ミンの独白2
奴隷としてご主人様に買われたミンですが、特にやれっ、と言われたことはありませんでした。
ご主人様は、いつも機械に目を向けられるか、奴隷のお爺さんをよく観察するくらいだ。
わたしなんて、はっきりいって興味も持たれてないんじゃないかって思っちゃった。
そこで、わたしが積極的に始めたことは、ご主人様の注目を浴びることだった。
せっかく買われて、でも、私より死にかけのお爺さんに没頭されているのはなんか違う気がする。
今の状態は、何もされてない、ただのご主人様の作ったドリンクを飲むだけの要らない子。
隣にいる獣人の子は、ちょっと反抗することがあるけど、それがチンセイ?がどうとか、別の薬を飲まされることも多い。やることふえてるし。
とにかくわたしは、引き取られた中で、一番何もしていないと思われるお荷物な存在だ。
とりさん?は、インチはその変化が著しく、本人もよくわかっていない。もともと考えそうな頭はしていないけど、わたしより確実に面白い。
だから、わたしには何があるかなって考えてみて、よく見たら周りほぼ男の人しかいなかったなって。
そうとなったら、ご主人様が性的にみられるように頑張ろうって、形だけ思った。だって、ご主人様少しこわい顔してるから。
そして、わたしの媚びた生活が始まって、半年くらいしたころ、なぜか、自分の心がほだされている気がした。
あのね、付きまとうようにしたのはわたしだけど、普通に笑顔で対応してくれるとは思ってなかった。
お爺さんとは難しい話をしていたはずなのに、わたしが声をかけると、なんだい、と優しく声をかけてくれる。
これは最初からそうだった。紳士かもだけど、一度外の買い物についていったときなんかは、女の人関係なく冷たく接してた。女の子でもだ。
それに比べてわたしは、この人絶対怒らないなって思うくらい、優しくしてもらっていた。
急にわがままを言って、おなかがすいたといったけれども、それにわたしがたべたい物を合わせてくれた。食べたいものだと狭量かもしれないけど。
嫌だといっても、怒らず諭してくれる。わたしがもっと小さいころにこんな優しい記憶があったような、
お父さんのような優しさに、ご主人様を重ねてしまっていたようだ。なんかいいかもしれない。
こうやって甘やかされて、甘えることができて、わたしはドキドキしていた。
じぶんからくっついていってあれだけど、ご主人様はまだ許容範囲かもしれない。
獣人は少し変なのかな、と揺れ動く気持ちとすぐそばにいる反抗的な男の子をみて、首を横に振った。
どうやら、同年代という枠組みには入らないみたい。でも、なんかうれしいかも。だって、触れられるの、好き、なんだもん。