75:あらためて3人で川の向こうへ
合言葉は3人でしか行けない理由とか
――ファイのある川の向こう側に行ってみたら白鳳にやっぱり怒られつつ、とりあえずファイで集合することになった。そしてある意味ちょうどいいとも言えるいつもの3人のうち、唐ヶが珍しくまだログインしていないという状況だった。
「あ、カズ、白鳳」
「それで? 説明してくれるんだろ?」
「つーか、学校でもその辺の話はしてなかっただろ?」
「ん-?」
シクルの時は偶然の結果だったからあれだったし、今回は噂を聞いて本にヒントがあったからと言えば2人は対極的な表情をしていた。まぁ、白鳳が疲れたような顔で、カズが納得顔だっただけだけど。
「まぁ、その辺のネタバレは確かに先にプレイしてた身からすれば悔しいけどさ……」
「なら白鳳が別の方法も見つければいい話ってことだろ。それで、どっから行くんだ?」
「地下採掘施設からだよ」
そもそも、ボクもまだセブまで行ってないし。早く行ってみたいというのもあるからカズと一緒にいろいろと渋っている白鳳を急かしていた。
地下採掘施設の受付さんはまさか同じ日に合言葉を使いに来るとは思ってなかったのか、合言葉を使った後に何とも言えない笑顔を浮かべていたけど、説明自体は最初に使った時と同じようなことを言っていた。
『そうそう、3人目がエレベーター側の入口を通過したらすぐに壁が閉じるから気を付けてね』
「通過したらなら、締め出されることはないんだね」
『どういえばいいんだろうな……エレベーター自体が1人乗りだからね、鍵を開ける人が乗って開けて壁を通過して1と数えて、2人目からはエレベーターを通り過ぎた時点でカウントされ、3人目がエレベーターに乗った時点で壁が閉じてくる感じかな』
「あ、じゃあ下手すればエレベーターに取り残されちゃうってこと?」
『そうだね。だから気を付けてね』
そう、説明を追加されてたけど、多分そこまで急に閉まることはないとボクは思っていて、とりあえず受付さんのところからはその話が終わってから離れて、ボクが先頭になって目的のエレベーターへと向かうことに。
「そういえば白鳳、合言葉はちゃんと確認した人しか使えないんだって」
「あー、まぁだろうとは思ってたけど……唐ヶのことどうするかな……」
「セブに行くにはいくつか方法があるらしいから頑張ればいいんじゃない? 本読む人だったら本屋さんで歴史書もどき読ませてもらってもいいと思うけど」
歴史書もどきがとても読みにくい本だとついでに言えば白鳳はとても嫌そうな顔をしていたけど、同じ作家の本はエログロだとも言えばため息をついて、本屋さんに行くことも考えに入れたらしい。
「というかエログロってどの程度なんだ?」
「知らない」
「あー……だろうな」
そんな会話をして、目的のエレベーターについてまずボクから中へと入り、1回やった鍵開けの行動をもう一度やり、開いた壁を通るとカズ、白鳳の順番で同じように壁を通り……そして壁は白鳳が通り過ぎるのとほぼ同時に閉じた。
「……意外と、早かったね……」
「これは確かに3人が限度だな……」
そんな風に感想を言って、ただ薄暗いだけの一本道をのんびりと話しながら歩いていれば少しずつ遠くの方に光が見えてきて、カズと白鳳はいつでも戦闘できるように武器を用意していてさすがだと思ったボクはまだこういうのに不慣れなのかもしれない。まぁ、ただ単にさっきは何も出てこなかったからなんだけど……
そして、地上へ出た瞬間、ボクの横を大剣が通り過ぎていった。
「わー……」
「ヒカタは少しくらいは警戒をした方がいいと思うけど?」
そう言われて剣が飛んで行った方を見るとケモノの顔に深く投げられたらしい大剣が突き刺さっていた。
「やっぱりカズ達のレベルが高いから襲ってくるのかな……」
「そういう問題……なのかはわかんないが、地上に出た瞬間にこういうのが来たらやっぱりやばいな……」
「油断大敵ってやつだね」
「そうだけど……一番油断してたのには言われたくないなぁ……」
そんなやりとりをしつつ襲ってくるケモノをあっさりと倒してる白鳳とカズはやっぱり強いなって思いつつ、セブが見えないか辺りを見回してみるのは正確な方向までは確認してなかったからだったりするのは2人にばれてなきゃいいけど。
なお、しばらくは唐ヶだけセブまで行けないまであり、白鳳が頑張って合言葉を探すまでがワンセット




