93:うっかり次の街
ダンジョンの報告をしてうっかり次の街を開放する話
――いろいろあって、またセブに戻ってきたボクと泣いてた子は……墓守少年に怒られ、それから幽霊のはずのないてた子が成仏してないことについて問われて思わず首を傾げたのは多分仕方のないことだと思う。よくよく考えれば確かにそうなんだ……幽霊の願いを叶えてもまだ満足してないということなのだから
「そういえばそうだよね」
なんでだろうと思っていた、が。それは仕様なのだということを知ったのは後日の話だったりする。
「とりあえずもう泣き声が聞こえることはないよ」
『あ、うん……ありがと』
念のためと称して泣いてた子がいたはずの場所を見に行けばそこには確かに何もなくて、泣き声も消えていた。
「はぁ? ダンジョンってまじで?」
「うん。多分ダンジョン」
「それがサーディの山の中に?」
「うん。入口は知らないけど」
セブに行った後、ボクはまだログインしているカズに連絡を入れて、ダンジョンのことを言えばあるだろうとは予測してたという答えが返ってきた。
「でもあの山の中なんだろ?」
「マップではそうだったから多分だけどね」
ボクの登録済みのセーフティゾーン表記にはまだあの簡易のあれが残ってて、だけど完全に1人用の感じもあるからどのみち今はまだ触れれないというのもあったりする。
「とりあえず白鳳達に相談してみるわ……」
「多分その方が早そう」
そんな会話ですぐ別れたけど、ボクはまたフォストに戻り、海で船釣りをすることに……しようとして、前にレベル条件のことを言ってた人がまた違うことを言っていた。
『もうすぐ海底都市エイスに向かう船が出るけど乗るか?』
「……え?」
次の街が第8の街なのはわかっていたけどやっぱり海底にあるのは街だったとか、ふとそんなことを考えたけど。まぁ、断る理由もなかったボクはすぐに頷き、気が付けば海底へと進む船に1人で乗っていた。後でまたカズに連絡入れなきゃなぁ……
時間にして数分、ボクはエイスへと足を踏み入れていた。とは言ってもセーフティゾーンで登録をするだけして、すぐに帰りの船に乗ったけど。
「おじさん、エイスって名物とかあるの?」
『なんだもう戻ってきたのか。あそこは貝の加工品が有名でな、この街としかやり取りをしてないんだよ』
「なるほど……」
そんな話を聞いてからボクはその日、ログアウトをした。
最近、書くのがぎりぎり過ぎてやばいことに気付いた。
もう少し早く書き始めないといかんね!




