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80:ちょっとだけ村始まりと茶葉のこと

うっかり村でログインしてからの話。


 ――セブで買った茶葉を本屋さんとかに渡して、たまたままた遭遇した村でまたレシピを書き写してログアウトした次の日、晩御飯前にログインをしたらまだボクは村にいた。


 「そういえば村から出てなかったっけ」

 『あぁ、戻ってきたか。ノートのメモはもう大丈夫かい?』

 「なんとなく、また遭遇しそうだからその時にまたメモする」

 『まぁそうだろうね。もっとも、君はすでに2度遭遇しているからね……ひとつ面白い話をしてあげようか』


 そう言って、言葉を続けた錬金術師さんは確かに一部の人にしたら面白いかもしれない話をしてくれた。まぁ、簡単な話、世界とワールドが繋がってたっていうだけだけど。

 とりあえずその話を聞いてからボクは村を出てマップを確認したわけだけど。


 「えっと、世界の都市がセブとして……縮尺とかよくわかんないけど村だったとこがファスタウンとしたら……じゃあサーディらへんにダンジョンあるのかな……」


 村の錬金術師さんが言っていたのは、ワールドのセブと世界の都市が同じかもしれないという話で、世界の村位置は正直ファスタウンかセカンのどっちかな気もしてるから割と適当だけどそれでもどのみち、世界の時に教えてもらった方向で考えるとやっぱりサーディもとい山の方にダンジョンがあったという風に見てもいいかもしれない……なんて、考えてみたけど


 「まぁ、もしホントにあったとしてもボクには行けないかな」


 そんなことを考えながらセブに移動してまた魔法屋に顔を出せばお兄さんは浮かべかけていた愛想笑いをやめていた。


 『また来たのか』

 「多分住人以外だとここにこれるのボク入れて3人くらいだよ?」

 『……それで、今日は何を買いに来たんだ?』

 「買いに来たっていうか、自分で茶葉調合したいなって」

 『だろうなとは思ってたけどよ……』


 そう言いながらも魔法屋のお兄さんは茶葉が生えてるところを教えてくれた。それは、セブから見て東の方向にあり、自生しているものだからどんな効果がある茶葉かはわからないとか、たまに毒のような効果を持つ茶葉もあることを教えてくれた。


 『茶葉を摘んだらここに持ってくればいい。茶葉の鑑定は普通の鑑定じゃ意味がないからな』

 「わかった」


 と、いうことで。せっかくだからさっそくお兄さんに教えてもらった茶葉を取りにセブの外に出たわけだけど。


 「なるほど、これは確かに意味がない」


 そう、普通の鑑定をしてみると、その名称は茶葉で統一されていて、効果もいまいちわからないような感じだったから結局は適当に採取することしかボクにはできず、ぶちぶちと採取を続けたら茶葉は小さめの籠がいっぱいになるくらいには取れたと思う。

 ただ、このまますぐ魔法屋に行くのもなんとなく癪だったからボクはとりあえずセブの探検の続きをまた再開するのだった。


鑑定したら茶葉ですとしか出てこなかったら嫌だなとは思っただけでもある。

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