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6:ファスタウンの探検

街を歩き回るのってゲームによっては楽しいので。


 ――隆和もといカズとフレンドになって、軽く街と周辺を回った後、カズは別のフレンドに呼ばれたからと遠い街に行くためにその日は解散して。ボクはいろいろと情報過多状態にあったからすぐに落ちてから翌日。ボクは1人、ファスタウンを探検していた。


 「とりあえず、覚えれること出来なくなっても困るから新しい本を探さなきゃ」


 ボクの持つ本、緋の本はどうやらカバーが緋色というだけのただの白紙の本みたいで、本の色に関しては完全にランダムでもらえるらしい。ちなみにページ数は50ページ。そして今現在、使用済みのページが32ページだから……本が手に入らなかったら覚えること厳選しなきゃいけない感じにはあった。


 「えっと、これが冒険者紹介所で、こっちが神殿で……」


 マップ用の小さなモニターを確認しながら右に左にと彷徨いながらマップを埋めていく。というか、このゲームだとマップ用のモニターには建物の位置とかはわかるような感じになっているけど、その場所に一度でも近づかないとその建物が何の建物なのかがわからないタイプみたいで、ボクのマップに明確な名称が書かれているのがまだ数件だけだった。


 「うん。めんどうだけどこの作業は嫌いじゃない」


 確かこういうのをマッピングって言うんだっけ? そんなことを考えながら今は冒険者紹介所の周辺を歩いていて、この辺りにはボクの目的の場所がないということだけはわかった。それにこのマップ埋めも一応経験値稼ぎになるみたいだし、次の街に進むのもこの街のマップを埋めてからでも遅くないもんね。


 「……ん? ここって何するとこだろ?」


 ボクが気になったのは、冒険者紹介所の横にある何もない広場の向かいにある大きな施設で、どうやら明確な名称のある施設に関しては情報を得るか、建物の中に入らないとマップに名称がつかないみたいで、紹介所とか神殿の名称がついてるのは多分カズに教えてもらったからなんだろうな……現に、広場の方はちょっと入ってみて広場という名称がついていたからそういうことなんだと思う……


 で、広場の向かいにある施設の正体は物理職用の訓練施設だった。


 『ここは訓練所だが、あぁ、錬金術師はここじゃ訓練が出来ないが……見学してくか?』

 「見学してもいいんですか?」

 『おう、いろいろと参考になることもあるだろうからな』


 そう訓練所の人が教えてくれて、それからどういうものがあって、どういうことを訓練するのかを教えてくれた。で、よくよく聞けば錬金術師は別の街に研究所とかがあるとかで、魔法職用の訓練所も多分あるんだろうなとは想像もついた。


 それから、訓練所を出た後向かうのは西の方向で、この街の南門のすぐ東側には衛兵の詰め所があるということは昨日見たから知ってるし、その向こう側にまだ行ってないから今日はそのあたりまで見るつもりで探検していて……一番角に目的のお店を見つけるとは思わなかったんだ……


 「本屋さん!」


 大きな道路沿いには石造りの建物が多い街の中で、そのお店は綺麗な木造の店舗になっていて、本屋だとわかったのも窓からも開け放たれた扉からも見える本の山があったからで、それに、本の絵が描かれた看板も風に揺れていた。


 『いらっしゃい……』


 本の山の奥の方、そこには座ったままボクの方を睨む1人の老人がいた。多分というか間違いなくこの老人がこの本屋さんの店主だと思う。

 ヒゲはないし、ハゲてもない綺麗な白髪の老人は、手元の新聞みたいな感じの紙を広げたままボクの様子を見ているようで、ボクは、偶然とは言え、ようやく見つけた目的地へと一歩足を踏み入れた。


 ――その瞬間、ぽーんという軽い音と共に今まで出てきたことのなかったモニターが視界の隅に出てきて、そこには……


 《クエスト:古書の解読が発見されました。受注しますか?》


 このゲームにおいて、冒険者紹介所で受けるお仕事をプレイヤー達は勝手にクエストと呼んでいるらしいけど、公式的には冒険者のお仕事が正式名称で、クエストはたまに見つかるものという認識がホントのところらしい。で、今ボクの目の前にはそのクエストがあり、多分この本屋さんに入ることで出てきたものだとボクは予想を立てながらも、面白そうだからそのクエストを受けた。


 ……その結果、ボクのアイテムボックスの中にはいろんな本が大量に増えることになり、その分新しく出来ることが増えたり、新しく覚える為の白紙が増えたり、それからいろんな本の中身を整理するスキルというものを覚えれたりしたのだからボクにはいいクエストだったんだと思う。


 とりあえずこの街、ファスタウンの探検は本屋さんを見つけてから数日後に完了して、ボクはリアルでしか最近は会っていないフレンドのカズに連絡を入れるのだった。


クエストを発見されました表記にしましたが、陽葵が受けたクエスト自体はすでにゲーム内では認識されてるものではあります。ただし誰でも受けられるものではない。

一応各街に本屋さんはある予定です。本屋さんはある意味で武器屋なので!

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