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欲なんて安っぽいものか  作者: まっきよ
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不老とドラゴン

私は魔導士であり、魔法学校で講師を務めるイレーズだ。


それとは別に、科学者めいたことを生活の大部分としている。


なぜなら、そこには私の求めるものがあると信じているからだ。


その、私が求めていたものは、大胆にしてシンプル、不老というものだ。


それは不死とは違う。不死は体の損傷までもを補うもっと高次元のものである。


だから、私は、自分の生涯をかけて、講師をしながら、自費で研究をすることにした。


世の中には、ドラゴンのような長寿の者もいる。私は、少なくともドラゴンが寿命で死んだという情報を聞いたことがない。


人間は長くても100歳。これでも進歩したであろうが、これは病気にもかからない一握りだ。


しかし、ドラゴンは寿命は計り知れない。病気などもってのほかである。


幸い、私は冒険者のように様々な得物を使えなくとも、それを上回る優秀な魔導士だとは自負している。


賢者と評される五属性の魔法適性がある者、それに加えて私は、まだ公表していない新しい魔法も構築している。


それは、無属性魔法。いろいろと種類はあるが、これといった例では、自分を強化して、魔法特化の私でもそこらへんの岩を素手でもって粉砕してみせよう。


そして、防御では、自分を体を強化することに加え、自分の魔力を、実体化し、強い硬度、密度を持つ結界を張ることだってできる。


実際のところ、人間の体の性質だけでは、病気にも、寿命にも勝てはしないことがわかりきっていた。


しかし、ドラゴンという長寿の者たちの血をいただくことによって、何らかの研究はできると、想像に難くなく、こうして実行に移す。


そして、講師を続けながら、ドラゴンを探し、掲示板や、目撃情報を確認しては、ドラゴンを探しに行くということをしていた。


もっとも、ドラゴンというのは、並大抵の人間では倒せない。うちの学校で教えている者たちも何分持つだろうか。


ドラゴンだが、ときどき姿を現すというが、そのときには必ず我ら人間に被害を与えて去るという。


だから、普段は決して現れない者。そして、人間を見下し切っている者という認識がある。


私としては、これに理解も出来るし、ドラゴン目線で言えば賛同する。


だから、面白半分で人間を食らったり、人里を襲うのだって別に責めたりはしない。


しかし、こうもいえる。逆にドラゴン、貴様らを攻め滅ぼしてもいいのではないか、と。


私は、それを実行に移した。実際、一体目を狩った時に、そいつはこちらの言葉がわかるようで、何とか聞き出した。


それはもう、ドラゴンとはいえトカゲだから、研究ついでの退化剤なんてもので本当にトカゲに戻したり、拷問が効かなかったので快楽攻めにしてみたり、いろいろやった。


それ自体も、私以外の他の者にはできない芸当であり、非常に素晴らしい体験であったが、不老の研究も徐々に進んでいくことが本当にうれしかった。


有意義な時間だったに違いない、しかし、ドラゴンは手段であって目的ではない。


本番はここからともいうべきだった。

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