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第10話

ダンジョンと家

ダンジョンの中に入ったヒデト一行。

ダンジョンの中に入るのが三回目であるというミクとアキに連れられ、

一歩を踏み出したヒデト。

早速あたりが暗くなった。

松明などを使って周囲を明るくして進むのが一般的であるが、

松明は持ってきていなかったため、


「ライト」


ヒデトが無詠唱で生活魔法「ライト」を使用する。

ヒデトがEXスキル「智慧」によって創造した魔法一つ目である。

これによりヒデトの周囲50メートルは太陽が当たっているのと変わらないほどの明るさになる。

これはヒデトの魔力が無限大であること、そして並立演算を使用できるため、

永遠に使うことができたのであった。

アキやミクが口々に


「こんなにダンジョン内で明るいのは初めてです!

流石、ヒデトさんです!」


「ほんとそうね!流石がヒデトね!」


と告げる。相性ピッタリらしい。

こういう話をしながら、一行は奥へ奥へと進んでいくのだった



ここで、少しだけダンジョンのことについて解説しておきたい。

ダンジョンは簡単に説明すると地下迷宮であり、ダンジョンによって階層数は異なる。

ダンジョン<<迷宮>>とよばれるものは、この世界には数万個以上存在し、

その中でも7大ダンジョンと呼ばれるダンジョンは、

まさに七つの太古から存在すると言われているダンジョンであり、幾重にも階層があると言われている。

このギルバートの森のダンジョンは、普通のダンジョンであった。

また、モンスターを生み出して続けていることから「ダンジョンも生きている」と言われている。

ダンジョンにはダンジョンコアと呼ばれるものがあり、そのダンジョンのボスが持っている。

そのコアを壊すとダンジョンはモンスターを生み出すということができなくなり、

俗にいうダンジョン制覇となる。

ダンジョンは、ダンジョンコアによって生み出される魔素(魔力,MPのもと)を豊富に含んでおり、

それによって豊富なモンスターが出現したり、魔素の塊とされる魔石晶がダンジョン内に生成される。

この魔石晶は、きわめて高値で取引されるものであるため、

ダンジョンに潜っている冒険者ではこれによって生活を維持している者もいると言われている。

また、宝箱というものも存在する。

通常、隠し部屋とよばれる場所にしか出現しない、きわめて発見することの難しいある種のご褒美である。

しかし、その部屋にはトラップが仕掛けられているためきちんと対処する必要がある。

と、ここまで大まかにダンジョンの概要を説明してきたが、ヒデトの前にもついにモンスターが現れる。


「二人とも止まって!

モンスターだ。多分4~5匹ほどいるよ。戦闘準備だ!」

ヒデトが口にする


「ほんとだ。ヒデト気づくのは早い!

早速戦闘準備だね!」

ミクも返事する。


「了解です!」

アキも返事をした。


地図上で示されている赤いアイコン詳細を見ると、

どうやら、LV10までのゴブリンの群れのようだ。

これなら、ミクやアキも大丈夫だろう…。

ついに、ライトで照らされた範囲にゴブリンたちが姿を現す。


「ふたりとも頑張って!」


ミクとアキが果敢にゴブリンに立ち向かう。

と、突如ミクの剣先から光が生じ、ミクが剣を振るのと同時に

「スラッシュ!!」

ミクが剣技「スラッシュ」を発動する。

斬撃が瞬く間にゴブリンを襲い、ミクはゴブリンを2体と一匹先頭不能にした。

アキも同じく、

「アイスニードル!!」

と、魔法「アイスニードル」を発動する。

その名の通り、氷がアキの正面に生成され、針のように、細かく分かれ先端が尖っていく。

「いけーーー!!」

細かく分かれた氷の針が先頭不能のゴブリンを含めた残りのゴブリンに刺さっていく。

こうして、ゴブリンの群れをわずか10秒ほどで片づけたのであった。


「ま、マジか…。って、え、剣技と魔法使えてるじゃん…。」

ヒデトは驚くあまり思っていたことが言葉に漏れる。


「もちろん使えるわよ!だって、ヒデトがつけてくれたじゃん!

大剣聖の加護と大賢者の加護っていうスキル。

これよく見てよ!

この効果って初級剣技・魔法から順に使っていると、

どんどん自分で剣技・魔法を習得していくことができるっていうものよ?」

ミクがこう口にする。

ヒデトは見落としていた…。

まてよ、加護ではなく自分がジョブ「大剣聖」「大賢者」を職として設定しているということは、

もしかすると、すべての剣技や魔法がすでに今の状態で使えるのではないか??

アドバイザーに聞いてみる。

「申し訳ございませんでした。

ヒデト様は実際のところすべての魔法・剣技を習得しております。

しかし、ロックがかかった状態となっており、現状厳密には使うことができません。

ロックがかかった経緯としては、

創造神様がご主人様にチートを与えすぎたことで、

ご主人様が少し成長する楽しみを味わえないのではないか、

ということをお考えになり、ロックというものを取り付けられました。

ただし、いつでもそのロックを「解体」によって壊すことができます。

しかし、そんなことをしたら面白くないのではありませんか?

やっぱり楽しく三人で成長していく方が楽しいと思います。

どうしてもすべての剣技・魔法が使いたくなった時にはいつでもおっしゃってください。

秘密にしていて申し訳ありませんでした。

ですが、ほら、このように二人が剣技と魔法を使用したことで、

ご主人様も習得されましたよ!

こんな感じで三人で上達するというのがいいのではないでしょうか。

何かあれば、創造でこの世界にないチート的な剣技や魔法を生み出すことのできるのですから、

これぐらい造作もないことではありませんか?」


アドバイザーが語る。なるほど、そういう理由だったのか。

確かに、成長する楽しみをもらえないのは悲しいな。

それに、みんなで成長する方が楽しいってもんだ。


「こっちこそごめん。

俺のことをきちんと考えていてくれてありがとう!アドバイザー!

これからもよろしく頼む!」


ヒデトがお礼を告げる。


「いえいえ、ご主人様許してくださりありがとうございます!

ご主人様、大好きです!」


いかん。本当にくだり化してきてしまった。

と、そんなことを脳内でしていると、心配そうにミクとアキがこちらに見ていることに気づいた。


「大丈夫ですかヒデト様?なんか私たち悪いことしましたか?」

アキが口にする。


「ぜ、全然大丈夫だよ!

というか、剣技と魔法が使えるのはすごいことだぞ!

これからももっともっと敵を倒していくんだ!

今日からのしばらくの目標は、このダンジョンの制覇なんだからな!」


ヒデトが口にする。内心焦っていたことは隠そう。


「うん!これからヒデトに負けないように私たちもっともっと強くなるから!!

でも、ヒデト。今日からのしばらくの目標って今言ったわよね…。まさか、ダンジョン制覇までダンジョンに住み込むつもり?」


「え、うん。そうするつもりだったけど。なんか悪いことがあったか?

だって俺のチートがあれば、安全だし、ダンジョン内に家とか建てられるから。」


「ダンジョン内に家建てる????」


「うん。やって見せようか。創造!」


ヒデトがそう無詠唱で念じると、

ダンジョンの壁に穴が開き見る見るうちに家が建てられるスペースが出現したかと思うと、

家が形作られていく。

ヒデトが創造した家は、

広々としたIHのダイニングキッチン(調理器具もすべて最高級を完備)つきの

リビング(通常のテレビなどを見ることもできる最高級のスクリーン・プロジェクター完備)、

いろんな行為ができるベッドルーム(超高級生地のトリプルベッド完備)

入り口が透明で中に入っている人がどんな様子かがわかるバス・シャワールーム(TV・playter完備)

そしてそこから扉一つ開けると露天風呂

などなどヒデトの思いつく限りの最高級を創造した家、

「スイートハウスバイヒデト一号館」が完成した。

一号館と命名したのは、手直しが必要な際にどんどんバージョンアップしていくからである。


「ひょえ~~~~~~~!!!!!!!」

ヒデト自身も驚いているが、


「わーーーーーーーーーーーー。」

ミクとアキも唖然としている。


それもそうである。いきなりダンジョンの壁が壊れて家が建ち、

その家の中がまた見たこともないものが入っていたのだから。

一通りヒデトにこの家、そして見たこともないもののことについて教えてもらった二人は

「これも、ちーとっていうスキル?

ですよね…。

ヒデトさんは最強です!!

大好きです!」

といった趣旨の言葉を連呼してくる。目を輝かせすぎだ。


ということで、これからしばらくダンジョン内に住み込むことが決まった。


早速作った家をストレージに収納し、

ダンジョン探索を再開する。

それまではゴブリンにしか遭遇せず先ほどと同じような形で探索していたが

再開して40分ほどが経った頃だろうか、

地図に濃い赤で表示されたモンスター群が示される。

どうやら草原など道端によく出るモンスター「ブラックウルフ」の上位種、シルバーウルフだ。

一度万物検索で調べたことがあるから、シルバーウルフのことはよく知っていた。


シルバーウルフはたとえ一体であっても、

Bランク冒険者が束にならないと勝てないと言われているAランクのモンスターだ。

それの群れだというから、なおさら分が悪い。

さらに、シルバーウルフは索敵力があり、その索敵範囲に一度でも入ったものは永遠に追いかけられるほどしつこいモンスターでも有名である。

あったら最後殺すまで追いかけてくるめんどくさいやつだ。


さーて、どうするかな。

と思っていると、ミクがその範囲に堂々と入っていってしまった。


しまった!!


しかし、もう遅い。


シルバーウルフ20体近くの群れが一斉にミクめがけて襲ってきているようだ。

おそらくミクが気づいたときにはミクはやられているだろう…。

こりゃやばいな。

「ミク、アキ、落ち着いて聞いてくれ。

あと15秒ほどしたら、シルバーウルフの群れがこちらに来る。

索敵力があり、逃げても永遠に追いかけるモンスターだ。

また、Aランクモンスターでもある。

だから、ここは俺の後ろに下がって、来た道を引き返していてくれ!」


「し、シルバーウルフ…?」


二人が唖然とした顔を見せる。

それもそうである、

ヒデトがどう殺そうか迷っている敵なのだ。殺そうかである(笑)。

一平民であったミクやアキが動揺しないはずがない。


これは、なおさらやばくなった。

ミクとアキがおびえて動かない。

どうするかな。安全第一で殺すか…。


結果、二人を完全に安全にした状態で、

先ほど二人が使った剣技・魔法を駆使し、シルバーウルフを殲滅させることにした。

ようは、お手本プレーである。


まず初めに、EXスキル「智慧」による創造で「パーフェクトキューブ」なる魔法を作った。


これは、後から調べてわかったことだが結界魔法に含まれる新しい神話級魔法であった。


そんな神話級のいかれた魔法を創造し、アキとミクに魔法を発動する。

すると、二人はキューブの中に入った。


「それは「パーフェクトキューブ」だ。

敵からのすべての攻撃を無効化し、反射(リフレクター)するだけでなくキューブ内からの攻撃力を10倍に上昇させるというチートな結界魔法だ。だから、二人とも安心しろ!

これから、俺が二人が使った魔法でシルバーウルフを討伐する。

目にしっかり動き焼き付けて、次は自分たちが戦えるように覚えるんだぞ!

そろそろ来るぞ、よく見とけよ!」


ヒデトはそう口にすると、二人が出せる限界をキープしつつ

「スラッシュ」や「アイスニードル」を使って戦っていく。

少しずつ減っていくシルバーウルフ。

その攻撃は決して無駄な動きは一つもなく、

すべての攻撃をかわしながら、致命傷の場所に攻撃を打ち込んでいく。

10秒ほどであっただろうか。

20匹ほどのAランクの魔物がすべてそこに殲滅された。








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