事件のその後
Side 藤崎 シノブ
=数日後・大阪日本橋、谷村の事務所=
どう言う訳か事件はICPOに全て丸投げする形で事件は極秘裏に処理された。
ニュースで軽く報道されたが規制が掛かり、ネットの方も工作が入ったのかあまり騒ぎにはなってない。
東条さんのご両親にお礼を言われ、せめて何かお礼をと言われたので事件にかかわった、巻き込まれた人達と一緒に会場を借りてパーティーを開いてもらう事にした。
何のパーティーかは皆なんとなくだが分かっている感じだ。
そのパーティーの中に東条さんの姿もあった。
「今回の一件、本当にどう感謝して良いのやら――」
「まあ丸く収まったし、それに何だかんだで久しぶりに暴れられて楽しかったよ」
「変な人ですね」
「そだね……」
と、俺は苦笑する。
谷村さんはアイドルのTwinkleの天川 マリネさんに詰め寄られて事件の真相を聞き出されそうになっている。
まあ最悪暗示の魔法を使って乗り切るだろうと思ったので放置しておくことにした。
「お父さんは――AIの開発の大幅に見直して、最悪凍結する事を考えたそうです」
「そうか……まあ無理もないか」
一歩間違えれば大勢の死人が出るところだったのだ。
そう東条さんのお父さんの考えは自然だろう。
「だけど玩具の開発は続けていきたいと思っているそうです」
「そうか――」
「それと――」
「?」
「また藤崎さんに会いに行ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、まあ構わないけど――またトラブルに巻き込まれても知らないぞ?」
「構いません。藤崎さんや谷村さんみたいな人がいるのならお父さんもお母さんも許してくれるでしょう」
「そう言う理論で行くのね……」
「それに異世界のお話――興味がありますから」
「あ、まだ信じてくれてたんだ。その話」
異世界の云々の話はすっかり信じてくれたらしい。
まあ証拠は沢山見せたからな。
信じざるおえなかったと言うか何と言うか。
「ええ、私こう見えてもそう言う物語好きなんですよ」
「つっても楽しい話ばっかりじゃないぞ?」
「あ――そうですよね。ちょっと浮かれすぎちゃいました」
「まあ普通はそんなもんだって」
と言って俺は東条さんを慰める。
「確かに異世界は辛い事も多かった。だけど楽しい事も沢山あった。皆がいたから楽しかった。今ではそう思えるよ」
「そうなんですね――」
「例えば――」
などと俺と東条さんは何時しか話し込んでいく。
辛い事も多かったが楽しい事も沢山あった。
皆がいたから楽しかった。
それは嘘ではない。
何時しか俺は昔を懐かしむように語っていた。
☆
こうしてドローン事件は幕を閉じた。
かなり駆け足気味に物語が進んでアッサリと事件を解決してしまった感があるが、まあ現実はそんなもんかもしれない。
さて、次のお話は――




