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感情は実在しているのだろうか。

 「私」の見ている世界や他者、そして自分の身体の存在すら、私たちは確信できない。ただ「私」という思考が存在していることのみを、私たちは知ることができる。

 そのような状況で、感情は本当に存在しているということができるのだろうか。





 存在していると言えるだろう。なぜなら、それは主観の「外」ではなく「内」に発生するものだからだ。感情は、たとえ「外」のものにその方向が向いていたとしても、「私」の中に発生しているものだ。「私」の存在が疑えないのと同じように、感情もまた「私」の存在の確かさを示唆するものである。

 「私」の中に存在する思考と感情は、本当は区別なんてないのかもしれない。なぜなら、どちらも私の内にあり、「私」が感じ取れるものであるからだ。例えば、ある本を好きだと思った年て、それは思考か感情か。そこに在る境界は、あったとてごく薄いものなのではなかろうか。

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