ビデオボックス―2
まだまだ彼女の話は続いているし、私はうんうんとうなずき続ける。
一体何の話を聞いていたのかわからなくなるけど
どうせ結論もないだろうし、かといって親身になって答えたところで
私が彼女の彼氏じゃないんだからこういうことっていうのは
本当に、本人同士で話し合ったらいいと思う。
ところで恋愛についてもそうなんだけど、
異性としてのパートナーに求めるものって人それぞれなんだなと思うんだ。
私自身の話なんて、絶対したくないけど
例えば書いていったとしたらそれは文字にすると難しくなっちゃうんだけど
相手方の心なかを私が納得する深い場所まで
臆さずその内面性を開示してもらえるのかどうかだと思う。
何の内面性かっていうことの具体的な話は書く気があったら追々なんだけど。
もちろん相手とのご縁もあるんだけど、
これは私が思っているよりずっと難しいことなんだと思った。
若い時に自分の内面性を掘り下げて分解しているような人間の方が人口比に対して少ない。
そのことをよく理解していなかった。
わかっていたら誰か異性と異性として付き合う前に
自分のやりたいことを優先していたと思うし、
今はきちんと言葉にできないだけだったりで、
今後私への理解が深まったらきっとそういう会話も成立するようになるんじゃないかとか
そのためにはもっと人間としての関係を深めたいとかって必死だったのだが
相手にそんなに献身的になる必要だってなかったと思う。
ないものはないし、いつまでたっても出てはこないんだから。
それより、自分自身をもっと深めて
同じことを考えている人を探したほうがよかったのかもしれないし。
今だったら、その時の私にそういってアドバイスするけど
それは今だから言える話だ。
それに、大体がこんなものなんだと思えなかったために
私が言っていることの意味が分かってくれるんじゃないかとか
どうしてそんな浅いところで物を考えているとか嘘をついて
本心を隠そうとするのかとか、
本人にそもそもないものをあるに決まっていると思って
食ってかかるようなことばかりしていたので
きっと頭がおかしかった。
この自分の強いこだわりみたいなものがあるから
簡単に異性を【異性】としてみたりしないんだけど
単純に 異性＝セックス の相手 と考えることに
どうしても違和感があるんだ。
それだけじゃないだろ。
親族、親友、仕事仲間の感覚の方が男性に対しては
そちらの関係の方が安心するので
性的な対象として見られはじめた年齢から、
一時期軽い人間不信になってしまった。
ただ、ココロとカラダは一体だし体は心の入口だ。
信頼関係のある相手に対してだからこそ
できることもある。
オーラルセックスだってそうだと思う。
今日あった相手だったら危ないからしっかりコンドームを着装してほしいし、
着装した上からでも嫌だ。
っていうか、全部ヤダ。
書いておいてなんだけど
そもそもそんなことしたくないでしょ。
でも、パートナーだったら話は別だと思う。
どこにどうしてあげたらいいんだろうかという探求心しかないし、
今、書こうと思ったけど、やっぱり私には表現としての記述はちょっと
まだ憚られるんで書かないけど、書いていくとすると
でも、ピンポイントでこの場所だっていう、
当の本人にもわかんない未知の角度とか圧のかけ方とかそういうのがあるから
そこを探し当てる旅がおもしろいのであって、
こう、なんていうか、、
その往くに行けない表情を見てる方がおもしろいのであって
その、パートナーの頭に電流が走る場所を探し当てる冒険なんだけど
それは本当に特定の相手じゃないとやりたくないし
好きだと思ってるから見たい表情で
そうでもなければ別にどうでもいいっていうか、全く興味ない。
それは一晩一緒に過ごしたくらいで
わかるものではないので、
相手にしっかり向き合うことが幸せだし
大切だと思う沢山の理由の一つのことでしかないと思った。
それにここは重要だと思うんだけど
カラダがひらかれることっていうのは
ココロも能力もひらかれるので
そういう意味でもセックスってすごく大事なんじゃないか。
だからこう思ってるんだけど、
つまり、男性だっておんなじだと思うんだよね。
だって、自分でそんなことできないじゃん、
やっぱり相手あっての事でしょ。
ただ横たわる女性に対して事を済ませたら
それでいいっていうもんじゃないんじゃないの？
まぁ、ただ、ここばっかりは価値観だし、
色んな趣向があるから、
これがないとって特定の刺激に対して
性的な興奮を示す人もいるわけだしさ、
人それぞれなんでなんとも。
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私が離婚したばかりのころ、
別にかくすことじゃないし離婚してるって言ったら
すぐやれるんだろぐらいの勢いの申し込みや誘いみたいなのに
驚いた。
離婚したらモテるっていう話は
これはモテてない。
今は、
主人は単身赴任で都会で働いているので
一緒に住んでいなのですよ、とか
適当なことをいって過ごしてる。
いちいち離婚したことの説明をするのも面倒だし
その理由を聞かれることに返事をすることも面倒だし
いちいちとりあえずどうかっていう
どうしようもない誘いみたいなのが
どうしても発生してしまうからそれを断るプロセスも
なんか、ちょっと面倒だからだ。
ただ、年配の女性には、
どういう訳か、、指輪をしていないからなのか、
どこで判断しているのかはっきりとした理由を聞いたことがないので
わからないのだが、離婚してからは未婚だと思われていることが多くて
子供がいます というと
一人で大変だ、頑張ってるねと同情されるんだけど
ここでもやっぱり結婚していなことになるんだなと
残念に思った。
女性のカンってすごい。
結婚しているしていないがわかるみたいだ。
もし、次回、同じような反応で
未婚と判断されたときには具体的な理由を聞いてみようかな。
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そしてまた、彼女の話に意識を戻しながら
うんうんと聞いているわけだった。
