勇者、晴れない疑問
「シ、シスター!?」
そんな声が響いた午後6時半
オレンジ色の夕焼けが綺麗に染まるなか俺の声だけが木霊した。
「皆のアイドルー…シスターだお☆」
「そんなこといいから家返せよ!…てか教会どうした!神父は!?」
教会どうしたんだよほんとになんでいるんだ。と思っていたらシスターが喋り出した
「神父は仕事してますよ!村人にオススメのギャルゲ教えてます!!!」
「神父何してんだよ!神父一切仕事してないよ!教会ってギャルゲ教えるとこじゃないだろ!?」
神父!?まさかの神父どんなことしてんの!?
明らかにおかしいだろ、何してんだよほんとに。
「でも…」
シスターが呟いた。とても重要そうに…。
「最近はギャルゲよりもエロゲのほうが好きらしいですよ☆」
「だから神父なにしてんだよっ!」
もう…あの村おわったな…俺の故郷が…。
「そうそう。勇者さん…勇者さんが絶対喜ぶものを持ってきましたお!」
おってなんやおって。ちゃんと喋れお…あかん!?口調移ってしまった!やるなシスター…そんなことを思っているとシスターが
「では目をつぶり両手を出してください。」
と言った。
俺は言われた通りにした。
そうするとシスターは俺の両手になにか持たせた。
「目を開いて確認してください。」
シスターにそう言われたので目を開いた。
そうすると見覚えのある形の家のフィギュ…
「ってこれ、お前にぶち壊された家のフィギュアかよ!」
「はい!上手でしょーうまいでしょー」
と目をキラキラ輝かせながら言った。
あんなに目を輝かされたらいらないなんて言えない…と思っていると向こうから声が
「おーい、勇者ーーその人誰だー?」
と格闘家が叫んだ。
なんていえばいいんだろ、どう説明すればいいかわからない。
「シスターだー」
取り敢えずどういう人か叫んで教えた。
そうすると格闘家が遠くでシスターに向かって一礼した。
意外と律儀なんだな、そう思っていると魔法使いが
「シスターはん、よろしゅーなーー」
と叫んだ。てかこっち来ればいいのに…あ、そうそう。なんでここにいるか聞くの忘れた。
「シスター。なぜここに?」
そうするとシスターは
「その質問を待ってました!」
と自慢げに言うのであった…。