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第17話

魔王復活と裏切り

リンに部屋の様子を見られたかもしれない、という疑念を持ったヒデト。

隣のリンの部屋にリンに会いに行く。

部屋のベルを鳴らした。


「はい」

中から声がする。どうやらリンの声らしい。


「俺だ、ヒデト。少し話がしたいことがあって、

今大丈夫か?」


ヒデトが中のリンに語りかける。


「今?? えっと、ちょっと待って…


・・・


はい、いいよ!」


二分ほどして、部屋の鍵が開いた。

中には部屋着姿、ワンピース姿のリンがいた。



「お、お邪魔します…。」

中は、お嬢様の部屋だった。

高級な、周りにカーテンの付いているベッド。

身なりを整えるためのアメニティーの豊富さに驚く。

やはり女性の部屋とはこれぐらい必要なのだろうか…。

スイートハウスバイヒデト一号館の、

アメニティーもこれを参考に多くしないとなぁ…。


ここに座ってと、リンが出してくれた椅子に

ヒデトが座る。


「で、話って何?」

リンが口にする。


「いや、その、俺らがいる部屋の前でリンがずっと部屋をのぞいてたみたいだったから、

どうしたのかと思って…。」


ヒデトが率直に直接伝える…。


「え、いや、その、…えっと、


恥ずかしいのだけれど、ヒデトたちの行為を見てたわ…。」


こ、こいつ素直すぎだろ…。


ガタ…、おっと…。

ヒデトが驚いて、椅子から倒れそうになる。


「えと、俺たちのあんなことやこんなことを見てたってこと?」


ヒデトが口にする。


「そ、そうよ。わ、悪かったわ。勝手に覗いてしまって…。

でも、なんか気になっちゃってつい見てしまったの。」


リンが本音を打ち明ける。

まじか…、気になっちゃったって、もしかしてリンもそういうことに興味上がるのか…?

って、そんなことじゃなくて、


「リン、どうして俺の部屋の中の様子を見れたんだ??

実はここだけの話、ある魔法を使って、俺たちの存在が

他者からわからないようにしていたのに…。」


「え、そうだったの。

確かに変ね。

でも私はちゃんと見れたわ。」


リンが隠すことなくきちんと言ってくれた。

これは何かがおかしい。

リンのステータスをEXスキル「智慧」の解析鑑定で調べる。

すると、ステータスがすごいことになっていた。


・氏名:リン ロワイアム ・LV150/150  

・年齢:20歳  ・性別:女 ・種族:人属 

・ジョブ   1:貴族LV100/100 2:王女LV150/150

・基本ステータス

HP:6800/6800 MP:6800/6800 SP:80/80 腕力:6800/6800 知力:S-

俊敏:6800/6800 器用:6800/6800 幸運:S+ 

・スキル

〇EXスキル:「王の加護」「魔法無効」

〇ユニークスキル:「指揮指令」

〇通常スキル 「逃げ足」

〇習得済み魔法:なし

〇習得済み剣技:なし



これである。

流石は第一職が貴族ということもあり、

第二職が開眼して王女を設定している。

ステータスは平民とは違い、LV100が最大となる貴族だが、

王女の最大レベルが150であるからリン自体のレベルは150だ。

さすがに、平民よりは明らかにステータスが上である。

さらに、驚くのが、EXスキル「王の加護」である。

これは、王が生きている限り、リンの命は保障されるというもの…。

これはいい意味でも悪い意味でもリンは王が生きている限り死なないということらしい。


あとは、カモフラージュが無効となった原因である「魔法無効」である。

流石に、無効はすごいと思う。

ヒデトの場合はユニークスキルの耐性をLVを上げることで無効を獲得できることになっていたが、EXスキルとしてすでに無効を持っているようだ。


これは、リンにばれないようにするには、

無効を無効する魔法を併用してカモフラージュを使用しなければならないかもしれないな…。


あとは、スキル「逃げ足」だな。

どういう状況に陥っても逃れることができるというスキルだ…。

これがあればとりあえずあつかまって辱められようとしても抜け出せそうだ…。

とりあえず安心したヒデト。


どうやらリンは本当に嘘は言っていない。


「どうしたのヒデト?そんなに私を見て…。

ま、まさか私ともイチャイチャしようと思ってるわけ?」


「い、いや違うぞ、何でもないよ。

リンはどうやら魔法を無効にできる体質のようだね!」



「違うのか…。してもよかったのに。」

ヒデトにわからない小声で言うリン。


「なんか言ったか?」


「いや、何でもないわ!

って、今さっきじろじろ見てたと思ったらまさか私のステータス覗いてたの?

そんなことできるのって、王都でも限られた人間にしかできないのに…。」


「ま、まあな…。一応、いつの間にかできるようになってたんだ…。」


嘘は言っていない。


「へぇ~~。いつの間にか…、ねぇ。

じゃあ、私のステータスどうなってたの?」


そう、リンに聞かれたため、先ほど示したように説明する。


「あなた、ほんとにすごいわ。

私のEXスキルは、普通の人が鑑定しても見られないようになっているのに…。

ますますヒデトのこと、好きになっちゃった。」


「ん?」

ヒデトが首をかしげる。


「ん?」

何かがわかったかのように、リンの頬が赤くなっていく。


「い、いや、今のは違うの!違うから忘れて、忘れてったら!!

はい、もうおしまい。もう夜中だから帰って、帰って!!!」


そういってヒデトの背中を押して玄関に連れていき、部屋から追い出すリン。

照れている様子が可愛い。

バン。

行き良いよく締められ、まんまと部屋から追い出されたヒデト。


リンが俺のことを好き…?

まさかな…。


そう心に問うも、何かの間違いだろうとその場では、

そのことをあまり考えなかったヒデトであった。


一方部屋の扉を閉じたリンは、

ヒデトを追い出した後、

真っ赤になった頬に両手を当てて、扉に持たれながらしゃがみこんだのであった。



朝になり、身支度を済ませ、昨日の晩餐が行われた面会室に一同が集まる。

「いよいよ、魔王を討伐するときが来た。

これから、各々気合を入れ、絶対に死なないように。

死んだ者は許さん。いいな?」


「御意」


ギルバートをはじめ、ロイアル・ビトレイ・ワイズ・カイルといった部下がリンに忠誠を示す。


「ヒ、ヒデトたちも、自分のみを第一に考えて行動してくれ」


「了解だ!」

「もちろん!」

「はいです!」


ヒデト、ミク、アキ、それぞれがリンに返事をする。

なぜか、リンがヒデトたちに対して、

言いづらそうにしていたのはこの際触れないことにしておこう。


「ではこれより魔王討伐に向かう!」


こうして

魔王討伐へと足並みを進めた。

今日の朝にアドバイザーによって教えてもらった、

この世界の地理と魔族についてを思い出していく。


アドバイザーは以下のように説明してくれた。


「この世界『アナザ』ーには大きく5つの大陸が存在します。

その大陸は二つが大きい大陸、二つが中ぐらいの大陸、一つが島ほどの小さい大陸です。


二つの大きい大陸の名前を、それぞれ「アサドリム」と「ヨルツブレム」といい、

「アサドリム」には人属・亜人属がそれぞれに大きな国をたくさん作って暮らしています。

「アサドリム」の人属が作った大きな国の一つとして、

我らがリンさんの父、ロワイアム公が治める「ランドハート王国」があるのです。

現在ご主人様がいらっしゃるのは、、

この、「ランドハート王国」の西端地域に含まれる、

「ギルバートの森」周辺のリンさんの別荘です。

「ギルバートの森」は、ヒデトが「アナザー」降り立った「美しい草原」から

西に向かって進み、「アイネの町」、「アイネの森」をこえたところにあります。

アイネ一体もすべて「ランドハート王国」の領土です!


一方、「ヨルツブレム」は魔族が暮らす大陸であり、

昔は、「魔王都市ポルケノン」を中心とする魔族の絶対王政・封建制度によって

支配されたの大陸でした。

しかし、先代の勇者が「アサドリム」に攻めてきた魔王を封印してからというもの、

現在は、人属と魔族が手を取り合って暮らす平和が実現し、、

日々大陸間で学校が提携し、生徒の交換留学などが盛んに行われるようになりました。


あとの三つの大陸は紹介程度ですが、

中ぐらいの大陸二つは、

巨人族がすむ「コロッサス」と精霊属が住む「フェアリースピリット」です。

あと一つの島ほどの大陸ですが、実際に発見されているわけではなく、

神話にこの世界の創造神アテネの使者がいると記載されているだけの「パルテノン」です。。


これが大まかなこの世界「アナザー」の地理的情報になります!ご主人様!」


相変わらず、声がメイドさんである。本当に実体化してメイドとして働いてもらいたい…。


「魔族についてですが、

魔族とは簡単に説明すると、人属と変わらない容姿をしており、

人属と比べ物にならないほどの魔力を持っている者のことです。

その魔力を使って、周囲のモンスター手なずけたりすることもできる、

容姿は一緒ですがすこし人属とは違った存在です。

また、夜になると太陽の光が当たらなくなることによって「闇の引力」の効果が高まり、

魔力がきちんと制御できていないものは、

その「闇の引力」の効果をうけやすく、

結果的に、魔力の暴走を起こして同種族以外の者に対してやみくもに襲うものがいます。

そのため、アサドリムとヨルツブレム間での交換留学される生徒は、

ヨルツブレム側は

闇の引力にもきちんと対応して、魔力がきちんと制御できるものだけを、

アサドリム側は、

闇の引力により襲われても対処できるものを

それぞれ選んで交換しているということです。」



と、これがアドバイザーに聞いた内容だ。


ヒデトたちは今回、話でも出てきていたが、

アサドリム側に封印された魔王が復活するために倒そうとしていたのである。


封印された地は、王族しか知りえない場所ということで、

しっかり置いていかれないように歩く。

別荘から歩いて10分ほどだろうか、

何やらそれらしきものがある。

魔王の墓だ。

あとで聞いたが、別荘がここに立っていたのは、

こういった魔王関連の動きに対しすぐに対処するためだったらしい。


「止まれ。」

ギルバートが、一行に泊まるように指示を出す。

現場に移ったため、指揮権がギルバートに移り、

リンは一番後ろ、つまりヒデトの後ろでおとなしくしている。

どうやら、ギルバートが魔王の墓近辺で怪しい動きを見つけたようだ。

索敵モードでは別荘にいたときから確認していたが、

詳細に魔族と表示された赤いアイコンが墓付近でどんどんと消失していた。

おそらく、自分の命を犠牲にして魔王の魔力というとてつもない魔力を

日々魔族が紡いでいたのだろう。


と、また魔族が消失する。


と、ここで索敵モードに、

戦った際のシロ並みの濃い赤アイコンが表示される。

どうやら、魔王が復活したようである。


このアイコンの濃ゆさはやばいな…。

おそらくこの場のギルバート達だけでは絶対に倒せないだろう。

ギルバートのステータスは、

腕力など程リンには勝っているが、実際のスキルなどを見てみると明らかにリンの方が強い。

実際に戦うのが魔法出れば、リンは無敵だ…。

おそらくそれを知っているのは、ロワイアム王だけだろう。


その時、ミクとアキが、なにやら後ろで叫んでいる、

後ろを振り向くと、後ろにいたリンがいなくなっている。

どこへ行った…。

くそ、俺がボケッとしてたばかりに…。

保険もかねて、

「透明化」と「パーフェクトキューブ」をミクとアキに使用し、リンを探しに行く。

だが、あたりを探しても目視では確認できなかった。

索敵モードに目を移すと、リンのアイコンは表示されているが、

どうやら誰かに連れ去られているようだ…。

詳細に捕縛中と記載されている。

早く助けに行きたいところだが、

このまま助けに行くと、魔王にギルバート達が殺されかねない…、ん?

ギルバート達の影が、一人少ない。


ギルバート、ロイアル、ワイズ、カイル…、あれ、

ビトレイ、ビトレイ・スケアードがいない。


どこへ行ったんだ??

ヒデトが索敵モードで探す。

しかし、反応がない。

どうやら索敵から逃れる魔法を使っているようだ…。


くそ、してやられた。


どうやらビトレイは裏切ったらしい。

と、ここでギルバート達も異変に気付く。


「おい、ビトレイはどうした。」

ロイアルに聞くギルバート。


「後ろにいますけどっ、おいビト…、

ギルバート様ビトレイがいません!

居なくなっています。

それに、王女様もいらっしゃいません。」


「なんだと!!、

まさか、ビトレイのやつ王女様を誘拐したのではないか?

あやつは、ここのところ夜に、

やれ魚釣りだ、薬草採取だと言って別荘をよく抜け出していた…。

その時に、外部の仲間に情報を知らせていたんだ…。

この間の盗賊の剣ももしかしてあやつが手引きを…、糞!」


拳を地面にたたきつけるギルバート。



「落ち着いてください。

このままリン、王女を助けに行くと、魔王が復活してまずアイネの森を襲いますよ…。

もうその兆候が見られているじゃないですか。

そして、おそらくですが、このままあなた方が戦っても、この魔王には勝てません。

そこで、あなた方与人は王女を探してください。

私たち三人がこの魔王を倒します。」


「なんだと?この我らが倒せないと申すか?貴公。

貴公らの力はこの目で見た私はよく知っておる。

まだ、底知れぬ力を持っておることもな。

しかし、貴公らとて、私の力を見たことがなかろう。

それなのに、勝てないとは申されるな…。

私が…」


突如、ギルバートの声がかき消されるほどの衝撃が、ここ周辺を襲った。

その衝撃波はすさまじく、ギルバートらは今にもその衝撃で吹き飛ばされそうである

一方ヒデトたちはパーフェクトキューブで守られており、全く効かない。

それどころか、リフレクターの効果で、魔王の方に衝撃を跳ね返す。

魔王のリフレクターによって返ってきた自身の衝撃を受けた声が聞こえる。


「うお…。な、なんだこれは…。」



どうやら魔王の復活が完了したようだ。事態は一刻を争う。

衝撃が収まり、無傷のヒデトたちを見たギルバート。


「貴公ら、一体…。」


「それは後です。早く王女を探しに行ってください。

王女は、おそらくアイネの森付近にいると思います。

ここは私たちが食い止めます。さあ、早く!」


「すまない。恩に着るぞ。」


「あ、ちょっと待ってください。」

そういって無詠唱で神話級回復魔法「リストアー」を発動するヒデト、

ギルバートらの傷が一瞬出直っていく。


「体が、治っている!!」


「もう大丈夫です!行ってください!」



「うむ、分かった!

必ず王女を探し出して見せる!

そちらは頼んだぞ、貴公!」


「もちろんです!」


ギルバート達がアイネの森の方へ行ったのを確認し、

魔王討伐を行おうと魔王に会いに行きだすヒデトたち。


はたして魔王を倒すことができるのか…。

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