決めたはいいものの、五人も買ってなにをするのかと聞かれたときには、こいつ勘が鋭いのかと思ったが、どうやら今の国王は正義感に熱いらしい。
そんな新国王の影響力が、奴隷を買うことに何かしらの疑惑を感じて、怪しきを取り締まることに影響を与えているようだが、私には、やらなければいけない研究、やり返してやる力があるのだ。
なのに、名前を付けて愛でろという。めんどくさいな、そこまで行くともう直接国王の息がそこら辺の店にかかっているような、他人の領域が私の範囲を侵害するような息苦しさを覚える。
さっそく、帰ってこいつらに成果をためしたいのだ。なぜに?こいつらに名前を付けなければならんのか?
…もうイチからゴでよくね?サンプルなんだから、ダメ?まったく、これだから凡人は。
俺の名前の付ける気概のなさに、情の欠片もないと、奴隷商の乾いたような眼。それを甘んじて受ける覚悟が私にはある。
結論は名前を考えるのはめんどくさい。だから、インチ、ニン、ミン、シン、ゴンとあまり変わってないような名前を付けた。今度は大丈夫だった。
あれだ、買うの決めた順だからな。なに?老人、ミンは変だと?ならお前をゴンにしてやる。ありがたく思え。
こうして、楽しい買い物は終わった。はやく家に帰りたい。研究したい。
さて、これから君たちを新しい場所に招待しようか。どうなるか楽しみだ。