25:第6の街には行かないで第3の街に行く話。ついでによそでやってるPVP
第3の街に向かう話!
――カズ達とセカンの森に行って、道を間違った結果第6の街【シクル】についてから数日後。その間、ボクは元々受けていた収穫物を届けたり、マップを埋めたりして……
「カズ、マップ埋まったから次の街に行きたい」
「急に呼び出すから何かと思ったら……いいけど、シクルはいいのか?」
「順番、大事」
シクルはあくまでずっと先の街だから。それに、それぞれの街にも順番を示すように番号がついてるならその順にマップを埋めたいのもボクとしてはホントのところで。
「じゃあ行くか」
「うん」
それから、ボクとカズは道中むかってくる敵を倒したり、ゲーム内外の話をしたり、向かってくる人をカズが倒したりして何の問題もなく第3の街である【サーディ】へと繋がる橋が見えてきたのはセカンを出発してから数時間後のことだった。
「やっぱ予定より時間がかかったな……」
「あ、そうなんだ? でもカズはやっぱり強いね」
「まぁ慣れてるからなぁ……ほら、さっさとサーディに入ってセーフティゾーンを登録しとけ」
「うん」
大きな橋のかかる川は山の上から流れてきていて、カズが言うには一応いろんな魚が泳いでいるらしい。食用であれ、毒持ちであれだけど。
「わぁ……おっきい木」
サーディの街に入って、まず目線に入ったのが正門の正面に見える大きな木で、それがこの街のセーフティゾーンだということはすぐに納得できた。だいぶ前にカズからこの街のセーフティゾーンが大樹だって聞いてたからだけど。
「明かりのない夜にこの大樹に来るとまぁ綺麗な光景が見れるぞ」
「ふぅん? あ、カズあっちは山?」
「もちろん山だ。一応あの山の中は鉱脈になってるらしい。だからあの辺はそれ関係の店が多い」
「そっかー、山の中って戦闘あるの?」
「セカンの森みたいな感じと思っておけ」
「わかった」
それから、釣り関係の施設は街の南西にあって、釣りは特にスキルがなくても出来なくはないということを聞いてからカズと別れたけど、その時、カズがまた対人戦をしていたことを当然ボクは気付いていなかった。
「……さて、と。まずは大通りを埋めようかな」
そんな感じでボクのサーディでのマップ埋めが始まった訳で、その過程でいつかにカズに言われたことを思い出すのは些細な事だと思う。
――サーディに繋がる大橋の前、そこで行われているのは……
「おいおい、なんでここに狂犬がいるんだよ!?」
「なんかフレンドをずっと付け狙われてたらしいよ? んで、ちょっと狩りやってるんだって」
「あー……」
1対複数によるPVPで、それを見ているのは関係のないプレイヤー達という状態で。もちろん1の方がカズであり、複数の方がPKなのは当然と言えば当然であった。
「やっぱ狂戦士のスキルって対人向けだよなぁ」
「恐ろしいところはそのスキルがほぼパッシブ系なことだと思う」
「自動で最適解を出してくもんなぁ……お、最後の1人もデスったか」
そんなPVPが終わったのは、ヒカタが軽い探検を終え、ログアウトをしてから2時間後のことだった……
なお、サーディに向かってる途中でカズが対人戦ってるときにヒカタは早く終わらないかとちょっと離れたとこで見学をしています。なお、この対人戦のせいで本来セカンからサーディ間にかかる時間の倍くらいは時間がかかってるという。




