夜雨に思う
夜中に雨が降る
部屋の明かりを消して窓を開ける
街の騒音も人々の喧騒も
何もかもが静かになって
ただただ雨音が心地良い
思考は明瞭に、気持ちは穏やかに
心の中を空っぽにして
ただただ今という時に身を委ねる
ザーザーザー
雨の降る音
ピシャピシャピシャ
水溜りが跳ねる音
カンカンカン
雨樋が弾く音
雨という一つのものが色んな音を響かせる
時間の流れが遅くなり、空間に溶け込むような
そんな錯覚さえ覚える
開けた窓から夜空を見上げる
真っ暗で雲の色も分からない
だけれども、そこには確かに雨の色があって
この色は何色というのだろうか
私は、夜の雨が好きだ