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32:本関係と鍛冶関係

本を作ったり、革屋に行ったり、鍛冶をしようとしたりする話


 ――釣りのスキルを覚えて、採掘の依頼をしたその後、ボクはファスタウンにある作業場で料理を作るついでに製本もしたから本屋さんの店主にまた作った本を見せるために本屋さんを訪れていた。


 『ほう、前よりもよくなってるな』

 「とりあえず今回は初心者用の一式でやってみた」

 『そうだな。次は本に使う皮は工房近くにある革屋で買うといい』

 「革屋……うん、今度行ってみます」


 料理を作ることと製本したものを見せることを無事に終わらせて、ついでだからボクは本屋さんの店主が言っていた革屋とその近くにある工房の方を覗いてみることにしたのだった。



 ファスタウンの工房と革屋は作業場の北側で、革屋の北側には鍛冶屋があって、そっちは鍛冶屋とは称されてるけど鍛冶場がついてない武器を売ってる場所らしい。鍛冶屋の東側にはそこから卸されてる防具が売られてる場所になってるとは本屋さんの店主に教えてもらった情報だった。


 「鍛冶場ついてないのに鍛冶屋……」

 『武器屋にならなかったのは店が出来たときは小さい鍛冶場がついてたからというのと武器も防具も売ってたからその名残だな』

 「そっかー」


 確かそんな風に言ってた気がする。


 「こんにちは」

 『はい、いらっしゃいませ。どのような品をお求めに?』

 「えっと、本の表紙に使いたいんですけど……」

 『それならこの辺りがおすすめですね。そういえばお客さんは冒険者ですよね?』

 「一応紹介所には登録してます」


 革屋にはお姉さんが1人いて、その人がこのお店をやりくりしてるみたいで、お姉さんがボクに冒険者か確認したのはケモノの毛皮とかがあれば売って欲しいかららしい


 「いいですよ。でも、ボクそんなに持ってないですけど大丈夫?」

 『はい。あ、もちろんこちらで取り扱うことが出来ないものは買えないんですけどね』

 「じゃあとりあえず出します」


 正直、どれが使えるもので、どれが使えないものかわからないし、ボクはアイテムボックスから皮と表記されてるアイテムを1個ずつ、順番に出していく。その度にお姉さんは右に左にと降り分けていった


 『どれもいい状態ですね。あ、こちらに分けたのはここでは取り扱えないのでお返しします』

 「はい。えっと、皮ってこのツルツルなのも使えるんですね」

 『えぇ、この爬虫類系の皮は加工して防具にも使用できるわ』

 「防具……」


 そういえばボクの装備ってよく考えたらこの前買ったエプロン以外はずっとゲームを始めた時に貰った装備だっけ……それからボクはお姉さんに防具についていろいろと話を聞いて、やっぱりある程度になったら装備を変えていくのが当たり前だと改めて実感したのだった。


 『まぁ……初心者装備に布のシャツでサーディまで……各街に武防具を売ってるお店があるから確認したほうがいいと思うわ』

 「もともとあまり戦ってないから気にしてなかったです」

 『そういうものなのかもしれないわね』


 そんなやりとりの後にボクは無事に本に使える革も買え、アイテムボックスの中にあった使いどころのわからなかったものも減り、とてもホクホクになって次の目的地である工房へと向かうのだった。



 ――工房は、サーディにある鍛冶場によく似た形をしているけどあそこよりは大きく、煙突からモクモクと煙がのぼり、現在進行形で動いている場所なのだとよくわかるところだった。


 「こんにちはー?」

 『おう、ここは鍛冶持ちや加工持ちが利用可能な工房だ。ここに来たということは対応するスキルを持ってるんだな?』

 「えっと、はい。あとサーディの鍛冶場でオススメされ……」

 『サーディの鍛冶場だと……? なるほど、なら歓迎しないとな』


 ボクが今話してた相手がこの工房の責任者で、サーディの鍛冶場で修行をしてた人だと知るのは少し後のことだけど、とりあえずこの人が言うには、ここは一定の金額を払えばプレイヤーも自由に利用することが出来る施設で、作業場みたいに紹介が必要というわけではないらしい。

 ただし、サーディの鍛冶場のときみたいに教えてもらうということは出来ないみたいだけど。


 「ちょっと1人でもちゃんとできるか試してみようかな……」

 『それがいい。個人でも使える炉ならどれを使ってもいいからな』


 そう言われて、工房の中を軽く見回せば近くに誰もいない小さめの炉や中くらいの炉に矢印みたいなものが見え、人がいる炉や大きな炉にはその矢印がなく、多分それが利用可能な印なんだという認識でいいと思いながら隅の方にある矢印のついた炉に向かえば、炉の前にモニターが出てきて、お金を要求する旨が書かれていた。その枚数は3枚。ついでにその炉に向かう前に通り過ぎた大きな炉には有料コインを要求する旨が書かれてるモニターがちらっと出たからそういうことなのだろう。


 「えっと、石は……」


 鍛冶場ではカズにあげる剣に玉鋼を1つ、お鍋とかに鉄が3つ、銅が7つを使ったから……残りは玉鋼が2つ、鉄が15、銅が14かぁ……あとは属性の石が全部。


 「……よし」


 ボク自身が使うかわからないけど、小型のナイフに水精石を使ってみようと決め、さっそく小型のナイフを作る作業に入るのだった。


有料コインを持ってたら大きな窯にも目印が付きます。なお、大きな窯で作った場合、ちょっとだけ効果がプラスされるだけである。有料コイン自体はちょっとだけいいものが買えるだけ。なお、ガチャはない。


革屋のお姉さんは元々、婚約者と2人で営業をしていたけどとある事情で1人になってしまったという裏設定。多分表にはでない。そして工房の人はサーディの鍛冶場の長男さんの兄弟子である。

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