夜の高速船
みなとあかり以外には何も無いまっ暗い闇の中で
さながらその船だけが安全地帯であるように
見えない夜の獣から僕らを光で包み、まもる。
だいだい色のみなとあかりは
ぞんざいにピーラーでひん剥かれた人参の皮のように
黒い水面にグニャグニャと浮かぶ。
たっぷりの墨汁をざばばと恐ろしき力でかき分ける姿
窓から黒いみなもを見下ろす僕をぞわりとさせる
終発から二番目の便。
対岸で僕を待つあの人たちはもう眠っているだろうか。
そして僕は一年ぶりにこの島に来た。
みなとあかり以外には何も無いまっ暗い闇の中で
さながらその船だけが安全地帯であるように
見えない夜の獣から僕らを光で包み、まもる。
だいだい色のみなとあかりは
ぞんざいにピーラーでひん剥かれた人参の皮のように
黒い水面にグニャグニャと浮かぶ。
たっぷりの墨汁をざばばと恐ろしき力でかき分ける姿
窓から黒いみなもを見下ろす僕をぞわりとさせる
終発から二番目の便。
対岸で僕を待つあの人たちはもう眠っているだろうか。
そして僕は一年ぶりにこの島に来た。
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