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監視
目標までの距離、
3キロ。
これが、
あの女騎士に気づかれずに近づける限界だ。
移動は遅いが確実に帝都に近づいている。
今、足止めできなければ
一月も経たずに帝都の門を潜ることになるだろう。
それは避けたい。
狙撃には向かない陽射しと距離が
私を足踏みさせる。
仕方がない。
ここは応援を呼ぶ。
騎士と男の行動は午前は動かず、
午後になってから移動していた。
随分と長い休憩を取っている。
男の方が怪我でもしているのかもしれない。
それとも、ただそう決めただけか。
どちらにしろ、あの女騎士には不自然だ。
まあ、今は深追いせずに兵士の到着をまつか。
私はそう決めるとイスに深く腰掛けた。