82:お茶を飲むために
お買い物をする話
――第7の街、セブにある魔法屋のお兄さんに茶葉について教えてもらった翌日、学校では隆和とそのことを話して今は家に帰ってきてゲームにログインをしてる時間で……
「よし、茶葉作ってみよっと」
ボクはファスタウンの作業場に来ていた。もちろん自分の力で茶葉を作ってみようと思ったからだし、お兄さんに見せてみたかったというのもあったから。そう思いながらまずまだ鮮度を保っている茶葉を乾燥させるところからボクの作業は始まった。
魔法屋のお兄さんが言うには乾燥作業は水分を同じように抜いて行くことが大事だとか。もちろん薄いところ厚いところがあるからその辺の加減もしながら……それにしても、あのお兄さんが言うほど簡単な作業ではなくて……すでに何本かは茶葉にしずらい状態になっていた。
「……とりあえずこんな感じかな……」
そんな作業を繰り返していた時、ボクのとこにメールが届いた。ただし運営から。
「なんだろ? ……詳細鑑定について?」
作業を中断させてメールを読めば、内容は前日に習得した植物鑑定の件で、要約すれば詳細鑑定はいっぱいあるから沢山見つけたらいいことあるかもよって感じだった。
「……まぁ、いいか」
結局、細かい鑑定ってそんなに必要なさそうだし、今回の植物鑑定はただ茶葉の為に必要そうだったから取っただけだし……そういえば薬草にも反応するのかな? そう思い手持ちにあった薬草を見ると何に対して効果があるかが書いてあったからやっぱりボクには必要なものだった。
――ゲームにログインをしてから2時間くらい。ちょっとだけテンションが上がってたボクは手持ちにあった茶葉のほとんどを飲む用に調合してしまっていた。まぁ、ちゃんと飲めれば問題はなさそうだけど……やっぱりどう考えてもやりすぎた感はまず間違いなくあった。
「また茶葉取りに行くの今度にするとしても……どうやって消費しようかな……」
ポットみたいなのがあればいいんだけどと思いつつ、とりあえずボクが向かったのはシクルにある商会だった。目的はポットみたいなのだけど。
『お茶を入れる為の道具ですか……』
「うん、出来れば持ち運べるのがいいんだけど」
『それではこちらはいかがでしょう。少々値の方がかかりますが』
そう言って店員さんがもってきてくれたのは、ガラス製の本体に、蓋の近くには上下が網のようになってる部分があり、どうやらそこに茶葉を入れて使うらしい。水自体は水の魔法でもいいし、食堂で入れてもらってもいいとかで……金額が350枚だったそのポットをボクは3つ購入した。
なお、前にやった美味しいお肉を食べるクエストのおかげで1つが175枚になったから多分お得だった。おまけにティーセットもくれたし。それから、2つのポットに自分で作った茶葉を入れて、もう1個のポットには魔法屋で買った茶葉の徐々に回復する効果があるのを入れた。
「これでよし」
お茶が入ったポットをアイテムボックスに入れると他の食べ物と違ってポットの中に広がるお茶の色がちゃんと濃くなってて不思議に感じるのと同時に茶葉の鮮度は落ちないのも不思議だったが、まぁゲームだしと思うことにしたのはいつも通りだった。
「あ、お湯沸かす道具も買えばよかった」
と、いうことでシクルのセーフティゾーンにいたけどすぐに商会に戻っていっぱいお買い物をしたのは言うまでもなかった。またなんか売ったりしなきゃ……
冷たいお茶も温かいお茶も好きです。きっとそのうちしぼりたてジュースも作らせそう




