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50:作ったり、解読したり。

素材を提供されてアイテムを作ったり、本屋さんと解読をする話!


 ――隆和にコートを作ったことを教えたり、兄ちゃんがはーくん達を連れて帰ってきたりした日、ボクは寝る前にいつものようにゲームにログインをした。


 「あれ、カズからメール……」


 そこにはドラク革とマンド繊維が添えつけられていて。メッセージにはこれでコレクションボックスを作ってくれということだった。とりあえず今日は船釣りをするつもりはないし、寝るまではそこまで時間もない……そもそも昨日ログアウトしたのもファスタウンだったから……


 「よし、作業場に行こうかな」


 せっかくカズから素材を送られてきたというのもあるし、数的に多少の失敗をしても問題はなさそうだから時間のことも考えてさっそく行動を開始した訳で……作業場の一室でレシピ通りに作業をした結果。それはちゃんと形になった。


 「えっと、コレクションボックス……うん、間違ってないな」


 カズから送られてきた素材はそれぞれ10個ずつ、それからボクが作ることが出来たコレクションボックスが全部で7つだった。


 「えっと、コレクションボックスできましたっと……あ、7つ出来たって追記しなきゃ」


 メッセージをカズに送り、そのメッセージの中には本屋さんに完成品を見せてもいいかという問いも入れたのはせっかく思いのほか早く作ることができたから完成品を見せたかったからというのもあって……返信には見せるだけならいいという答えが書いてあった。だからボクはすぐに本屋さんに行き、出来たものを店主さんに見せると……


 『ホントに作ったのか……』

 「素材は友達が送ってくれたものだから全部友達に渡すものだけどね」


 店主さんはじっくりと観察するようにボクが作ったコレクションボックスを眺め、それからちゃんと返してくれた。


 『これなら普通に売ることも可能だろ。まぁ、おまえさんはしなさそうだけどな』


 それから、店主さんはレシピの方で少しだけ解読できたことを教えてくれたからその部分を聞きながら一緒に解読作業をしてみて……


 「えっと、これが毒消し秘薬のレシピで、こっちが満腹薬のレシピかぁ……」

 『あぁ、それからこっちが魚肉饅頭のレシピだな。……おまえさんに使えるものはあるか?』

 「一応全部やろうと思えばできそう。さすがに素材はないけど」


 そう、3つのレシピが完全に解読できたのだった。ボクのほうが時間切れだったけど、半分くらい解読が終わってるのがもう2つあるから順調と言えば順調だけど。もともと貰って来たレシピの数を考えるとまだまだ足りない……


 「ま、慌てる必要はないのか」

 『まぁそうだな。もともとこのレシピは失われてたわけだし、なかった時期もだいぶ長いからな』


 確かにあれば便利なものなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。そもそもまだどんなアイテムについて書いてあるのかわかんないからね。それに……


 「そういえば店主さん。他の人ってレシピ貰いに来たの?」

 『あぁ? あー、そうだな。薄気味悪い奴や胡散臭い奴は断ったがな』

 「じゃあそのうちその人達も解読してくれるか。じゃあボクそろそろ行くね」

 『おう、いつでも来い』


 《住人の好感度が一定値に達しました。スキル:解読が開放されました。取得しますか》


 ……とりあえず、解読ってスキルもあるのかと思いながら少しだけ余裕があったから取得したのは言うまでもなく。そのおかげで解読が進むのは多分いいことだと思う。

 ていうか、店主さんからの好感度、あがってたのは気付かなかったなぁ……


 「白鳳に解読のスキルが好感度で出てきたよってメールしとこっと」


住人好感度で取得した解読は視界の隅っこにこれまで解読した文字が記録されて行って、自分だけが見ることのできる辞書みたいなスキルである。

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