ごくらく ごくらく
第二作目今回も詩です
気づくと僕は浮いていて、僕の抜け殻を見下ろしていたのです
その後、上の方から戻ってこーいと知らない声が聞こえてきました
僕の体は次第に浮いていくのでした
部屋の天井当たると痛いだろうなぁ手で頭を抑えていると、すり抜けました
そのままぐんぐん僕は上に行くのです
町から都市、あっ、雲で見えなくなってきた
時間が経つと、浮いていた体は突如、バサリと下に落ちました
目の前には威厳のあるヒゲをはやしたおっさん
ここは極楽浄土じゃ、いつまでもいてもいいんじゃぞー ホッホッホ
そう言って、サーっと砂のようにおっさんは消えてしまいました
まず、湯に浸かってみました
気持ちいい、はぁ、ごくらく ごくらく
まさかこんなことを言う日がくるとはねぇ
ここは最高 ここならなんでもできるんだ
誰にも文句は言われない、争いもないし、誰かに制約されることもない
水がでろ、炎が出ろって言うとホントに出ちゃうんだよ
友達もたくさんできたよ
ゆーくん まーくん ゆいちゃん みおちゃん
みんな好き勝手やって、笑っていました
ある日、ゆーくんとゆいちゃんはうつむいていました
また地上に戻りたいというのです
僕はあんなとこより、断然ここの方がいいじゃないかと
確かに楽だけど、楽しくないじゃん
二人は手に握っていた薬を飲むと、ほわわんと消えてしまいました
なんで、あんな不自由な世界に戻りたいと思うのかな!!
僕はそう吐き捨てて、まーくんとみおちゃんとその場を後にしました
そしてしばらくすると、僕は一人になっていました
この頃には理解できた、彼らの言い分が
ごくらくだけど、たのしくない
ここならなんでもできてしまうけど、不自由だからこそできないことができる快感はあっちでしか味わえないんだよな
僕は薬を口に含み、飲み込むと段々と眠くなっていてきました、久しぶりに眠るなぁ……
目が覚めると、おんぎゃあ、おんぎゃあと赤ちゃんの産声が鳴り響ている
よーし、頑張るぞー
書いてて、自分は頭おかしいのではないかと時折不安になりました