こうなった訳
「着いてくんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
大絶叫しつつ、無限に続くのではないかと思える長廊下を走る少年の姿がそこにはあった。
少年の名は都城零。
ごくごく普通の新高校一年生…の筈だったのだが…
「零くぅん〜! 待ってえーーーー!」
零の後ろには、白を基調としたひらひらの服を着た少女の姿が。
彼女はあんな走りにくそうな格好にもかかわらず、とんでもないスピードで零を追っていた。
そのスピードの凄さ、正に疾きこと風の如しである。
そして、遂には捕まる。
彼女は仰向けの零に馬乗りとなり、
「今日からうちの子なんだよ?」
「そんなの聞いてねえ! てか、脱がそうとするのやめろよ! 聖奈」
うっとりした顔で嬉々として服を脱がそうとしてる彼女…海月聖奈にそう言うが、
「お父様とお母様にも頼まれちゃったんだもん! これってさ、親公認じゃん! うちのパパママは私が言えば肯定してくれるし大丈夫、ここで一緒にいちゃいちゃして暮らそうね」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
零が大絶叫するも聖奈は何事もないかのように、続ける。
「浮気調査も詳しくやってくからね! もし、浮気なんてしてたら相手の女…」
少しの間が空き、目から光がなくなり、
「殺っちゃうから♡」
「ひっ…」
聖奈はあまりの恐怖に縮こまる零の唇を奪いさり、
「大好きだよ零くん」
とろんとした目でそう言うのだった。
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さて、零がこんな目にあってる理由を話すとしよう。
どこから話すべきか…
とりあえずは、遡ること約半日前からスタートとしよう。
では、こうなるまでの過程をお話しょう。