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1:ひとまずのキャラメイク

キャラメイクをする話


 ――ゲームをプレイするのが少しだけ古い機種のVR用のゴーグルだったボクの場合、新規のID登録はパソコンの方でしなきゃいけないみたいだったので、登録をすれば画面には対応機種でのプレイを開始してくださいという文言が出てきた。


 「……よし、これでいいのかな」


 ゴーグルを装着して、視界内にあるゲームアイコンをクリックすれば、そこに広がるのはどこか衣裳部屋を思わせるような空間で、ボクの目の前には全体の色味が言うならば白と想定させる不思議な雰囲気を持つ存在が立っていた。


 『ようこそ【five to world】へ……私はナビゲーター、只今よりもう一人のあなたの作成を行います。それではプレイヤー名を登録してください』


 ナビゲーターを自称したその存在がそう言うとボクとナビゲーターの間に薄いモニターが現れ、そこには名前を記入するところとメインジョブ、サブジョブを選ぶところ、それからHP・MP・攻撃力・防御力・魔力・運・速度というまっさらなステータスと200という数字が書かれていた。


 とりあえずまずは自分の名前……というよりもゲームで呼ばれたりする名前を入力することにして……ボクは少しだけ迷った。ゲームでの名前、どうしよ……もともと何かに名前をつけるという行為をしてこなかったボクにとって名称を考えるという行動がどうしても慣れていなく……じっとボクの方を見ているナビゲーターの前でボクはうんうんと悩み、そっと入力した名称は“ヒカタ”だった。


 「えっと、ジョブってなんですか……」


 正直、ナビゲーターが答えてくれるとは思ってないけどそう聞いてみると、その存在は躊躇いもなく答えてくれた。


 『ジョブとはプレイヤーが選ぶ職業です。メインは主力として、サブはそのサポートと考えるといいでしょう』

 「ありがとございます。じゃあメインは戦えそうなのにしとこ……」


 ボクは気付いていなかった。ナビゲーターが驚いた表情をしていたことに……もっとも、ボクにはそれよりもジョブを選ぶという任務があったから仕方がなかったのだけど。


 「物理系は……無理そうだから、魔法……も微妙だし……あ、錬金術師?」


 錬金はゲーム的にはものを新しく生み出したり、金属を作ったりするジョブらしい。一応戦闘にも使えると言えば使える感じみたいで、そこまで戦闘をする気のないボクはその錬金術師をメインジョブに設定させた。

 次にサブジョブを選ぶわけだけど……


 「カジ……ってどうしてカタカナ表記なんですか?」

 『作成者の言葉遊びです』


 ナビゲーター曰く鍛冶ととらえるなら鍛冶師だし、家事ととらえるなら家事手伝いということらしい。そしてまた、サブのジョブにはそういう言葉遊びが多いんだとか。


 「うん、メインは錬金術師、サブはカジでよしっと……次はステータス……この200で振り分けるのかな……」

 『初期のステータスとなりますので自分のジョブを基準に振り分けるといいと思います』

 「あの、錬金術師というのは魔力が必要?」

 『MPの消費はあります。ですが、魔力によって攻撃力があがるというものでもありません』

 「じゃあレベルがあがったらステータスって自分でまた振ることになるの?」

 『いいえ、レベルアップ時のステータス振りはおまかせを選ぶことで自動振りをすることも可能です』

 「そっか。じゃあその設定もしとかないと……」


 それからご飯までの時間、ボクはもそもそとステータス振りと細かい設定をしてできあがったステータスは


 ――・名前:ヒカタ

   ・メイン:錬金術師

   ・サブ:カジ


   ・HP:70/70

   ・MP:85/85

   ・攻:10

   ・防:10

   ・魔:10

   ・速:5

   ・運:10


 こんな感じになった。それからアバターの設定もしなきゃいけないらしく、迷った末、身長はリアルくらいに、髪色を薄灰色に、瞳を琥珀色に変えて、装備を最適化するというボタンを押せばボクのアバターが身にまとったのは白いシャツに紺色のエプロン、緑色のハーフパンツに灰色のブーツ、あと黒い指ぬき手袋がボクの装備で、腰には茶色いベルトに巻かれた赤い表紙の本がついていて、どうやらこれがボクの武器らしい。


 ――装備一覧

  ・【耐火のゴーグル(現在非表示)】

  ・【防水のエプロン】

  ・【布のシャツ】

  ・【初心者のベルト(緋の本装備中)】

  ・【初心者のズボン】

  ・【防水のブーツ】

  ・【耐火のグローブ】


 『アバターの設定も完了しました。それではさっそくプレイを開始しますか?』

 「あ、ご飯の時間なので落ちたいんですけど」

 『それではシステムに接続をしてセーブをします。ログアウトをしないでください……はい、完了しましたので次回のログインですぐに世界への接続が開始されます。それではお疲れさまでした』


 ナビゲーターがそういうとボクの視界は暗転、ログアウトしましたという表示が出てきたのだった。

 ……とりあえずこれでキャラメイクは終わったのかな……? ボクは首を傾げながらゴーグルを外し、聞こえてくる婆ちゃんの声を聴きながら居間へと向かうのだった。


とりあえずここまでは連日更新で、次回からだいたい金曜日更新の予定!

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