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速陽

強くならねば

はあ、はあ、

「マジかよ。」

目の前に広がるのは

広大な空間と遠くに見える地面。

俺は今、崖から身を乗り出している。

なぜ、こんなことになっているかというと。

逃げる身分になった俺たちは出来るだけ早く移動しなければならない。

だが、兄である俺の身体能力が

低すぎるためこのままでは追いつかれてしまう。

そこで妹が、

直々にトレーニングしてくれると胸を張った。

結果がこれである。

上の方から妹の声が聞こえる。

「まずは、恐怖心を無くさなきゃね〜。」

呑気に話す妹の手には、

俺の命を支える1本の縄が握られている。

高所恐怖症気味な俺は、

意識が薄れる感覚を味わいながら祈るしかなかった。

1時間はたった頃だろうか、

妹が口を開く。

「よしっ。」

(やっと、上がれる。)

安堵の涙を流す俺に届いたのは絶望の言葉だった。

「あと、1時間頑張ろうね。」

上空から降り注ぐその言葉は風のせいか、

良く聞こえなかった。

日が傾きかけた時、俺は解放された。

地に足をつけている。

こんなに、

安全なことはないと思ってしまう程のことだった。

ふと、妹を見ると妹の目は遠くを見ていた。

妹が眺める空を見ると綺麗な赤色に染まっている。

その時、

俺は恐怖心無く崖の淵で赤い夕日をみていたのだった。

強くね

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