第21話
策士
まだ許しを得てはいないが、リンをハーレムの一員に加えたヒデト一行。
朝から、セバスチャンに見回りという体で別荘付近の魔物狩りに出かけていた。
幸い、ギルバート達も同行するかと思ったが、なんとなく雰囲気が変わっていたからだろうか、察してくれたらしい。
実際は、リンを加え新しい形となったハーレムの一新を図り、
新たに三人にきちんとスキルや戦闘の仕方などを教えることにしたのだ。
ヒデトが一人ずつミク、アキ、リン、にそれぞれのスキルについてを解説していく。
「リンも入ったことだし、前回二人には一応説明したんだが、
ここでもう一度きちんと戦闘やスキルについて説明しておこうと思うんだ。
後でその実践もかねて、結構強いモンスターを一人で倒してもらおうと思ってるんだが大丈夫か?」
「まあ、何かあっても守ってくれるなら大丈夫!」
「そ、そうですね!」
「そうね、私も自分で自分の身は守れるようにならないとね。」
「そうだ、リンの言う通り、自分のみは極力自分で守れるようになってほしい。
現状は、俺がパーフェクトキューブを貼ったりして、全く無傷ではあるが、
いざというとき、動けられなかったら危険だ。
だから、自分たちで自分の身を守るためにも、頑張ってみてくれ!」
「そうね、ヒデトやリンが言うとおりだわ。ヒデトの強さに甘えずに私も自分の身ぐらいは自分で守らなくちゃ!」
「私も自分の身を守れるようになります!」
「よし!その意気だ!まあ、と言っても万が一だ。
俺が生きている限りは、三人に危害が及ぶことは一切ないから安心してくれ!
ただ、できれば俺の手伝いをしてくれるとありがたいという意味でも、知っててほしいんだ。
よし、じゃあまずはミクだな。
ステータスを確認してみろ!
ダンジョン制覇したし、魔王を実質討伐したからステータスが向上してるはずだ!」
「わかったわ!」
そう言って自身のステータスを確認するミク。
「どれどれ…。」
「私も見たいです!」
リンやアキもミクのステータスを覗く。
すると、下のようになっていた。
・氏名:ミク ヨコヤマ ・LV327/3000 (251→327)
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:剣姫LV327/1000 2:秘書LV327/1000
・基本ステータス
HP:313000/313000 MP:313000/313000 SP:275/275 腕力:313000/313000 知力:EX
俊敏:313000/203000 器用:313000/203000 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「ハーレムの加護」「大剣聖の加護」「従者の神の加護」
〇ユニークスキル:「指揮指令」「無限記憶・定着力」「偽装」
〇通常スキル 「身体強化」
〇習得済み魔法:なし
〇習得済み剣技:スラッシュ
「うわー。
私って、人属だけど、人属じゃないレベルまで来てるね…。」
「ミクちゃんやばいね!」
「そうね…。ミクのステータスやばすぎるね…。
一国が一つ滅びるほどだわ…。
私と戦ったら愛称最悪ね(笑)
ミクは剣技を主に使用する感じだから魔法無効も効果がないわね。」
「そうだな…。
ミクの場合は、ジョブが『剣姫』だから、
前衛で剣技をふるって戦うことが基本的にメインになる。
前から剣を使っていたから『剣姫』のジョブに設定したんだ…。
それに、剣を使って戦ってるミクが可愛いかっこいいんだ。
だから、そのジョブを選んでみた…。
いやだったら言ってくれ!変えることもできる!
でも、主は剣技だが魔法ももちろん使うことのできるステータスだ。
アサドリムの国を一人で滅ぼせるレベルではあると思う…。
だから、ギルバート達三星の人たちのメンツを保つためにも極力無駄な戦闘は避けるようにな!
スキルは、こないだ話した通りだ。
剣技はどんどん習得できるように加護してるし、見たものをすぐに発現できるようにしてる!
こんなステータスだから、普通の人に見えるよう偽装もしてあるから、安心だ。
それと、ミクにはこれから俺がやっていくことの秘書的立ち位置…、についてほしいと思ってるんだ…。そのための加護なんかも色々つけてる…。
前衛に秘書っていう少しイレギュラーなポジションなんだが…。
どう、かな…。」
「ヒデトありがと。ヒデトが作ってくれたステータス大事にする。
大好き。」
頬を少し赤くし、目をキラキラせ、金色の髪をなびかせて抱き着いてくるミク。
愛おしい。
やはり、守りたくなってしまう。
力強く抱きしめるヒデト。
後で二人が少しほっぺを膨らませている。
それに気づいたヒデト、
「っと、よ、よかった!
次は、アキ!
ステータス画面を開けるか?」
「はい、ヒデトさん!」
アキがステータスを表示した。
「どれどれ…」
「アキちゃんのどんな感じなの?」
リンとアキが覗くと以下のようになっていた。
・氏名:アキ ヨコヤマ ・LV327/1000 (251→327)
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:魔法師LV327/1000 2:調理師LV327/1000
・基本ステータス
HP:313000/203000 MP:313000/313000 SP:275/275 腕力:313000/313000 知力:EX
俊敏:313000/313000 器用:313000/313000 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「ハーレムの加護」「大賢者の加護」「料理の神の加護」
〇ユニークスキル:「食料庫」「無限記憶・定着力」「偽装」
〇通常スキル :「調理術」「身体強化」
〇習得済み魔法:アイスニードル
〇習得済み剣技:なし
「へぇ~~~!
これまたすごいステータスね…。
ヒデト、あなた一体いくら国を滅ぼそうとしているの?
まあ、私との相性は最悪みたいだけど…」」
リンが口にする。
「私と同じくらいつよそうに見えるわ!」
ミクが口にする
「リン、そんな縁起の悪いことを言うなよ…。
俺はみんながいなくなってもらうことが嫌なだけなんだ…。
と、まあ、そう。リンが言う通り、リンとの相性は最悪。
つまりは、魔法を主として使うステータスになってる。
ミクが言う通り、アキもミクと同じぐらい強いステータスだ。
魔法はどんどん習得できるように加護してるし、見たものをすぐに発現できるようにしてる!
ミクと同様に、ステータスに偽装をしているから、目立つことはないし基本的に大丈夫だ。
それと、リンにはこれから、ハーレムの食事を調理してほしいと思っている。
そのためにいろいろなスキルを付けさせてもらってる。
基本、家に冷蔵庫があるから使わないスキルかもしれないが…。
月見荘で作ってくれたから適任だと思っていたんだが、どう…、かな。」
「ヒデトさん!」
ぎゅっ。
はわわ。。。
短い黒髪が風になびいて可愛い。
必死そうに、抱き着いてきている、
「ヒデトさん!
ありがとうございます。
こんな私をもらってくれて、こんなに生活が安心して過ごせるなんて。
私はヒデトさんといて幸せです。
大好きです!」
そういってヒデトにキスをするアキ。ヒデトは背が高いので少し背伸びをしてキスをする…。
ミクの上をいった。
「よ、よかったよ。
あ、あ、き、キスももちろんうれしかったけど、
ステータスの方もそう言ってくれてよかった。
後で、神話級の料理の本をあげるね。」
「やったー!!!
ありがとうございます!ヒデトさん!」
アキ、見かけによらず相当の策士である。
「最後はリンだ!
こないだスキルをいろいろ加えさせてもらったが、
ここでもう一度教えとこうと思うよ!」
「あ、ありがと…。」
「じゃあ、ステータスを開いて!」
リンがステータスウインドを表示する。
今までと同様に、ミクとアキがリンのステータスを覗き見る
「わーーーー。」
「はえーーーーー」
二人が驚くの無理はない。
二人が見たリンのステータスはこのようになっていた。
・氏名:リン ロワイアム ヨコヤマ ・LV275/1000
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:竜騎士LV100/1000 2:王女LV275/1000
・基本ステータス
HP:275000/275000 MP:275000/275000 SP:230/230 腕力:275000/275000 知力:EX
俊敏:275000/275000 器用:275000/275000 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「王の加護」「龍の加護」「魔法無効」
〇ユニークスキル:「指揮指令」
〇通常スキル 「逃げ足」
〇習得済み魔法:なし
〇習得済み剣技:なし
「えええええええ!!!!!!!!
私が竜騎士????、m…む、無理無理無理無理。
龍に乗って戦うんでしょ??
そんな神話に乗ってるようなことなんてできるわけないわよ!」
「そ、そうか?
リンは魔法無効だから、仮に地上から魔法を受けても、龍自体も魔法耐性あるし、
適任だと思ったんだが…。
それに、このジョブ以外だと、どんなジョブを作ればいいかわからないんだ…。
ランドハート王国の帰属の第二職のジョブを参考にしようと思ったけどみんな聖騎士ばっかりでよくわからなくてな…。聖騎士って強そうだけど一人一人で見ると意外と弱いんだよ…。」
「わ、わわ私は、そ、そんなに言うんだったらし、するわ!」
「ほんとか?ダイジョブなんだぞ?」
「いい。ヒデトが選んでくれたんだし、私も少し怖いけど頑張ってみる!
ありがと!ヒデト!」
「おう!がんばれよリン!」
「よっし、じゃあ早速この森にいる全部で36匹のモンスターを倒してきてくれ。
俺はこの場所から動かないから自分で頑張ってくるんだぞ?」
「早速実践だね。頑張ろ!みんな!」
「もちろんです。ミクちゃんにリンさんには負けませんよ!」
「私も二人には負けない!」
「二人とも言うわね!でも、ミクが勝つもんね!」
なにか、よくわからないが勝ち負けを話している三人。
とりあえず頑張ってくれそうでよかった。
ヒデトはこの場所に「スイートハウスバイヒデト一号館」を建てて休むことにした。
三人に何かあっても索敵モードが作動するし、家をパーフェクトキューブで覆えば安全。
ということで、家を建てた。
「位置について、よーいドン!」
ミクの掛け声のもと、アキ、リンが魔物狩りに出かける。
「行ったか…。あいつらダイジョブかな…。ここにいる36匹は、俺が創造したモンスターなんだなぁ、これが。ランクの弱いモンスターから攻撃するようにプログラミングしたけど、最後の三体なんて、魔王超えてるからな…。まあ、一応、サマエルに頼んでこの森を覆うように結界を作ってもらうように言っておいたし、索敵でも確認できるからダイジョブか。」
そんなことはしらず三人は我先にモンスターを倒すぞと意気込み、早々と走り出したのだった。
ヒデトもまたアキと同じように策士であった。
更新が遅れてしまい申し訳ありません。
最近は、本職の都合上、一週間に一本ほどの投稿となってしまっております。
土日ではできる限り更新していきたく思っています。
よろしくお願いいたします。
迂路慎家海嘉羅夢




