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53:みんなで船釣り討伐クエスト

船釣りをしながら討伐クエをする話!


 ――討伐? のクエストを受けて数日後、またカズ達とフォストで船釣りをしていた。なお、実際に釣りをしてるのはボクと近距離タイプのカズだけで、白鳳と唐ヶは釣り竿を垂らしてるだけの状態でアクアドラクが出てくるのを待っていた。


 「そういえばカズ、そのフレイムコートにアクアドラクの皮を裏に付けたら【リバーシブル】って機能が増えたよ」

 「あ、まじで? ……ホントだ。なるほど、名称自体は変わらないけどフレイムコートのままだと耐火防水防寒効果、ひっくり返せば耐水防暑効果……いや普通にすげぇな」

 「そもそも気温効果あるのか知らないけど」

 「今のところは確認されてないな。まぁ、でもどうせ第7街以降にあるんじゃないか?」


 そんな感じに話しながら釣りをしていれば、5回に1回くらいでアクアドラクが現れて、そしてあっという間に白鳳達が倒すのを繰り返して大体6回目。カズが戦いたいと言って1回だけ船が転覆したのはまぁ、ぎりぎり問題はなかった。


 「せっかく釣れた魚が逃げたらどうするつもりだったのさ。アイテムボックスに入れてたけど」

 「いや、悪かったって……」

 「というかヒカタ、しばらく海の底の方を見てたけどどうした?」

 「ん-、いや、なんか海も下の方にいくほど暗くなるって聞いてたのに思ってたより明るいなって思って」


 そう、思ってたより明るかったのだ。海底が。

 まぁ、もっとも、その明るさは一定ではなかったし、すごく明るいというほどでもない。


 ――ただ、そこにあったのは吸い込まれそうなほどの暗闇ではなかったんだ……――


 「ま、いいか。それにしても釣れなくなってきたなぁ……」

 「やっぱりカズが暴れたからか?」


 なんとなくだけど、アクアドラクの出現には釣果が影響してそうな気がしていたりもする。だからと言って白鳳達が釣りに本格参戦したからと言って影響があるかどうかは……多分もっとひどくなりそうだし。そもそも前に4人で船釣りをしたときは出てこなかったんだからそういうことなんだろう。


 そう、思いながらボクはまた釣り糸を垂らし、アクアドラクの出現を大人しく待つのだった。……というか、このクエストの完了を先延ばしにするのもなんかしっくりとこないだけなんだけど


 「……あ、食べれる魚」

 「その言い方だとうまくはないのか」

 「ボクは好きじゃない。でも売ったらいいお値段にはなってたよ」


 その魚は一応実在する魚とは近しい姿をしてはいる。ただ、ものによっては味が物足りなかったりするからその辺は兄ちゃんの同僚さんの仕事な気もしている。


 「なぁヒカタ。釣りが終わったら釣った魚の調理頼んでもいいか? 完成品はメールで送ってくれ」

 「それは全然いいよ。あ、れ? この感じ……複数かな」


 それは魚的意味とアクアドラク的意味で。もちろん3人とも反応してるんだけど。


 「アクアドラクは4体。で、ヒカタがヒットしてる魚って……なんかでかいな」

 「ボクこっちに集中する……ていうかカズヘルプ」

 「あ、シンプルに力が足りないのか。そっちは任せたからな」


 小さく狭い船の上で釣り的意味の戦い中のボクとそのヘルプのカズ、それから4体のアクアドラクの相手をすることになった白鳳と唐ヶが船を揺らさないように気を付けながらもしっかり急所を狙ってるのはさすがとも言えた。


 「こいつは大物だな……っ」

 「さすがに重たい……これ、アイテムボックスに入るかな……」


 今までの魚は入ってたんだから入るとは思うけど。しなる釣り竿を眺めながらタイミングを合わせて引きあげてを繰り返して……その魚が釣りあがる頃には4体いたアクアドラクも倒し切っていたのは言うまでもなかった。


 なお、ずっと格闘していた相手の大きな魚はほぼマグロだった。(見た目も味も)


海底はフラグである。

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