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45:村での出来事とその後

村でクエストをこなしつつレシピにうはうはする話!


 ――いろいろとクエストを受けていろいろあった結果、いろいろあってボクが世界にあったはずの村と遭遇したのだった。そして、村で目的の人物であると思われる錬金術師に対面して……



 『久しぶりだね、少年』

 「うん。あ、これお手紙」

 『へぇ、あの子からか……大きくなったんだろうな』

 「そうだね、あなたが知ってる時が何歳くらいか知らないけど、普通におじさんだった」


 セカンの訓練所で錬金術師の先生から頼まれてた手紙を渡せば村の錬金術師は笑いながら手紙を読み進めていた。まぁ、そこで手紙を渡すクエストは終わってたけど……ボクの目線の先にはいろいろと難しそうな本があって……


 「錬金術師さん、そこの本読んでもいーい?」

 『あぁ、君なら問題ないよ』

 「ありがと」


 錬金術師はそう返してまた手紙に視線を落としていたし、ボクはさっそく本を1冊本棚から引き抜き、近くに会った机を借りて本を開けばそこには……


 《クエスト:(いにしえ)への手紙がクリアされました。また、クエスト:失われたレシピ探しがクリアされました。それによりクエスト:(いにしえ)の記憶が発見されました。こちらは自動受注となります》


 本とボクの間にそんなモニターが出てきたということでその読めない本のページが【コレクションボックス】のレシピだということが確定して……ボクはそのままページを書き写した。

 まぁ、書かれている文字はどうあがいても読めないけどね


 『それの読み方、教えようか?』

 「あれ、手紙の方はもういいの?」

 『あぁ。後でじっくりと読むからね』


 そう言った錬金術師にボクはじゃあという感じで本に書かれている文字について軽く教えてもらった。その文字は今で言えば【(いにしえ)文字】というもので、実はこの人が村に来る前から存在するものだとか。翻訳されたレシピが昔にあった戦火で焼失しちゃったとか。そういうこともついでに聞いた。


 「なるほど、ここが革って文字になるんだね」

 『そうだよ。そしてこっちが繊維となる』

 「そっか、“ドラク革にマンド繊維を縫い付け、風と水で覆う”ことでコレクションボックスの外皮になるんだね」


 ひとまずコレクションボックスのレシピだけ翻訳しながら教えてもらってるけど……正直、他のページのレシピはどんなアイテムのレシピなのか気になるくらいにはボクは夢中になっていた。とはいえ、多分そろそろ村から出ないといけない気もするけど。


 『これでこのレシピは全部読めるね?』

 「うん、ありがと。あとは本屋の店主さんとかと解読してみる」

 『あぁ、彼なら大丈夫だろう。あと、この手紙の送り主もね。っと、ついでに返信を届けてくれるかい?』

 「それくらいなら」


 手紙の返信に返しては特にクエストは起こらなかったけど、それでもとりあえずログアウトをする前にはセカンの訓練所の先生に手紙を届けてあげようとは思ったのもまた事実だった。


 まぁ、村から出た瞬間に目の前にケモノがいるとは思わなかったけど


 「確かフレイムボアだっけ……火属性なら水でいいかな」


 赤く燃える毛皮を纏っているそのイノシシは倒されると一瞬で焼肉が出来上がるらしい。もっとも、上手に倒せることができたらいろんな部位が取れるみたいだけどその挑戦はまた今度……と、思ってたら……


 「思いのほかできるもんだなぁ……」


 以前に作った水属性のナイフで戦ったら偶然急所に入ったらしく、うまく倒せていた。ついでにドロップした部位は全部アイテムボックスの中に入っていて、確かにいくつかはボクが使えそうなものもあったりした。


 「へぇ、革屋さんに見せてみようかな」


 そんな感じでとりあえず現在地であるセカンとファスタウンの間からセカンの方へ移動して、手紙を訓練所の先生に届けるために忘れ物がないか確認してからボクはまた歩き出したのだった。


村でクエストをクリアして、レシピでうはうはして、1人で戦う話でした。

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